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勇者エミリナ

宿屋に戻ったリリィフラワーは、ルディアルを狙う勇者エミリナと異端審問会処刑執行神官ガーランドと邂逅する。

「い、行くわよ!」

震える声で宿屋の前に立つアリシアさん。


なんだ!?この扉越しでも感じるプレッシャーは!

火竜と対峙した時よりも圧を感じるぞ!


俺は見習い天使の鎧に着替え、宿屋の入り口前に立つ。


この扉の向こうに、いったいどんな化け物がいるんだ!?


俺を先頭にアリシアさんクラリスさんリリアさんの順で戦闘隊形をとる。


覚悟を決め…

ギィィィ。

ゆっくりドアを開け、宿屋に入る俺たち。


「待ちくたびれましたよ…偽天使さま」

そこにはライトアーマーで武装した身長150センチもなさそうな小柄でショートカットの可愛らしい女の子と神官服を着た2メートル近い虎顔のごっつい獣人がいた。


ゆっくりと腰の剣を抜く少女。

その剣は俺の見習い天使の剣に似ていた。


ヤベェ…あの剣は俺を斬れる。

そう思わせる神威があった。



天使の眼が、少女の剣が縦横無尽に俺の首を狙っている事を表示する。


俺も見習い天使の剣を具現化させるが…

どう避けてもパリィしても躱せる気がしない!




「………。」

俺の剣を見て息を呑む少女。


しばし動きが止まる。

そして、天使の眼の攻撃ライン表示が消える!?


「あ、あの…もしかして…ほ、本物の天使

…さま…ですか?」

俺に問いかける少女。


「いえ、ただの旅人のルディです」

完璧に天使の格好して、この言い訳は通じるだろうか?


俺から目を離さず、後ろに控えた虎顔の神官とヒソヒソ話をする少女。



斬りかかってくるなら早くして欲しい。

こうしている間にもMPがどんどん消費していく。


「あの、どう見ても天使さまにしか見えませんし、そう感じられます。」

再び、俺に問いかける少女。


「ルディはただの旅人で私達の仲間よ!!」

アリシアさんが助け舟を出してくれる

コクコク、頷くクラリスさんとリリアさん。


再び、虎顔の神官とヒソヒソ話しをする少女。

エミリナ (ねぇ、どう見ても本物よね?)

ガーランド (うむ。そうとしか思えん。訳あって偽名を使ってるのかもしれんぞ)


再び俺を見る二人。

エミリナ (本物の天使が偽物を語っている場合はどうするの?)


ガーランド (分からん!教典には天使の名を騙った不届き者は殺せとしか聞いてない)


懐から聖書のような物を取り出し、ペラペラとめくり始める虎顔の神官。


ガーランド (ここは一旦引き上げて教皇様のご指示を仰ぐしかあるまい)

エミリナ (そうね。そうしましょう)


「て、天使さま…今日は大変失礼しました…」

剣を収める少女。

「この度は剣を向けた事、何卒、何卒お許しください」

両ビザをつき、俺に祈るように謝る虎顔の神官。


良かった…戦闘にならずに済んだ。

「はい、人違いだと分かって貰えるならそれで。」

俺は見習い天使の剣を収める。


「おぉぉ…ありがとうございます」

ペコペコと頭を下げながら宿屋を出て行く二人。


「こ、怖かった…」

ぺたんとへたり込むアリシアさん。


「凄い高位の神官さまだったわ!!」

尻もちをつくように座り込むクラリスさん。


「あの方々…六英雄のエミリナ様にガーランド様…でしたよね…」

ガタガタと震えているリリアさん。


目を剥くアリシアさんとクラリスさん。


ちなみに宿屋の主人はカウンターの裏側で気絶していた。

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