自動車教習所
中古の軽自動車を手に入れたルディアルは、リリィフラワー達に車の運転を教える事になったが…
「お、ぉぉぉ」
ハンドルを10時10分の位置で握り、身を乗り出すようにして運転するアリシアさん。
グオンッ!キィッ!グオンッキィッ!
アクセルの踏みすぎ。そして急ブレーキの繰り返しで尺取り虫のような走りだ。
10分後…
えろえろえろ…
車外に飛び出し、俺とアリシアさんは胃のものをリバースした
意外だったのがクラリスさん。
「ひぃぃぃ!!」
助手席のシートベルトを握り締め、悲鳴をあげる俺。
定常円旋回から始まり八の字走行。クランク。縦列駐車などわずかな時間で習得してしまった。
本人曰く、馬車を扱うより簡単!だそうだ。
そして…
「ていっ!」
グオオォォ!
最小限のカウンターステアで失速させず、一定の回転数を保ちながら八の字をドリフト走行で駆け抜けるクラリスさん。
マジうめぇ!
俺より運転が上手くなってしまった。
10分後…
「オェェェ…」
強烈なGで振り回された俺は再び大地にリバースしてしまった。
最後はリリアさん。
「前が見えません。」
俺は座布団を購入し、リリアさんに渡す。
「おぉ、このクッションも座り心地良いですね」
ギリギリ前が見えるようなった。
リリアさんだと、子供が車を運転するようで怖い。
「ここがDドライブですね」
「はい、そしてサイドブレーキを解除してゆっくり…」
「大丈夫です。外から皆さんの操縦を見てだいたい把握しました」
おぉ、頼もしい事を言うリリアさん。
「では!私は最高速度を目指します!!」
「やめて!!!!」
俺はサイドブレーキにしがみついた。
満タンだったガソリンが空になる頃には、アリシアさんも人並みに運転できるようになった。
「慣れると簡単ね!」
「あの滑る感覚は癖になりそうです…」
「もっともっと乗りたいです」
クラリスさんはドリダー。
リリアさんはスピード狂。
そして一番運転が下手だったアリシアさんは一番、安全運転ができる模範ドライバーになった。
運転するのは俺かアリシアさんだけにしよう。
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