捜索
行方不明になったクラリスの父を探すため森に入るリリィフラワー達。
そしてルディはその森で意外な人物達と遭遇する
「じゃ、先行しますね」
森に入って少ししたところで俺は別行動をとる。
「えぇ、お願い。沢に入って少し上流に行ったところに、お父さん達が使うベースキャンプがあるわ」
クラリスさんに教わった犬族人のベースキャンプに向かって俺は飛び立つ。
そこには狩った獲物を解体したり血抜きをする為の設備があるらしい。
まずは、そこで消えた男達の手がかりを探す。
川に沿って上流に飛ぶ事15分。
川辺にカマドや解体用の巨大なまな板などが置いてある洞窟を見つけた。
「いた!!」
天使の眼が、ベースキャンプに人影を発見する。
そこに犬族人らしい男性が見えた。
全速で近づくと…
「な!!」
その犬族人は全裸で縛られ、川辺の硬く尖った石の上に正座をさせられていた。
拷問されているのか!?
俺は苦悶の表情をあげる犬族人を助けるため、地上に降り立つ。
しかし…この行動は間違いだった。
犬族人が何者かに拷問されているのを発見した段階で、速やかに撤退し、アリシアさん達に報告すべきだったのだ。
迂闊な単独行動。
俺は敵地のど真ん中に降りてしまった…
ザシュ!ザシュ!ザシュ!
草薮の中から何本ものボーラが俺めがけて飛んでくる。
ロープの両端に複数の鉛のボールがついた、獲物を絡め取る為の投擲武器だ。
「くっ!」
飛んでくるボーラを斬り落とそうと見習い天使の剣を具現化するが、MP不足で消えてしまった。
「あうっ!」
右手に当たったボーラがそのまま右手ごと体に巻きつく。
2本目のボーラが両足に巻きついた。
3本目が両翼に絡み、4本、5本と動けなくなった俺の体に重なり、グルグル巻きにされてしまい…
「くっ!う、うわぁっ!!」
ドサッ!グチャ!!!
俺はバランスを崩し、正座で縛られている全裸男の太ももの上に倒れてしまう。
男の太ももの上に頭を乗せる状態、つまり俺が男に膝枕された格好になった。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
絶叫をあげる男。
おい!!俺のような美少女を膝枕して悲鳴をあげるなんて、なんて失礼な男なんだ!!
それに悲鳴を上げたいのは、全裸男に膝枕された俺の方だ!!!
と思ったが、俺の後頭部に感じるこの二つのミートボールと一本のフランクフルトような感触は…
ブクブクと泡を吹く全裸男。
ヤベェ…ミートボール潰したかも…
ザッ、ザッザッ…
俺にボーラを投げつけたと思わしき人物達が草薮の中から複数飛び出してきた。
「やった!ぴょん!天使捕まえた!ぴょん!!」
「まさか本当に天使が飛んでいるなんてね。ぴょん」
「な!?」
俺はそいつらの姿を見て驚愕した
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