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トイレットペーパー

クラリスの生まれ故郷を目指すリリィフラワーは川辺で一夜を過ごす。


…そして朝を迎えた。

「ふぁぁ……朝か…」


うぅ、四人でくっつくように寝ているとは言え、朝方はちょこっと冷えるな。


クラリスさんとリリアさんがテントに張った結界のお陰で魔物や野生動物の襲撃は防げるが、寒さなどは防げない。


俺は毛皮の毛布から這い出す

シュッ!

全裸から0.001秒で見習い天使の鎧姿になる。

この鎧を着ていれば、朝の冷え込みも関係ない。

常に快適な温度を保ってくれる。


「羨ましいわね。それ。」

モソモソと起き出し、パンツを穿くアリシアさん達。


俺はアリシアさん達と違って、ステータスがめちゃくちゃ低い。


この鎧を着ていなければ、スライムの体当たり一つでダウンしてしまう。

一応、目立たないようにアリシアさんに貰った外套を装備する。


少し遅れて着替えが済んだリリィフラワー達がテントから出てくる。


「うぅ、冷えます。」

そして、二人一組で朝の用を済ます。

一人はもう片方が用を足している時の見張り役だ。


(見張りと言っても、しているとこを見張る訳ではなく、急な野生動物や魔物の襲撃に警戒してだ。)


「ルディ。耳を塞いでください」

「はい、はい大丈夫ですよ」


なお、天使である俺は用を足さない。

キャンプ地から少し離れた岩場の影でリリアさんに背を向け耳を塞ぐ。…フリをしてこっそり耳をすます。


く〜〜、背後で美少女が野◯ソしてる…

そう言う趣味はないが、男だったら一度は見たい美少女の排便姿…見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ…音だけで我慢だ!!


「ル、ルディ…葉っぱ忘れた…」

この世界は紙の代わりに葉っぱを使う。


「待ってください」

俺は昨日、新たに手に入れたスキルでトイレットペーパー12ロール一組を買う。


そのうちの一つをリリアさんに渡す。

「こ、これは!!!!???」

「私の世界のお尻を拭くための紙です」

「これが羊皮紙!?信じられない…これで拭くなんて…贅沢すぎます」


テントに戻るとクラリスさんにヒールをかけて貰うアリシアさんがいた。


葉っぱでお尻を切ったらしい。

そんなアリシアさんにトイレットペーパーのすごさを語るリリアさん。


「出す前にだしてよーー」

と文句を言われたが、今後トイレットペーパーはリリィフラワーの必需品となった。


読んでくださりありがとうございます。

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