第1部完。
ルディは目を覚ますと宿屋にいた。
空白の1週間。
そして物語は終わり、そして始まる。
「うおおおっ!?」
くそ!俺、気を失っていた!?火竜は!?
俺は跳ね起きる
ガンッ!
「おふっ!」
二段ベットの上の段に頭をぶつけた。
「あれ!?」
ここはリリィフラワーの部屋?
(思考5秒)
俺、死んでここにリスポーンした?
火竜と相打ちでリスポーンしたなら問題ないが、
もし火竜が生きていたら…ヤバイ!!
俺は慌てて一階に駆け降りる
「おやじ!!火竜はいつだ?今はどうなった!!」
カウンターで冒険者と話し込んでいる宿の親父に問いかける。
「おお!ルディちゃん久しぶり!!」
「火竜は!?」
「はははっ、火竜は1週間前に天使様と王様達が倒したよ」
「そうそう街中、その話で持ちきりだよ」
親父と冒険者達の話を聞いて一安心する。
…て1週間前!?俺は1週間寝ていたのか!!
「ルディちゃんも天使様の真似かい?すごく良くできた衣装だね」
あ、いけね!見習い天使の鎧着たままだった。
「あはは…」
と、安心したら…
ぐぅぅ…腹の虫が宿中に響いた。それも盛大に…
周りにいた宿泊客達の目を引いてしまった。
「よっしゃ!天使様、何をご所望ですか?」
「がっつり精力がつくものを…」
1週間ぶりの食事。
しかも完全に消滅し再生されたばかりの身体だ。
エネルギーが完全に不足している。
天使の姿でもりもり飯をかっこむ俺の姿をうわぁって表情で見る冒険者達がいるが…そんなの知った事ではない。
「ふぅっ…生き返った…」
「ルディちゃんみたいなべっぴんさんに、それだけ美味そうに食ってもらえて俺は嬉しいよ!」
「はは、ご馳走さま。あ、あと…せ、精力剤も5.6本貰えますか?」
まだ血糖値が低い。精力剤でブーストするしかない。
「くくっ、今夜は久しぶりにいい声聞かせてもらえそうだ」
ニヤニヤ笑いながら精力剤を渡してくれる親父。
「あはは…ありがとうございます」
そそくさと部屋に戻る。
そういえばアリシアさん達は…俺を追いかけて王都に行ったのかな?
追いかけた方がいいか、ここで待った方がいいか思案していると。
「「「「ルディ!!!」」」
部屋に飛び込んできたアリシアさん達に押し倒された
「バカバカバカ!!!」
俺の胸を叩くアリシアさん。
「弱いくせに無茶しすぎです!!」
俺にしがみつき涙を流すリリアさん。
「怪我はないのね?痛いところない?」
優しく俺を心配してくれるクラリスさ…ん?
「私たち…すごく心配したの…」
あれ?なんか黒い微笑みを浮かべたクラリスさんの手には荒縄があった。
「1週間、どれだけ苦労してあなたを探したことか」
ガシッと同じく黒い笑みを浮かべたアリシアさんに後ろ手に押さえ込まれる
「…あ、あの?」
冷や汗が流れる。
「もう、あんな気持ち嫌です…」
怒り顔で俺の両足を縛るリリアさん。
「だからお仕置きです!!鎧を脱ぎなさい」
「ご、ごめんなさい!!ゆ、許して!ぇぇぇぇ」
一晩中、三人の女王様達によって俺はさんざん鳴かされた。
エピローグ
さて、嵐のような快楽の一夜が明け、俺は忘れていたステータス確認をする。
「くくっあんなに強い火竜を倒したんだ。…かなり経験値が入ったはず…レベルは2、30上がって、めちゃ強くなってるに違いない!!」
弱かった俺よ。さようなら!
今から始まる俺の異世界無双ストーリー!!!
ワクワクしながら
「ステータスオープン!!」
…レベル…上がってません!!!
入手経験値…1……………
「な、なんでぇぇ!!!」
俺は絶叫した。
天使の眼で詳しく確認すると火竜の討伐経験値は5万。
そしてそれは討伐に参加した人数分で均等割りされていた。
つまり…火竜討伐に参加した40101人プラス俺で分けられ、小数点以下は切り捨てられた結果…経験値1をゲットしたわけだ…ははっ。
「俺弱過ぎません????」
第1部…完
エピローグ2
とある別の国での出来事。
蒼で統一された聖堂のような広間に白いローブを着た性別年齢不明な人物が集まっていた。
「ランドール王国に天使の名を騙る不届き者がいるようです…」
「その不届き者の名はルディアルとか言ったな…」
「我が崇拝する神のしもべにそのような名前の天使はございません。」
「なら、そのものは偽物」
「ルディアルに天罰を!ルディアルに天罰を!!ルディアルに天罰を!!!」
読んでくださりありがとございます。
ブックマークやいいねに励まされなんとか第1部完結まで持っていけました。
これからもルディアルの冒険をコミカルに書けたらと思います




