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とっさの機転で、火竜を失神させる事に成功したルディアル。


そしてルディアルは地表に向かって落下していく…

「うぁぁぁぁぁ!!!」

遠くに雪化粧した美しい山脈を背景に

蒼い空から火竜とともに自由落下中だ。


地上まで約20秒。

激突の痛さを想像して身を固くする。

だが…俺の勝ちだ。


地上まで約5秒。

火竜が失神から回復した!!


火竜の落下速度が急激に低下する!!

不味い!!!

飛び立とうとしてやがる!!


地上まで0秒。

ドチャッ!!

地面に激突した衝撃で俺の身体は破裂し4つになる。


その1秒後に…

ドガァァァァァ!!

火竜が地面に激突した。


グォォォォォォォ!!!

激突の痛みでのたうつ火竜。

しかし満身創痍ながらギリギリ火竜は生き延びた。


チキショウ!!

今の俺は下半身と左腕を失っている。

動く事さえ出来ない。


怒りに満ちた眼で俺を睨む火竜。

グワァァァァ!!

身動きできない俺の身体を火竜は、その巨大な爪で薙ぎ払う。


ドサッ!

軽く200メートルは飛ばされた。

そのさい、俺の千切れた胴体から取れてはいけない贓物がポロポロと落ちた。


激痛で意識が朦朧とした時、


「大地の戒め!!!!!」×10000

ガオオオオオオオオオオオン!!

大地がめくり上がり、俺を追いかけトドメを刺そうとした火竜の身体に巻きつく。


魔法師団1万人による拘束魔法だ。

少しでも威力を上げる為、魔法師団は全員素っ裸だった。

その甲斐があってか、火竜は完全に大地に縫い付けられる。


怒りの矛先を魔法師団に向ける火竜。

スゥゥゥゥゥ…ゴォォォォォォ!!

その魔法師団に向かってファイアーブレスを吐く火竜


「聖なる境界!!」×100

聖堂教会神官100人による防御結界がそれを弾く。

こちらも魔力を限界まで引き出す為、全員まっぱだ。


「全騎突撃!!」

「うおおおおおお!!」

火竜360度からの騎兵3万人による波状ランスアタック。


天使の眼が火竜に90%のダメージを与えたと表示される


あと一息!!

離れた場所から騎士達と全裸集団を応援する。


バギィン!!

聖なる境界が破壊される。


スゥゥゥゥゥ…

再度、ファイアーブレスを吐こうと身構える火竜。

「構わん!!このまま突撃しろ!!!」


全滅覚悟のランスアタックを再度仕掛ける騎士たち。


このまま行けば火竜を倒せるだろう…

しかし数万の戦死者が出る


くそ!何かないか!!?

(思考0.01秒)

ふと、回りを見ると目の前に俺の千切れた左腕があった。


見習い天使のバックラーが装備された左腕だ。

MPは1回復した。飛べる!!!


俺は左腕を拾い、その左腕をかざしたまま、今まさにファイアーブレスを吐こうとする火竜の口の中に飛び込む!!


カッ!!!

火竜の口内で左腕のバックラーがファイアーブレスを弾いた。


弾かれたファイアーブレスが火竜の体内に逆戻りする。


次の瞬間!…火竜の身体が大爆散する。

そして…爆心地にいた俺は蒸発した。





再攻撃の陣形を整えていたランバードの目の前で火竜が吹き飛んだ…


「な…ん…だ?」

ランバードは呟いた。

目の前で火竜が爆散。火竜の上半身は吹き飛んでいた


爆発の勢いで落馬したものが多数出たが死傷者はいないようだ。


火竜は上半身を失い立ち尽くしていた…

「勝った…のか?」

呆然とするランバード。


そして、上半身を失った火竜はゆっくりと両ヒザから大地に崩れ落ちる。


「ふはは…英霊になりそこないましたな」

そこに魔力を使い果たし、威力を少しでも高める為、全裸になった魔法使いのガンダールが王の隣に並ぶ。


「お怪我はございませんか?」

こちらも魔力を絞り出す為、全裸になっていた司祭アーデルもやってくる。


「ははは!早く服を着ろ!風邪を引くぞ」

内心、魔法使いじゃなくて良かったと思いつつ、

全裸になったガンダールとアーデルを気遣う王。


「報告します。火竜は完全に死んでいます。再生の兆候もありません」

騎士団長が報告に来る。


「こちらの損害は?」

「全くありません!」


「なんという事でしょう…天使様の…天使様のお力添えのおかげで…」

感極まるアーデル。


「そ、そうだ!!天使さまは?天使さまはいずこに!?」


「それが…天使様は上半身しかかなったと言う目撃情報と火竜の口の中に飛び込んでいったと言う報告が上がっています」


「な、なんだと…」

「そ、そんな…天使様が…」

「最後の爆発は天使様の攻撃だったのか」



王の命令により日没まで4万101人による天使ルディアルの捜査は続けられたが、何一つ見つける事はできなかった…



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