ダメージ3000%
リリィーフラワーと宿屋の密約に嵌ってしまったルディアル。
絶対的不利な1対3非対称プレイを強いられてしまう。
果たしてルディアルの運命は！？
「はっ！？」
1対3の非対称対戦プレイの一夜が明けた。
そして俺は何故か床で寝ていた。
「んーおはよ。ルディ…」
「おはようございます。アリシアさん」
他の皆さんもモゾモゾ起き出す。
「じょうかぁ〜」
クラリスさんの浄化の魔法だ。
汗や何かの汁で汚れた身体が綺麗なる。
(俺の体は汚れないんだけどね。)
「ありがとう。朝食にしましょう」
ぞろぞろと一階の食堂に移動してテーブルにつく。
「昨日もお楽しみでしたね」
「ふふ、皆さんも楽しんでくれたかしら？」
「それはもう、クラリスさん達のお陰でみんなウッハウッハですよ」
みんなでタダ飯を食べる。
タダ飯は美味い！
まぁ、周りの男達からニヤニヤした視線を向けられながらの食事は慣れないが…
それから冒険者ギルドに向かい依頼を探す。
クエスト
[人食い大猿の退治]
南の街道付近の森にて三人の商人と護衛二人を殺害。
目撃情報によると体長3メートルほど。
報酬50万ゴールド。
「これ、どうかしら？」
「今回はタンク役のルディもいるし、様子を見るのにちょうど良さそうね」
という事で、駅馬車で目的地に到着。
「じゃ、キャンプ地を探しましょう」
目撃情報があった森の中に入る。
「ルディ、着替えて」
あ、そうか…俺は全裸になってから見習い天使の鎧を具現化し、胸の谷間からロングソードを召喚する。
斥候役のアリシアさんを先頭に、クラリスさん、リリアさん、俺の順で隊列を組む。
小一時間ほど森の中を探索していると…
「いた…」
200メートル先に大猿と言うかゴリラがいた。
天使の眼で視る…体長3メートル。体重200キロ。
とてつよだ。
「移動するわよ…」
ゴリラに見つからないように移動する。
「ここ良さそうね…」
ゴリラから少し離れた広場のような場所に陣地を敷く。
「落とし穴は？」
「猿相手だと効果は薄いわね」
「ルディ、打ち合わせ通りいける？」
作戦はこうだ…
アリシアさんがゴリラをここに誘導してくる。
誘導してきたゴリラを俺が足止めし、リリアさんがスリープ魔法でゴリラを眠らせる。
最後に毛皮などに傷をつけないように一撃で仕留める。
「が、頑張ります！」
いくら殴られてもダメージを受けない俺なら、足止めぐらいなんとかなるだろう、
「じゃ、釣ってくるわ」
音を立てずに森に入るアリシアさん。
懐かしい…昔やったF◯11のレベル上げPTを思い出す
「緊張しなくても大丈夫よ。高レベルのリリアのスリープをレジストできる生物はいないわ」
俺はコクっと頷く。
喉がカラカラで声が出なかった。
少ししてガサガサと茂みを掻き分ける音と共にアリシアさんが全力で戻ってきた。
その後ろをゴリラが追いかけてくる。
ゴウ！ゴウ！！
「ルディ！」
アリシアさんを追いかけてきたゴリラの前に飛び出す
俺はゴリラを挑発する。
「はい！ゴリラさんいつまでママのスカートに隠れてるんです！？」
行け！！みりょく75万の威力！
見事にゴリラの気をアリシアさんから俺に移し替えた。
ウゴ！？
俺を上から下まで値踏みするかのような目で見る。
左手の手甲についた小型バックラーを前に出し身構える。
ウホホッウホホッ！！
戦闘態勢を取った俺に刺激されたのかゴリラは興奮し飛びかかってくる！
「スリープ！！」
リリアさんの渾身の魔法が俺を中心に炸裂。
俺が魔法を無効化する鎧を着ているからこそできるフレンドリーファイアーな魔法行使だ。
ウホッウホッウホッ！！
げっ！？効いてねぇ！！
「どうしてぇぇ！？」
驚愕するリリアさん。
俺めがけて両腕を挟み込むように振り下ろすゴリラ。
ARでゴリラの攻撃ラインが表示される。
「くっ！」
疾い！！！
表示ラインが真っ赤になる！
ガシッ！！
ゴリラに抱きしめられてしまう。
「もう一度！」
「スリープ！！！」
ゴリラはスリープをレジストした！
ウホホホーーウホホホーー
「なんでぇぇ！！！」
絶叫するリリアさん。
ますます興奮するゴリラ。
「ま、待って…あのゴリラ…チ◯コ勃ってるわ！」
「ルディに興奮しすぎて、スリープが効かない！？」
うっぷ！
ゴリラに抱きしめられ、顔を舐めまわされる。
「くさぁ！！ベタベタする！！うわっうわっ！ひー」
そのまま地面に押し倒され、正常位の形に持っていかれる。
ちょ待てよ！
それ、俺の腕より太いだろ！？
ぐぁ、な、生臭せぇぇ〜〜！
「…ロッククラシャー」
グチャ！！
いつのまにか背後に回ったリリアが、ゴリラの二つの玉に向かってゼロ距離からロッククラッシャーを撃ち込んだ。
ドサッ！
絶命するゴリラ…
ARで表示された今の一撃はゴリラに3000%を超えるダメージを与えていた…アーメン…
クエストは達成された…
