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ジーク殿下のお願い

ジーク殿下のお願いが明らかに

聖女就任式で偽物扱いされさらに婚約破談されたグレースは、隣国の皇太子ジークと共に屋敷に戻った。ポール達は、突然のジークの訪問に驚くが屋敷に招き入れた。応接室で今回起きたことを説明を聞く。その場にいる全員唖然。


「なんてことだ。あの殿下は、一体何を考えているのだ。」


ポールは、頭をかかえる。ヘレンは不安そうな顔で


「グレースが偽物だなんて。そんなのあり得ませんわ。」

 

全員が悩んでいると


「少しよろしいですか?。」


ジークが何かの提案をしようとしていた。


「ジーク殿下。何にか言いたいことがあるのですか?。」


「はい。単刀直入に言います。グレース嬢すぐにこの国を出たほうがいいかと。」


突然の発言に皆驚く。


「どうしてなのですか?。」


ジークが深刻そうな表情で


「今から数日前のことです。大神官であるバートン様から頼まれたのです。グレース嬢の命を助けてほしいと。」


ポールが慌てて


「グレースの命だと。狙われているのか。」


ジークは頷き話を続ける。


「バートン様から聞いたのですが弟のビーガン様とベルモンド殿下がグレース嬢と婚約破談すると。さらに就任式で偽物だと告げると。ダリア嬢と婚約してグレース嬢を侍女にされる。断れば家族を人質に無理やり連れていくと。それを計画しているところを聞いてしまった。だから私に助けてを求めてきたのです。」


その話を聞いてグレースは、振るえる。恐ろしい事実を知ってしまったから。


「なんてことだ。このままではグレースが可哀想だ。ジーク殿下は、どう助けるつもりなのですか?。」


「この状況で言うのは失礼かもしれませんが今しかありません。」


そう言うとグレースの前に膝をつき


「グレース嬢お願いです。私の妃になっていただけませんか?。」


「はぁ。」


突然の求婚で固まる。誰もが思考が追いつかない。グレースがすぐに我に返り


「ジーク殿下。どうしてわたくしなのですか?。」


「実はずっとあなたに惹かれていました。この国に遊びに来ていたころ教会で祈りを捧げているあなたを見て優しさを感じました。しかしあなたはベルモンド殿下の婚約者だった。今回の就任式が終わってからあなたのことは忘れてエレバスに帰ろうと思っていた。未練があるけど仕方ないと自分に言い聞かていた。しかし婚約破談されチャンスは、今しかないと思った。」


ジークの想いに少し恥ずかしくなる。ポールが咳払いをして


「ジーク殿下本気なのですか?。」


真剣な表情でジークを見つめる。ジークも又真剣な表情でポールに


「本気です。シャルロット公爵お許しください。」


ヘレンの顔を見ると頷き


「ジーク殿下。娘をお願いします。」


深々と頭を下げる。それを見てグレースが


「お父様。」


「グレース。いきなりで戸惑うかもしれないが時間がないのだ。すぐに決断しなければならない。」


グレースは、考える。このままここにいるとベルモンド達に連れていかれる。悩んでいるとジークが小さな小箱を出してきた。促されるように開けるとペンダントが入っていた。


「これはアリーシャの涙。」


「バートン様から託されました。聖女と共にある物だと。」


これはアリーシャの涙と言われる宝石のペンダント。歴代の聖女が身に付ける物。これには約束がある。その国をが離れる時このペンダントは、常に聖女と共に行動せよと。


「偽物扱いされました。このわたくしを妃でよろしいのですか?。」


偽物扱いされた時からずっと考えていた。やはりわたくしは聖女ではないのかもしれないと。


「私は、グレース嬢が聖女だと信じています。バートン様も同じです。あなたが祈っている時怪我をしていたところが治りました。まさに聖女です。」


ジークの必死の訴えに少し笑顔になる。


「ありがとうございますジーク殿下。」 


「いえいえ。それとどうしてもグレース嬢の聖女としての力を貸して欲しいのですけど。」


「聖女としての力を。なぜです。」


首をかしげて質問する。


「私の祖国であるエレバスは豊かな土地で皆が病気になかず健康で幸せに暮らしていました。しかし数年前から一部の土地は、枯れつつ病気になりやすくなってきました。最近は、謎の流行り病が流行しています。治療法が見つからず困っています。先日父である国王陛下も流行り病で倒れてしまった。宮廷魔術師は、この病を治すことができるのは聖女しかいないと言ったのです。」


グレースは、頷きながら


「なるほど。聖女であるわたくしの力を必要としている。わたくしでなければならないのですね。」


ジークは、頷き


「はい。グレース嬢は、もしかしたら伝説の聖女である可能性があるのです。」


皆は、驚きグレースを見る


「わたくしが伝説の聖女。」


「はい。これはエレバス王国に古く伝わる伝説です。大昔エレバス王国は、精霊達によって誕生した。しかし精霊だけでは国は、豊かにならなかった。そんな時現れたのは凄まじい力を持つ乙女だった。乙女と精霊の力が1つになり国が豊かになった。それを始まりの聖女である。名はグレースと言う。それから数年が経ちグレースに娘が生まれた。娘にも同じ名を与えた。娘グレースが15歳のころ国を出ることになった。いつか国は、滅ぶかもしれない。けどグレースが予言した。いつの日か同じ名を持つ私の子孫である聖女がやって来てこの国を永遠の平和に導くだろう。」


皆は、驚く。隣国のエレバスの伝説。グレースと言う始まりの聖女がいたこと。さらに同じ名を持つ子孫である聖女。まさにグレース・シャルロットとつじつまが合う。


「ジーク殿下。わたくしが伝説の聖女とは分かりません。しかしエレバス王国は大変なことが起きているのなら力を貸しますわ。」


その言葉に笑顔で


「ありがとうグレース嬢。」


「しかしわたくしが居なくなってしまったらベルモンド殿下達に知られてしまいます。」


「確かに。何か方法を考えなければ。」


皆で悩んでいると


「僕にいい考えがあります。」


手を挙げたのはグレースの双子の兄ケビンだった。ケビンの意見を聞いて


「なるほど。それならうまくいくかもしれない。」


「しかしポール様。すぐに準備しなければなりません。ジーク殿下も帰国しなければならないので。」


「そうだな。すぐに使用人を集めて事情を説明しなければ。グレースすぐに準備をするのだ。」


「はい。お父様。」


グレースは、国を出る準備をし始めた。皆は、あわただしく動く。


これから波乱の展開が待ち受けようとしていたのだ。



次回エレバス王国へ向けての旅が始まろうとしています。

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