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番外編 ケビンの成長

今回は、ケビンの成長の物語。

僕は、ケビン・シャルロット。デリマール王国シャルロット公爵家の長男。次期シャルロット公爵だ。僕は、聖女でありエレバス王国の皇太子妃グレース・フィル・エレバスもといグレース・シャルロットの双子の兄。生まれた時からグレースと一緒に過ごしていた。ルイバート王国のディオーネ公爵の次期公爵夫人で姉さんであるティリー・ディオーネもといティリー・シャルロットによく遊んでもらった。僕ら姉弟は、いつも一緒だった。僕が9歳の頃次期公爵としての教育が始まった。嫌になることもあった。その頃は、姉さんは、礼儀作法の教育。グレースも礼儀作法に加えて次期デリマール王国の王妃としての教育に聖女としての修行をしていた。その姿を見て僕も気合いを入れた。


それから1年後。グレースがある女の子を連れてきた。屋敷の近くで見つけて連れてきたらしい。名前は、アンリ。ルイバート王国からやって来たと言う。家族のトラブルで家出をした。父さん達は、アンリを屋敷で引き取ることにした。それから僕らは、アンリと一緒に遊ぶようになった。同い年の僕とグレースとアンリは、3つ子のように育った。僕にとっては、妹が1人増えた感覚だった。その後アンリは、グレースの侍女になるべくメイド達にいろんな作法を学んでいた。グレースも王妃教育や聖女候補として教会で祈りを捧げた。


そして僕らが14歳の頃。当初17歳の姉ティリーは、デズモンド国王の関係で隣国のルイバート王国の国王陛下の弟ディオーネ公爵の跡取りモーリス・ディオーネの婚約者に決まった。そしてティリーは、ルイバート王国へと旅立った。


それから2年後。16歳になり夜会に参加するようになった。しかし僕は、あまり乗り気ではなかった。いろんな令嬢達から声をかけられるがその多くは、公爵の地位を狙っている者達だ。だからあまり好きではない。その頃からある噂を耳にした。没落寸前の貴族の噂だ。オーガスト男爵家令嬢のダリア・オーガストがデリマール王国の王子ベルモンド・デリマールと親密になっているいと言う噂だった。ベルモンドの友人数名は、ダリアと関わるなと忠告していた。理由は、僕の双子の妹グレースがベルモンドの婚約者だからだ。しかし聞く耳を持たない。それからベルモンドは、ダリアとよく会うようになった。別の噂も聞いた。ダリア嬢が自分が聖女であると言い張っていると言う事だった。根拠も何もなかった。


それから1年後。ベルモンドが急に聖女の就任式を行うと言ってきた。しかも国王夫妻が旅行で不在中だった。しかし本当の目的は、グレースを偽物と言い放ち婚約破談をし真の聖女は、ダリア嬢で彼女と婚約するという物だった。頭がバカすぎる。そんな時救いを差し伸べたのは隣国エレバス王国の皇太子ジーク・フィル・エレバスだった。僕も何回か会ったことがある。そしてグレースを婚約者としてエレバスに迎えたいとの事だった。ジークから聞いた話ではあのベルモンドは、グレースをダリアの侍女にして王妃の仕事を全て任せようとしていた。それを聞いた時怒りが込み上げて来た。ジークは、グレースこそが真の聖女だと信じていた。さらに聖女としての力を貸して欲しいと言ってきた。エレバスでは、流行り病が流行していて最善を尽くしているが難しくなった。だからこそグレースの力が必要だった。グレースは、戸惑いはしたが力を貸すことを決意する。僕は、ある提案をする。グレースがいないことが分からないように少しの間姉さんがいるルイバート王国へ行く事に提案。傷心旅行と偽り。グレースは、アンリと共にエレバスへと向かう。


そしてグレースが出発してから僕もルイバート王国向かった。姉さんのところについて


「そんな大変な事が起きていたなんて。」


「シャルロット公爵。いつまでもここにいてもいいですよ。」


ディオーネ公爵や息子のモーリス・ディオーネから歓迎された。


「ありがとうございます。」


僕は、父さんに提案をする。


「父さん。国王夫妻を呼び戻した方がいいのでは。ベルモンド殿下の独断で起きた事なのですから。」


「シャルロット公爵その方がいいですよ。早くしないと取り返しのつかないことになります。」


モーリスも賛成した。


「確かに。」


「それなら兄上を通じて連絡を入れましょう。」


それからしばらくは、ルイバートで過ごしていた。その時姉さんと


「グレースがエレバスのジーク殿下に嫁ぐとは思わなかったわ。」


「僕も同じことを思っていたよ。」


「しばらくグレースに会えないと寂しいわね。」


「そうだね。でもグレースがいなくなったことでデリマールが大変な事が起き始めた。」


噂を聞いていたからだデリマールの大地が枯れているとの事だった。


「やっぱりグレースが真の聖女と言うことね。」


それから数ヶ月は、ルイバートに滞在。デズモンド国王が戻ってきたので僕らもデリマールへ帰ってきた。しばらくは、貧困問題の解決のために父さんの仕事を手伝うようになった。


今度はベルモンドがグレースを取り戻そうとエレバスへ乗り込んで行ったらしい。でもジーク殿下やグレースそしてエレバスの精霊の活躍でとうとう牢屋に幽閉されることになった。ダリア嬢のオーガスト男爵家は、取り潰しが決まったらしい。グレースの提案で特別な木をもらった。かつてエレバスの伝説の聖女が精霊に贈った聖女の木をデリマールにも植えることになった。そのおかげでデリマールの大地がよみがえったのだ。


そしてグレースの結婚式を見るためにエレバスへと向かう。姉さんは、妊娠中だったが体調も良さそうだった。結婚式の時思った。妹が先に結婚するとは、思わなかった。しかし僕は、いまだに婚約者がいない。あまりしっくり来ないのだ。そして夜会。目立たないように会場の端にいた。しかしエレバスの令嬢達に注目された。


「あらあの方誰かしら。」


「見ないお顔ね。」


「あの方は、グレース様の双子のお兄様らしいのよ。」


「道理でグレース様と瓜二つなはずだわ。」


少し令嬢の視線に飽き飽きしていた。その時


「ケビン様ですよね。」


ある娘が声をかけてきた。


「初めまして。わたくしは、ジュリア・フィル・エレバスと申します。」


「あなたがジュリア王女。ケビン・シャルロットです。」


ジークの妹のジュリアが声をかけてきた。僕にとって義妹だ。少し一緒に話をした。どうやら彼女も婚約者がいないことが分かった。療養して影響だがいろんな子息から声をかけられるがあまりしっくりきていないようだった。お互い苦労していた。その後一緒にダンスを楽しむ。

そして次の日僕らは、デリマールに帰った。


帰りの馬車で思った。ジュリア王女に惹かれてしまった。恋をしてしまった。



次回ジュリアとケビンの恋の結末。

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