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波乱の聖女就任式

今日から本編スタートです。

「グレース・シャルロット。お前とは婚約破談をだ。」


教会で怒鳴り声でわめく者がいた。それを平然とする者がいた。彼女の名はグレース・シャルロット。シャルロット公爵家の令嬢であり1番の聖女候補。生まれた時大神官に聖女候補と言われていた。そしてずっと聖女として教育を受けていた。7歳の時この国の王子ベルモンドと婚約。10年間王妃教育を受けてきたのだ。わめいているのはこの国の王子ベルモンド・デリマール。


「皆が噂しているぞ。お前が偽聖女だと。聖女の地位を狙っていると。」


まさかのカミングアウトに集められた貴族達は騒然。本来は、グレースが聖女として就任式のはずだった。


「ベルモンド殿下。教会は祈りの場所。大声は出さないでくださいませ。」


グレースは、冷静に指摘する。その態度に腹を立てたベルモンドが


「なんだと。」


「ベルモンド殿下。正直言いますとグレース嬢が正しいです。少し抑えてくださいませ。」


しかし慌てて止めたのが大神官バートン・リバイヤの弟ビーガン・リバイヤ。本来は、大神官が就任式が進めるのだがベルモンドが指名したのだ。

するとビーガンが


「グレース嬢は、偽聖女。本当の聖女は、ダリア嬢。」


するとダリア嬢が出てきた。彼女は、ダリア・オーガスト。没落寸前の男爵家の令嬢。自称1番の聖女候補。パーティーでベルモンドに目を付け誘惑して恋仲との噂がある。ベルモンドはすっかりダリアに夢中。


「グレース様は嘘つきですわ。何故ならこのわたくしが聖女なのですから。」

「グレース嬢と婚約破談をしダリアと婚約する。」


自信満々に勝ち誇ったように言う。まぁ彼女が聖女であるはずがない。1度も祈りの場所である教会に来なかったのだ。教会で働いている人達は誰1人ダリアの姿を見ていないのだ。グレースは、動物の言葉が分かるので聞いていたのだ。ダリアがずっとベルモンドと一緒にいるところを。


「婚約破談の件承知しました。」


ベルモンドやダリアそれにビーガンもが口をぽかーんとしていた。思考が追いついていないのだ。ベルモンドがすぐに我に返り。


「つまり偽物だと認めるのだな。」


グレースは堂々と胸を張って


「婚約破談の件は、何も言っても変わることはないと思ったからですわ。」


そう言うとお辞儀をして去ろうとした。皆は呆然と見ていた。最後に振り返り


「ベルモンド殿下ダリア様ご婚約おめでとうございます。最後に1つだけ真の聖女であるこのわたくしが祈りを捧げなれればこの王国が混乱が起きるでしょう。」


「言い訳は聞きたくないぞ。」


そして教会を後にした。ため息をつきながら歩いていると


「グレース様。大丈夫ですか?。」


侍女のアンリが心配していた。同い年で2人が10歳の時行き倒れになりかけていたアンリをグレースが見つけたのだ。それから公爵家の人達に快く迎え入れメイドとして働いている。だからアンリは、グレースに忠実なのだ。


「ひどいですわ。グレース様が偽物だなんて。」


「アンリ気にしないで。」


「気にします。グレース様を偽物扱いするなんて。わたくしは、グレースが真の聖女だと信じていますわ。」


優しく励ますアンリ。少し緊張が取れたのか笑顔になり


「ありがとうアンリ。」


「わたくしは、グレース様の祈りで心が安らぎますわ。」


「私も同感だ。」


誰かの声がしたので振り返るとそこには


「ジーク殿下。」


声の人物はベルモンドの友人で隣国のエレバス王国の第1王子のジーク・フィル・エレバス。グレースとアンリも何度かお会いしている。今日は、この王国を訪れていたのだ。先ほどの就任式に参加していた。


「どうなさったのですか。確か殿下は、すぐに帰国されると聞きましたが。」


「まさか偽物だからと婚約破談とは思わなかったもので」


「そうですね。」


隣国の皇太子が声をかけるとは予想外。参加していたなら偽物扱いのことも知っているはず。今さら何の用なのか。


「実はあなたにお願いがありまして。」


グレースは、首をかしげて


「お願いですか?。」


ジークは、頷き


「とりあえず屋敷までお送りします。シャルロット公爵にも話がありますので。」


「お父様に話ですか?。」


さらに首をかしげる。


「はい。私には時間がないので急ぎましょう。」


グレースとアンリは、顔を見合わせ首をかしげる。とりあえずジーク殿下の馬車で屋敷に帰る。


まさかあんな話になるとはこの時思いもしなかったのだ。



次回皇太子まさかの発言と提案

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