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番外編 アンリの過去

今回アンリの過去についてやグレースとの出会いが明らかに

今から18年前のルイバート王国。とある男爵家に女の子が産まれた。その子にアンリと名付けた。すくすく成長してアンリが6歳の時


「アンリ例え何か辛いことがあっても前を向いて自分が正しいと思うことをするのよ。」


アンリは、首にかしげて


「正しいと思うこと?。」


「自分が決めたことは、最後までやり遂げるのよ。」


それからしばらくしてからアンリの母親は、病気で亡くなった。アンリは、ずっと悲しんでいた。その1年後男爵は、再婚した。相手は平民の女性だった。その人は、娘を連れてやって来た。家族が増えたがアンリは、嫌な予感がしていた。


「そのドレス頂戴。」


義妹のモリーナはアンリのドレスやアクセサリーを奪うようになっていった。その事を父親に相談しようとすると


「旦那様に言ったらただじゃすまないから」


義母に脅され口止めされた。だから1人で悩みを抱え込んでいた。2人は、人前では、上品にしているが誰もいないところでは、アンリを虐めていた。義母の影響で長年勤めていた使用人達が辞めていた。アンリに婚約の話が舞い込んできた。相手は評判が悪い事で有名なゲルラード伯爵家の跡継ぎジャック・ゲルラードだった。アンリは、あまり乗り気ではなかった。ジャック・ゲルラードが屋敷に訪れるがアンリの髪を引っ張ったりしていじめる。そんな生活が2年続いたある時男爵がを病気になってしまった。アンリは、ずっと父親の傍を離れなかった。ある時男爵は、アンリに一通の手紙を渡す。


「もうすぐ誕生日だ。10歳の誕生日にこの手紙を読みなさい。」


まもなく男爵は、亡くなってしまった。義母と義妹や新しい使用人達に虐めは、酷くなった。アンリは、必死で耐えた。


それから1ヵ月後。アンリは、10歳の誕生日を向かえた。アンリは、父親から託された手紙を読み始めた。


『    アンリへ。 


アンリ10歳の誕生日おめでとう。もしかしたらお祝いできないかもしれない。アンリが義母であるルイーサと義妹であるモリーナに虐められていることを知っている。俺は今まで気づかなかった。辞めていく執事から聞いたのだ。助けられなくてごめんな。ジャック・ゲルラードを婚約は、伯爵家の要望だった。何故アンリだったのかは分からない。しかし俺は後悔している。あの伯爵家に嫁ぐのは反対だった。しかし相手から資金援助すると言われ断れなかった。アンリここから大事な事を伝える。ここがいずらくなったら屋敷を出ろ。二度と帰らない覚悟で。アンリには、自分の正しい生き方をしてほしい。母さんの教えてくれたことを忘れず自由に生きろ。

  

                    父さんより』


アンリは、手紙を読み涙をながした。こんな風に思ってくれていたなんて思わなかった。虐めのことを知って自分が長く生きられないと悟ってこの手紙を書いてくれた。アンリは、カバンに多少のお金や厨房からこっそりパンなどの食べ物を持ち出した。そしてその日の夜。皆が寝静まったのを見計らって屋敷の脱出に成功。歩きながらどこに行くかを考えていた。しかし行き先がなかなか決まらない。歩いている途中荷物を運ぶ馬車が止まっていた。荷物の間に入り少し眠ることにした。次の日アンリは、揺れるのを感じて目を覚ました。眠っている間に馬車が動き出していたのだ。馬車は、国境を超えたところだった。しばらくすると町に付いた。アンリは、すぐに降り少し歩く。見たこともない町に戸惑う。それから3日が経過した。アンリは、倉庫で寝泊まりしていた。とある草原にたどり着いた。これからどうしようか考えていた。持ってきた食べ物も全て無くなってしまったのだ。途方にくれていた時


「ねぇ何しているの。」


目の前には同じ歳のくらい少女がいた。服装からどこかの貴族だろう。するとお腹がなった。


「お腹すいているの。」


アンリは、黙り込んだままだ。


「ねぇわたくしの家すぐそこなの。だから何か食べさせてあげるわ。」


「いいのですか。迷惑じゃ。」


「お腹すいているのでしょ。名前は」


「アンリです。」


「わたくしは、グレース・シャルロット。よろしくねアンリ。」


グレースは、アンリの手を引いて歩き出した。ついていくと大きな屋敷が見えてきた。


「グレース様どこに行っていたのですか。あれその子は?。」


するとポールとヘレンがやって来て


「どうしたのその子。」


「アンリって言うの。お腹すいているの。」


「それは大変だ。すぐに準備しなくては。」


ヘレンは、アンリの前へ行くと


「まずは、お風呂に入らないとね。あなたは、何歳。」


「10歳です。」


「あらケビンとグレースと同い年ね。」


屋敷は、あわただしくしていた。その騒ぎにティリーとケビンがやって来て


「その子誰?。」


「アンリです。」


「よろしくね。」


とりあえずアンリをグレースの部屋のバスルームに連れてきた。メイドがアンリをお風呂に入れている間


「グレースあなたのドレスをアンリに貸してあげてね。」


「はい。」


お風呂に入り綺麗になったアンリは、グレースのドレスを着る。自分が持っていたドレスより豪華なので少し戸惑う。そして一緒に夕食を食べる。アンリは、パクパク食べていたい。


「よほどお腹がすいていたのだなぁ。」


「たくさんあるからゆっくり食べないさい。」


夕食を終え落ち着いてから


「ねぇアンリあなたは、どこから来たの。」


「わたくしルイバート王国で暮らしていました。」


それからアンリは、今まで義母や義妹や婚約者や使用人に受けていた虐めや父親のことを全て話した。


「辛かったのね。」


「ねぇこれからどうするの」


グレースがアンリに聞く。


「分からないです。」


するとポールが


「良かったらしばらくここで暮らすといいよ。」


「いいのですか?。」


「行くところが無いようだし。我々は、迷惑じゃないから。君の家のことは、ここだけの秘密にするから」


アンリは、嬉しかった。赤の他人なのにここまで優しくしてくれるなんて涙が出てきた。用意された部屋でゆっくり休むことになった。


フカフカのベッドで安心して眠りにつくのだった。



次回アンリの成長。そして恋をする。

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