目まぐるしい日々
今回王国の平和や結婚式に向けての話です。
それから数週間後。デリマール王国では、あちこちから嬉しい報告があがった。枯れていた大地は、苗木を植えてから1週間後には、完全にもとに戻った。湖は、苗木を植えた瞬間に水がわき出て1週間後にはもとの水位まで戻った。穀物などは、枯れていて刈り取ろうとしていた矢先全てが復活したのだった。流行り病に苦しんでいた人々も次々に回復していった。
王城では、デズモンドが対応をしていた。バートンが手伝いをしていた。
「国王陛下本当に良かったですね。」
「そうだな。やはりグレース嬢は、すごいなぁ。」
バートンは、ビーガンと仲直りをした後弟子と共にデリマール王国へ戻ったのだった。そして再び大神官に戻った。ビーガンは、1からやり直している。だがしばらくは、デズモンドの手伝いのため仕事は、ビーガンに任せている。
「一気に問題が片付くとは思わなかった。。」
「そうですね。でも半年位前のエレバス王国でも似たようなことが起きていたようですよ。」
デズモンドは、書類を整理していたが手を止め
「そうなのか。」
「はい。ジーク殿下やディオンから聞いたのですが数年前からエレバスの大地が枯れ始めていた。原因は、精霊の谷にある聖女の木の大樹が枯れ始めていて影響が受けなくなっていたらしいです。」
デズモンドは、少し考え込み
「聖女の木ってあの大きな大樹のことか?。」
「はいそうです。あれは、グレース嬢の先祖である始まりの聖女グレース。その娘であるグレースが精霊達に贈った物なのです。いつかエレバスの大地が枯れてしまうのを恐れて聖女の力と精霊達の力を木に与えた。それからずっとエレバスは、豊かだった。半年前にエレバスの人々が流行り病になった時ジーク殿下は、グレース嬢に助けを求めた。あの事件の影響ですぐにグレース嬢は、エレバスに旅立った。そのおかげでエレバスの大地は、復活し流行り病が治ったのです。その時の祈りで聖女の木も復活したのです。」
話を聞いてデズモンドは、
「そんなことが起きていたのか。手紙で聞いていたが詳しい詳細は、分からなかったからなぁ。」
「やはりグレース嬢は、凄まじいです。今では、デリマール王国とエレバス王国の女神様ですね。」
デズモンドは、微笑んで
「そうだなぁ。ベルモンドも人の話を聞いていればなぁ。」
少しうつむく。ベルモンドやダリアその関係者全て牢屋に入れられたのだ。いつから教育を間違えたのかデズモンドの心残りだった。
「国王陛下元気を出してください。セオドラ殿下が意思を引き継ぎますよ。」
「そうだな。セオドラは、ベルモンドのやり方に疑問を持っていた。極秘で私に手紙を出した。自分じゃ止められないことが分かっていたからだ。私に救いを求めてきた。」
「セオドラ殿下は、ずっとグレース嬢を慕っていましたから。」
2人で書類を整理しながら語り合った。セオドラは、国王になるためデズモンドの仕事を見ながら勉強を頑張っている。婚約者のマリーナも王妃教育を必死で頑張っている。
こちらは、エレバス王国。グレースとジークの結婚式まで後1ヵ月となった。毎日準備などで大忙しだった。式の段取りそれからお祝いの夜会などを確認するとこがたくさんだ。グレースは、家族からの手紙で息抜きをしている。手紙には、ルイバート王国にいる姉のティリーの手紙もある。必ず主席すると言う内容だった。すごく楽しみだった。両親やケビンは、しばらくの間ディオーネ公爵家に避難をしていたがグレースは、エレバスに行ったため1度も会えていないのだ。だから心待ちをしている。
「グレース様。ティリー様に会えるの楽しみですね。」
「そうね。ティリーお姉様とは全然お会いしていないから。」
「でも大丈夫でしょか。確か今妊娠しているのですよね。」
グレースは、紅茶を飲みながら
「そうだけどゆっくりしていれば大丈夫よ。」
オリビアがクッキーを用意して
「何かあったらエレバスの医師がいますから大丈夫ですよ。」
そして忙しい日々が続き結婚式の日が近付いていたのだった。使用人達は、隅々まで入念に掃除。そして大広間のセッティング。厨房では、当日のメニューの打ち合わせ。オリバー達騎士は、警備の最終確認。大聖堂でも隅々の掃除を行う。当日は、エレバス大聖堂で結婚式を行いそれから平民達にお披露目のパレード。そして夜にはお祝いの夜会という流れだった。
結婚式の3日前。デリマール王国からデズモンド国王陛下と王妃様とセオドラ殿下婚約者のマリーナが訪れた。その後シャルロット公爵家のポールとヘレンとケビンが訪れた。しばらくしてからルイバート王国から国王陛下そして姉のティリーとモーリス・ディオーネが訪れた。
「お姉様お久しぶりですわ。」
「グレース元気そうで良かったわ。」
久しぶりの再会を喜びあった。
「お姉様お体大丈夫ですか?。」
「大丈夫よ。」
それからティリーは、体を休めるため客間へと向かった。グレースは、打ち合わせに。その夜グレースのところにジークがやって来た。
「グレース最近忙しいけど大丈夫か。」
「はい。ジーク様大丈夫ですわ。」
紅茶を飲みながら
「でもたくさんの貴族が主席するから少し緊張しますわ。」
「大丈夫だよ。」
ジークがグレースの手を握る。
そして結婚式の当日を迎えようとしていた。
次回いよいよ幸せの結婚式です。