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グレースの作戦

今回は、グレースの立てた作戦が明らかに。

戦場にいる全員が固まる。何故ならアリーシャとグレースが飛んできたからだ。ベルモンド達は、グレースよりアリーシャに驚いている。見たことも無い生物だからだ。


「グレースどうしてここに。」


ジークは、完全に困惑していた。


遡ること1時間前。グレースは、自室で過ごしていた。少し軟禁状態だった。侵入者に命を狙われていたこともあり部屋から出ないように言われていた。しかしグレースは、部屋の中をうろうろしていた。ずっとジーク達の心配をしていたからだ。このままでは戦争になってしまうからだ。だからと言って自分が行っても何が出来るか分からない。でも何もせずにはいられないのだ。椅子に座っては立ち座って立ちを繰り返していた。その光景を見ていたルルが


『心配なのでしょ。』


「当然よ。争ってほしくないわ。しかしベルモンド殿下の暴走が止められるかは、分からない。」


『グレースは、自分自身の手で止めないのでしょ。』


グレースは、椅子に座り頷く。


「わたくしのせいで戦争になりかけている。じっとなんてしてられないわ。どうにか城をでないと。」


部屋の前は、騎士が警備している。テラスの下も騎士が警備している。さっきより警備が強まっている。


「うまく警備をすり抜けても問題が1つだけ。」


『問題。何かあるのか?。』


「アンリのことよ。」


ルルは、苦笑いをしながら


『確かに問題だね。』


ずっとグレースに支えていたアンリ。グレースが何かしようとするとすぐにバレるのだ。グレースの行動パターンは、全てお見通しのだ。とにかく行動する。グレースは、クローゼットからタオルやシーツを取り出し結び始めた。それから乗馬用の服に着替える。繋げたシーツを持ってテラスに移動して柵に結び下に垂らす。


しばらくしてアンリとオリビアがやって来た。部屋に入ると様子がおかしいことに気がつくテラスへの扉が開いている。急いで確認するとテラスの柵にシーツが結び付けてあり下に垂れていた。ベッドを確認すると枕などが詰め込んであった。アンリは、ベッドの下も確認。枕にシーツを被せてありダミーだった。


「どうしよう。グレース様あそこに行こうとしているわ。」


「早く国王陛下に報告しなければ」


それから王城はパニック。グレースが城を抜け出そうとしているからだ。しかしどこを探してもいないのだ。テラスの下や馬小屋周辺もいない。実はテラスのシーツは、ダミーなのだ。グレースは、ルルと一緒にクローゼットに隠れていたのだ。


「成功したわ。」


グレースは、テラスのシーツで、下に降りる。


「ルル着いてくるの?。」


『面白そうだからね。』


「後は、馬で城を出るだけ。馬小屋には騎士がいる。どうやって行こうかしら。」


その頃アンリ達は、グレースを探すため走り回っていた。するとアンリが


「そうだ。あそこはまだ探していなかったわ。」


「本当に。それってどこ?。」


アンリとオリビアは、急いでグレースの自室へとやって来た。クローゼットを開けるとグレースが着ていたドレスがあった。テラスに移動して下を見る。すると


「グレース様。何をしているのですか?。」


慌てて上を見上げるとアンリとオリビアに気付かれた。慌ててルルを連れて庭園の方へ逃げる。騒ぎを聞きつけ騎士がすぐに追いかける。


「やはりアンリにバレてしまったわ。」


『長い付き合いだからね。クローゼットを探していないのがバレたのだろう。感が鋭いからね。』


王城の使用人達も急いで庭園へと向かう。グレースは、庭園で走り回っていたその時


『グレース。』


グレースを呼ぶ声がして上を見上げるとアリーシャが降り立つ。


「アリーシャ様。どうしてここに。」


『戦いが始まった。このままでは皆が危ない。』


「はい。分かっていますわ。でも侵入者の騒動でわたくしは、ジーク様達のところへ行けません。だからなんとか抜け出して向かうとしているのですが?。」


グレースを止めようと使用人達に追いかけられているのだ。


『先にペルナスとユリーネそれから精霊達に向かわせた。少しは時間が稼げる。この戦いを止められるのはグレースしかいないと我は思う。』


すると遠くの方から


「グレース様。」


使用人達の声が聞こえてきた。


『時間無い。グレース我の背に乗れ。』


グレースは、ルルと一緒に急いでアリーシャの背中に股がる。


「グレース様お待ちください。」


『落とされないようにしっかり掴まれ。ゆくぞ。』


国王陛下が慌てて追いかける時見たものは


「あれは、アリーシャ様。」


アリーシャは、助走を付け地面を蹴り空に舞い上がった。皆は、慌てて止まり見上げる。アリーシャは、グレースとルルを連れ飛び立ち上空で旋回して向かった。


「アリーシャ様がグレース様を連れていった。」


ウィルソンが悟った。


「この戦いを止められるのはグレースだけのようだ。」



そしてジーク様のところにたどり着いた。アリーシャは、とある丘に降り立つ。


『無意味の戦いを止めるのだベルモンド。』


ベルモンド達は、怯えながら


「なんだあれは。グレースは、何に乗っているのだ。」


『我はアリーシャ。エレバス王国の精霊の女王。』


しかしジークは、


「グレースどうしてここに。」


「ごめんなさいジーク様。じっとなんてしてられなくて。アリーシャ様と共にやって来ました。ベルモンド殿下今すぐ馬鹿げたことを止めるのです。」


固まっていたが我に返って反論する。


「元は君がデリマールからいなくなるからだ。聖女である君が国を裏切るのか。」


「おかしいですね。あの時わたくしのことを偽聖女と罵りその挙げ句取り戻そうとするとは、あなたの考えがよく分かりませんね。」


ベルモンドは、何も言えず睨み付ける。その通りだからだ。ダリアが聖女と言い張ったからだ。


「わたくしは、侵入者に命を狙われました。黒幕がベルモンド殿下と自白しました。言い逃れは、出来ませんわ。」


「くそーー。」


「ベルモンド殿下。あなたは、王位継承権を剥奪されたのではないですか?。」


その質問に焦る。図星だからだ。


「どうやら援軍が来たようですわ。」


グレースの指差す方向にデリマールの国王が援軍を率いてやって来た。ベルモンド達は、もう逃げられない。観念したのか崩れ落ちた。



争いに決着がつき全てが終わったのだ。

次回それぞれの願い。そして明るい未来へ。

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