表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/24

ベルモンドの企み

今回は、デリマール王国での起こった出来事の話です。

2ヵ月前のデリマール王国。国王陛下が帰ってきた。ベルモンドやダリアやビーガンなど数人が呼び出された。独断で婚約破棄や聖女を辞めさせたことなどを叱る。


「ダリアこそが聖女ですよ父上。」


「証拠があるのか。ダリア嬢が聖女である証拠を。」


ベルモンドは、黙り込んだ。証拠を言われると何も言えない。しかしダリアは、


「あのペンダントがあれば見せることが出来ますわ国王陛下。」


「証拠には、ならない。グレース嬢は、ペンダントを使わずに祈りを捧げていたぞ。」


国王陛下の言葉に黙り込む。つまり聖女ならペンダント無しで力を発揮している。歴代の聖女は、そうやってきたのだ。必要な時にペンダントを使うのだ。そして彼らの処分は、のちに話し合いになることが決まった。今は、国の問題を解決が先だから。


ベルモンドは、自室で


「何故こんなことになるのだ。父上は、何も分かっていない。」


怒りを露にしていた。ダリアこそが聖女。しかし証拠が無い。ダリアは、グレースと同じように教会で祈りを捧げていたが災害が収まらない。グレースがいなくなってから酷くなった。国民達の噂は、グレースこそが真の聖女とか。グレースに酷いことをしたから神の怒りとか。だからこそグレースを連れ戻せば災害が収まるだろうと思っていた。そんな時ある話を聞いた。グレースがエレバス王国のジーク殿下の婚約者になったという。しかも聖女として王国の危機を救って女神様のように慕われていると。屈辱だった。


ある時ベルモンドがとある計画を立てた。


「呪いですか?。」


ベルモンドは、大臣とダリアそしてとある魔術師達を呼び出した。


「そうだ。今度グレースの誕生日がある。贈り物と見せかける。しかしそれは、呪いの贈り物だ。いい作戦だろ。」


ベルモンドは、笑っていたが魔術師達は、笑っていなかった。


「殿下我々は、呪いをかけることは出来ますが少し厄介です。」


「命令だ。」


「命令でも我々の命が危険なのです。」


「意味が分からない。」


「人を呪わば穴2つという言葉があります。呪いに失敗すれば全部返ってくるのです。自分がかけた倍の呪いが。因果応報もしくは、自業自得と言った感じです。」


「ふん。そんなことあるか。大丈夫大丈夫。」


ベルモンドは、軽く受け流す。


「では、もし呪い返しに合った時には全て殿下の責任です。」


「分かった分かった。」


魔術師達は、あきれていた。そして贈り物のドレスに呪いをかけた。ベルモンド達は、嬉しそうだったが魔術師達は、いやな予感を感じていた。


そしてある時魔術師がやって来た。


「呪いは、成功したのか。当然成功だろ。」


ベルモンドは、笑っていたが魔術師の表情は厳しかった。


「失敗しました。」


「失敗しただと。呪いをかけた時は大丈夫だったはずだ。」


「確かに。呪いをかけドレスを贈った時点では成功でした。しかしやはり恐れていたことが起きました。」


ベルモンドは、首をかしげて


「恐れていたこと?。」


「呪い返しです。呪いをかけた弟子が原因不明の病に倒れました。」


魔術師は、泣きながら報告した。ベルモンドは、立ち上がり


「そんな訳あるか。ただ病気にかかっただけだろ。」


反論するが


「間違いなく呪い返しです。頭の中でずっと人を呪わば穴2つという言葉が聞こえるそうです。」


実は呪いを返した時グレースがこう念じていた。人を呪わば穴2つっと。


「だから呪いは、危険だと言ったのに。」


「じゃあ呪い返しにならないようにしろ。」


その言葉に怒りを露にしていた。


「そんなこと無理です。呪いというのはそういう物なのです。はっきり言います。グレースは、聖女です。呪い返しなんて彼女からしたら簡単なことなのです。それにエレバス王国の王城には、レパード・マジカスという魔術師がいます。その孫娘のレイナ・マジカスがいます。おそらくマジカス達にも呪いだと気づかれたはずです。これ以上命の危険なことは、お断りします。」


そう言うと部屋を出ていこうとした。あまりの訴えに固まるベルモンド。魔術師が振り返り


「覚えていますか。呪い返しに合った時には全て殿下の責任だと。弟子に何かあれば責任を取ってもらいます。」



それから数週間後。国の問題は、解決していないがこんな噂が王城に広まっていた。次の後継者は、セオドラということだった。ベルモンドには屈辱だった。



ある時ビーガンが自室を訪れた。ベルモンドとダリアに話があるというのだ。


「話は、なんだ。」


ビーガンは、暗い表情はで


「我々が間違っていたのかもしれません。」


突然の発言に戸惑いながら


「お前まで何を言っているのだ。」


そう言うとビーガンは、1冊の本を手渡した。


「部屋を掃除していたら出てきたのです。若い頃兄上と旅していた時エレバスで貰った物です。この本を見ていろいろと思い出しました。グレース嬢が聖女である証拠です。」


ベルモンドとダリアは、2人で読み始めた。内容に衝撃を受けていた。それは、エレバスの伝説始まりの聖女グレースの物語。


「エレバスで出会った友人と一緒にその伝説を信じていました。しかしこの本を忘れるようになってから大神官である兄上がどんどん成功していくのがうらやましかった。だから嫉妬していた。昔の気持ちを思い出してから我々が間違っていたのかもしれません。やはりグレース嬢こそが真の聖女様です。」


ベルモンドは、本をビーガンに投げつけ


「それ以上聞きたくない。」


ビーガンは、本を拾い去っていた。ダリアは、泣きながら


「あんな伝説嘘ですわ。」


「そうだ。それを証明するためにはグレースを連れ戻さなければならない。」



教会では、ビーガンがため息をついていた。


「兄上に酷いことをしてしまった。」


本を見ながらため息をつく。


「レパードに大切にするって言ったけどこの本の存在を忘れていた。大神官失格だな。」



それから1ヵ月後。デリマール王国の王城。国王陛下は、処分を考えていた。あの後ビーガンが自らの過ちに気がつき謝罪があった。反省していることから許すことにした。バートンの居場所が分からない。居場所が分かるまでビーガンが大神官の仕事をする。反省したおかげか明るく前向きになった。ベルモンドとダリアは、謝罪をしようとしない。だから後継者を第2王子であるセオドラを国王に。婚約者のマリーナを王妃にすることになった。ある時事件が起こった。


国王は、執務室で仕事をしていると扉が勢いよく開く。ビーガンとセオドラが息を切らしながらやって来た。側近は、


「ノックを忘れていぞ。」


2人は、慌てて


「大変です国王陛下。」


「何事だ。」


「父上、兄上がとんでもないことをしようとしています。」


首をかしげて


「ベルモンドがどうしたのだ。」


「殿下は、ダリア嬢そして数人の騎士を連れエレバスに向かってしまったのです。グレース嬢を無理やり連れ去ろうとしいます。このままでは、戦争になります。」


国王は、立ち上がり


「なんだって。止めなくてはならない。すぐにエレバスへ向かうぞ。」



波乱の展開の幕開けです。

次回ジークとベルモンドとの対決です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ