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9・令嬢の憂鬱

無事、お茶会が再開。


乾いた喉に、冷めた紅茶が美味しい。


椅子に腰かけ、お菓子も堪能。モグモグ、美味しいね。

流石、王家の料理人。

子供に丁度良い大きさのサンドイッチ。

チョコにシュークリームにマドレーヌ、ショートケーキ。幸せ。


幸せに浸っていたら、庭の向こうに王子が見えた。

紅い髪に、金の瞳。ブライアン王子ですね。

お城は走っちゃいけません。って言っていた真面目王子が庭を走ってきた。

側仕えと護衛も走ってくる。


え!

ナンカ、引き摺ってませんか?


弟とか・・イアン王子とかを襟首持って引っ張って来てますよね。

いやいや、絵面がもう無理。


王子引き摺る王子。

漫画ですか?イアン的に気の毒過ぎ。

酷すぎる。

漢として、こんな所見せたくないよね。

こんなに大勢のレディの前で。

さっきも、馬の首にしがみ付いていたの見られたし。

今日は、どんだけ厄日なんだイアン。


それでも、王子の登場は時別。

令嬢の眼が光ります。キラリーンと音が聞こえそう。(恐っ)

髪の乱れを直し息を整えて、こっちに来る〜王子が。

あ!イアンがポイってされました。


周りからため息が聞こえて来る。


第一王子はマジ王子。(マジ王子だけど)

立ち振る舞いも、見た目も仕草も王子見本のようなザ・王子様。

皆さん目がはなせないよね。2年前より王子オーラ増し増し。

俺はその隙に、空いた皿を他のテーブルの皿と入れ替えます。


ん?視線が・・・バレました?


王子、こっち来るなよ。


あ~あ、もう俺の前に跪くなよ。


「クラレンス公爵令嬢のクリスティーナ様。

 弟の危ない所を助けてくれたそうだね。礼を言う。」


さっき、お妃様から丁寧にお礼言われたから良いですよ。

メリーアン姉様も嫌そうだったけど、お礼言ってくれたし。

俺的には、美人のお礼で全部チャラ。でいいよ。


「感謝に堪えない。イアンが礼も言わなかったそうだが、弟の失礼もお詫びする。」

「さあ、イアン。きちんと自分でお礼を。クリスティーナ嬢に。」


人目を引くので勘弁してほしい。

お菓子が食べられない。

大きめの椅子に足プランプランさせてる幼児の前で跪かないで欲しい。

俺を見上げる顔が眩しいです。

キラキラのエフェクトは王子様仕様なのか、後ろに白い薔薇が見えま~す。


あれ?見た目は殆ど同じなのにイアンには、王子オーラが全然無い!


可哀そうに・・・なぜ?


見るとイアンがポツンと立っていた。


勿論ガッツリ、護衛の騎士とお付きの人が息きらせながら後ろにたってる。


「イアン!」

ブライアン殿下が呼んでるよ。


ブライアン王子、王妃様もお姉様のメリーアン様も口開けてますよ。

王妃もメリーアン様も扇子で口元隠しましょう。


うん。そう、そう。隠せました。

王妃様の眉間に縦皺が・・・。


怒っていらっしゃいますね。檄怒、プンプンってやつかな。


ダヨネ。


ブライアン(もう心の中だから呼び捨て。決定。やらかしてくれたから)。

空気少しは読みましょう。


令嬢方は、王子様に会えて眼福かもしれないけど

今日は、メリーアン様の初めての主宰お茶会なのに白馬王子はアクシデントで済むけど

引き摺りからの乱入は、確信犯的に駄目!


イアンも、唯でさえ馬暴走させて怖かったはずなのに、女の子に助けられるなんて。

最低だったはず。


俺だったら、穴掘って埋まるレベルだと思う。

それを兄貴が、ここで傷に塩を擦り込んでどうするんだよ!


すたっと椅子から降りる。


「ブライアン殿下。私はお礼を言われる様な事をしておりませんわ。

 顔をあげてくださいませ。殿下に跪かれるなど、畏れ多い事ですから。」


「いや、しかし先程イアンの馬を。」


「急に馬が走り出せば、誰もが慌てるのは当たり前。

 たまたま近くにいた私が乗馬が得意だった、それだけの事です。

 馬が可哀想でしたから、私はイアン殿下を助けたのではなく

 ただ、興奮している馬を落ち着かせただけです。

 私が助けたのは馬なので、イアン殿下からの御礼など始めから必要ありません。

 ね、イアン殿下。」


扇子を広げてニッコリ笑う。

5歳は普通暴れる馬に飛び乗ったりはしないよなぁ〜。とは思うけど。


「それに、今日はメリーアン王女殿下主催の初めてのお茶会ですもの。

 お姉様の応援に2人の殿下が顔をお見せになるなんて、素敵なご兄弟ですのね。」


もひとつニッコリ。

ブライアンに思い出させる。ここがどんなところか。


ああ、ブライアン思い至りましたか。


立ち上がって、イアンと一緒に笑って愛想振り撒いて下さいね。





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