2・婚約したらしいです。
どうやら貴族らしい。
転生したみたいです。
豊かな胸に抱かれて
コクコクおっぱいを飲んでるあたりから記憶が戻りました。
さっき迄、お袋に手を握られて泣かれてたのに。
転生かどうかわからなかったけれど
手を見ると、プニュプニュで可愛い小さな手。
上品そうなまぁまぁな美人がお乳を飲ませてくれる。
前世のお袋とは全然違う。
赤ん坊だから、いやらしい気持ちもないけど
やっぱり母親は美人が良いと思う。
でも、美人は母親じゃありませんでした。
乳母でした。
乳母って何?
前世はガチ庶民。
自慢じゃないが、勉強はあんまりな俺。
いや〜。
「大人になったら、仮面○イダーになる!」
「○○レンジャーのレッドは俺!」
なんて言って
「強くなる!」
ヒーローをめざし空手の道場に通った。
姉ちゃんも
「お仕置きよ!」
とか
「私は、○キュア♪7」
なんて言ってノリノリだったから
結構な脳筋姉弟だった。
姉ちゃんまで道場に通いだし
強いとモテないとか言って中学生で辞めるまで、俺は一度も勝てなかった。
などと、過去を振り返ったりしながら過ごしている。
赤ん坊だから、乳母が何かなんて解らなくて構わない。
未だ赤ちゃんしてても良いのだから。
で、乳母は
産んだ母親の代わりにおっぱいを飲ませ世話をする人でした。
秋葉とか行った事なくて
メイド喫茶とか興味はあったけど
一緒に行くような友達もいなかった。
でも、今リアルメイドに世話をされてる。
白いエプロンにメイド服。
しかも若い美人さん。
俺、良いとこ子に生まれたみたい。
そっから、前途が急に不安になった。
俺、上流階級の作法とか覚えられるんだろうか?
大金の管理とか出来ないんじゃないかな?
赤ん坊って、暇な時間がたっぷりあるから考えちゃった。
「赤ちゃんって、本当に可愛いですね。」
「小ちゃいねぇ。可愛いね。」
「ん、ちゃわいい。」
お兄ちゃんがいました。3人。
イケメン。
正確に言うと、イケメンに育ちそうな男の子達。
しかも賢そう。
最悪、居候できそう。
すっごいゴージャス美人が登場。
「「お母様。」」
「かあちゃま。」
そう!
この奥様って呼ばれるゴージャス美人がお母様でした!
乳母を傭って保った体型は崩れることなく美ボディ。
ぱっちりした目元。
バサバサなまつ毛。
官能的な唇。
豊な黒髪。
深い緑の瞳。
まじタイプ!
お父様ってのももちろん居る。
こっちは、光る金の髪。
キリッとした眉。
通った鼻筋。
凛々しい口元。
空のような蒼瞳。
悔しいほどイケメン。
若いを抜け出して渋くなりかけの30代前半かな?
この2人の子供って将来有望じゃん。俺。
まだバブバブ言って遊んでます。
そして、今日父から衝撃の言葉を聞く。
母と父と2人。
父が赤ん坊の俺を抱き上げた。
「本当にクリスは可愛いなぁ。」
そう、赤ちゃんは可愛い。
因みに、クリスは俺の事。
「今日、陛下からお話があって。」
へいか?ヘイカ?
「国王陛下から、どのようなお話でしょう?」
おぅ!国王陛下?王様って事か。
うん、うん。
「婚約の話なのだ。」
「まぁ!どの子の?」
「それが、年廻りも良いから3歳の第二王子にこの子をと言われた。」
この子?どの子?
キョロキョロ?!!!!!
俺? おれ?オレダヨネ。
生まれて数ヶ月。
まだ喋れない、歩けもしないのに婚約者ができました。
婚約者は、美人が良い。