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博士と立野くん

月のレゴリスより酸素と合金を抽出

作者: 星野☆明美

Gigazine


2019年10月11日 12時00分00秒


月のレゴリスから酸素を抽出する効率的な方法を科学者が開発 の記事より以下抜粋



研究チームは化学還元により水を生成するプロセスを省き、粉末状の模擬レゴリスを直接電気分解する手法を採用しました。「酸素抽出は溶融塩電解という手法を用いて行われました」とLomax氏は述べており、従来の手法よりも高い効率を達成できるとのこと。


Lomax氏らはまず模擬レゴリス粉末をメッシュで裏打ちされたバスケットに入れ、電解質として塩化カルシウムを添加し、混合物を摂氏950度に熱しました。そして電流を流すと電気分解が起こり、酸素が抽出される仕組みとなっています。

「博士、インターネットでこんな記事を見つけたんですが…」

立野くんが朝一番で研究室に飛び込んできた。

博士は粉末を電気分解している最中だった。

「「月のレゴリスから酸素と合金を抽出」」

二人は同時にそう言った。

「なんだ、知ってらしたんですか?」

「この粉末は疑似レゴリス。各研究室にそのつてから配布されたので、今実験中だよ」

「…出るんですか?酸素」

「…出ておるよ」

月のレゴリスはガラスや鉱物と酸素が結びついたもので、科学者が抽出方法を研究して、より手軽に酸素を抽出できるようになった。

「問題は、酸素を取り出したあとの合金ですが、何かに使えるんですか?」

「高温で使用できる3Dプリンタで成型して使えるじゃろうなぁ」

「しかしながら、月の塵は人体に危険だとも書いてありました。DNAを傷つける恐れがあるそうです」

「それでも、月の開拓は進むじゃろうなぁ」

「すごい時代に生まれました」

「いやいやまだまだこんなもんじゃあないだろうねぇ」

「…この疑似レゴリス、本物とどのくらいの近似値なんですかねぇ?」

「宇宙に存在している星や隕石の成分はだいたい似通っておるらしいから、かなり本物と近いものだと思われるよ」


にゃあん。

猫のマルが立野くんに餌をねだりに来たが、興奮して月について語る博士と助手は脇目もふらなかった。

マルは窓辺に飛び上がると、金色の瞳で月を見た。

「猫と月、いい被写体だわ」

博士の奥さんが、スマホのカメラで撮影した。そしてそれをプリンタで引き伸ばして印刷すると、壁の真ん中に押しピンで留めた。

マルは餌がもらえるまで不機嫌そうに長い尻尾を振っていた。

「ごめんよマル」

ふみゃあ。

がっつく猫。いつか猫も月に行ける時代が来るかもしれない。それも、近い将来に!

とても楽しみである。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても興味のあるお話で、楽しみになりました。
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