決意
本日2話目です。
気がつくと、知らない場所に倒れていた。気を失っていたらしい。
「大丈夫か?」
隣からそんな声が聞こえてきた。
「桜井か」
「おう、おはよう。大丈夫そうに見えなかったけど一応聞いていいか?」
「なんだ?」
「大丈夫か?」
「今さっきまで、気を失っていたやつに言う言葉じゃない」
「確かにな」
「他の皆は?」
「あっちで集まってる。お前が1番遅く起きた」
「そうか」
話していたお陰で頭がハッキリしてきたので状況確認をするか。とりあえず、部屋の構造は円形で両開きの扉が1つ見える範囲はこれだけか
「気を失っていた間になんかあったか?」
「何にもなかった」
「そうか……これってさ」
「ああ」
「「異世界転移」」
「だよな」
「だろ……足下に魔方陣ぽいのあるし」
「どうせあれだろ、勇者になって魔王でも倒すんだろ」
「だろうな」
「言っていいか?」
「なんだ?」
「超絶めんどくさい」
「言うと思った」
「さすが幼なじみ分かってんじゃないか」
「起きたんだ、禍津君」
「相変わらず寝過ぎなのよ」
そう言って杉原さんが心配そうにレナがいつも通りな感じで近づいてきた。
「気を失っていたのは仕方ないだろ。」
「ハイハイ、そうでしたね」
「まぁいいや、そっちは大丈夫だったか?」
「ええ、私たちは大丈夫だったけどクラスのほとんどがパニックになってたわ。まぁ委員長が皆を落ち着かせてたわ」
「そうか」
そこまで話していると1つしかない両開きの扉が開いた。
開かれた先には、騎士の格好をした人が2人その中央に薄い青色をしたドレスを着た金髪の女性が立っていた。
「初めまして、勇者の皆様。私は、アルス王国第3王女のアルス・クリスティーナと申します。この度はこちらの一方的な用件で連れてきてしまいまして申し訳ございません」
アルス・クリスティーナと名乗った少女はこちらに頭を下げてきた。
「これはどう言うことか説明していただきたい」
クラス委員長の加藤 聡一が問いを投げ掛けた。この加藤 総一は正義感の塊のような男でメガネをかけ、成績もクラス1なのでまさに委員長キャラということで皆には委員長と呼ばれている。
「今からご説明しますのでお待ちください。まず、この世界について説明しましょう」
以外と長かったので要約すると
思った通り、ここは異世界で魔法が一般的である
人間以外に種族があり、エルフ、ドワーフ、獣人族、魔族がいる
俺達を召喚した理由は、魔王が実現したから
「魔族の王だから魔王なのか?」
「いえ、私たち人間とは違う存在として魔物という存在がいます。魔王とは魔物の王を指します」
「帰る方法はあるのか」
「召喚したことによりここと勇者様の世界が薄く繋がっている状態となりそこに膨大な魔力を与えれば、勇者様の世界へと戻ることができます。ただし、今のところ膨大な魔力の宛が魔王以外にないというのが現状です」
「魔王を倒せば帰れるということか」
「そう言うことです」
それって、倒さない限り帰れないってことだよな
「分かった。皆!聞いての通りだ僕達の世界に帰るためにもここはお互い協力して魔王を倒そう!!」
「「「「「「おおー!!」」」」」」
魔王を倒すか~うん!めんどくさい!
よし、他のクラスメイトに魔王は任せて俺はこの世界を旅行するか
「では、皆様こちらへ。この国の王がお待ちです」