プロローグ
俺は異世界転移というものは、小説の中での出来事だと思ってた、けど今ならわかる。本当にあることなんだと。なぜなら、今体験しているところなんだよな。クラス転移というやつを。
俺の名前は禍津 恭也、黒髪黒目で顔は中の中といったとこ、趣味は読書特にファンタジーものが好きだ。実家が武士の家系で一子相伝の剣術「夜桜無双流」があり、俺もその流派が使える。その影響で、同世代の誰よりも強くなっている。「夜桜無双流」とは、戦場でより人を殺すためだけに、作られた流派で刀、槍、薙刀、素手格闘を基本としその他に暗殺術等がある。
クラス転移があった日の朝は何の変化のない朝だった。日課の訓練を終わらせ学校に1番早く着いて自分の席で寝ていたら、いきなり頭にスパーンという音とともに衝撃が起こった。
「痛っ‼」
顔を上げると、そこには教科書を持った友人のレナがにこやかに立っていた。このレナは俺の隣の席でいつもこうして俺を叩いて起こしてくる。レナはアメリカ人とイタリア人のハーフと日本人の親を持っているから美少女である。ただひとつ、胸は大きくない。
「起こしているんだから、起きなっての」
「起こしているのに気づかなかったのは謝るが、殴ることはないだろ」
「ハイハイ、私が悪うございました」
「謝られてる気がしない」
飽きれ顔でそう言うと、
「相変わらずだな、マガツは」
「レーちゃん、叩くのはダメだと思うよ」
俺と同じように飽きれ顔でそう言う桜井 正義とレナを注意する杉原 栞さん。桜井は俺の幼なじみでイタリア人と日本人のハーフなので、金髪イケメンの勝ち組ってやつだ。
杉原さんは俺と同じように黒髪黒目の大和撫子で胸は平均より大きい方はらしい(レナの証言によると)、レナと一緒にアイドルのスカウトを受けたことがあるらしい。ちなみに、学校には彼女に内緒でファンクラブが存在しているらしく、彼女の写真が高値で取引されているとかいないとか。
「いいじゃん、こいつは寝てても成績いいんだから」
「お前が勉強できないだけだろ」
「違うし、数学以外はできるし!!」
「その数学が壊滅的なんだろう。それにできるって言ったって全体的に平均的なだけだろ」
「平均的にはできるからいいんだよ」
「さいですか……で叩いた理由は?」
「なんとなく!!」
「おい、桜井。殴っていいと思わないか」
「やめとけ、レナが病院に行かなくちゃ行けなくなるだろ」
「嘘だよ。今日の放課後のカラオケ、お金ないから奢ってって言おうといしたんだよ」
「お前そう言って金出したくないだけだろ」
「なぜわかった」
「大丈夫だよ。レーちゃん、飲み物だったら私が奢るから」
「ありがとー栞」
「そうだ。桜井、母さんが帰りに持って帰って欲しいものがあるんだと。たぶん昨日作ってたアイスだと思うぞ」
「マジか!おっし早く学校終わんないかな」
「ホームルーム始まる前なのに何言ってんだよ。ほらそろそろ座れ」
「おう!アイスの話、後で詳しく教えろよ」
「そうだね。じゃあレーちゃんまた後で」
そう言って桜井と杉原さんは席に座った。そのすぐあとに、先生が入ってきた。
「はい。ホームルーム始まるから座って」
大人ぶってる感じで教室に入ってきたのは秋本 ひより先生で年齢のわりに身長が低く童顔幼児体型なので、頑張っても大人ぶってる少女のようにしか見えず学校で可愛いと評判ではあるが本人は身長を伸ばしたいらしい
「じゃあ、今日の連絡は」
そう言った瞬間、足下に幾何学な模様が現れ発光し始めた。
「うぉ!」
「なんだこれ」
「きゃぁ!」
クラスの皆がそうして騒いでいる最中に足下の模様が強く発光したあと、光がおさまったあと教室は誰もいなくなり静まり返っていた。