武器の召喚
朝日が登り異世界での2日目が始まった。
部屋を出るとボサボサ頭の桜井がいた。
「おはよう……」
「おはよう、相変わらず朝は弱いなお前」
「うるさい……ファ~、眠い」
「は~ほら、しゃんとしろ」
「いやだ、ベットが俺を待ってるんだ」
「今日の夜にもう一度会えるからな。それまで待て」
俺は桜井の髪を直す……こともなく食堂に向かった。
「あ、おはよう二人と…も…」
「おはよう!二人とも!……って、……フフ…桜井なにその頭」
「頭?……あ!おい、マガツお前教えてくれてもよかったろ!」
「昔から朝はそんな感じなんだから、いい加減学べ」
「でも「でももなにもない」う……そんな~」
「いいじゃないか、そのボンバーヘア似合ってるぞ」
「アハハハハハ……桜井の頭がボンバーヘア……フフッだめ耐えられない」
「くっそ、レナは笑いすぎだぞ!」
「だって…フフ…ボンバーヘアなんだもん」
「直してこい、ボンバー」
「おい、マガツそれはないだろ」
「文句なら後で聞くから直してこいって」
桜井は全速力で部屋へと戻った。
「桜井君って昔から朝はあんな感じなの?」
「ん~、そうだよ。朝は弱い上に毎回違う寝癖がついてるんだよ」
「へ~」
「そのくせ、学ばないからひどいんだよ」
「だー!直ったー!」
「チッ」
「おい、マガツなぜ舌打ちをした」
「すぐ直ってつまらないなーと思っただけだよ」
「このやろ」
そんな俺と桜井のいつも通りのやり取りをやった後、朝食を食べた俺達は謁見の間に集合した。
「勇者の諸君、本日は諸君達専用の武器を召喚してもらいたい」
「「「おおー」」」
「では、勇者の皆様。こちらへ」
案内されたのは召喚された部屋へとは違う部屋だった。
しかし、床には魔方陣が書かれていた。
「皆様にはここで召喚していただきます。では、どなたか魔方陣の上にお乗り下さい」
「僕がやろう」
おお、あれはえっと……クラス委員長の……加藤だっけか。
加藤は魔方陣の上に乗った。
「で、どうしたらいい?」
「武器を想像していただければそのイメージにあったものが召喚されます」
「わかった」
しばらくすると魔方陣が光だした。
そして、魔方陣の上に立っている加藤の足下から剣の柄が出てきた。
そして、それを引っ張りあげるとショート・ソードを引き抜いた。
「おお、召喚されました!」
「これが僕の武器か」
どうやら自分には武器の詳細が見えているのか、出てきた剣をまじまじと見つめていた。
そして、続々と召喚していき最後に俺達四人を残して全員が召喚した。
「桜井、杉原さん、レナ、俺の順番でいいよな」
「おう、いいと思うぜ」
「大丈夫だよ」
「んじゃ、やってくる」
桜井が魔方陣の上に乗った。
目をつむってしばらくすると魔方陣が光だした。
桜井の足下から剣の柄が出てきた。
それを握り剣を抜くように引っ張ると剣身の太いクレイモアを引っ張りあげた。
「うお、おっも」
桜井は少しよろけながらも何とか立っていた。
「大丈夫か?」
「大丈夫だ。問題ない」
「おいバカやめろ」
「実際大丈夫だよ」
「そうか、どんな感じだ?」
「後で説明するよ」
「ちょっと早く退きなさいよ。次もいるんだから」
「そんなこと言っちゃダメだよ。レーちゃん」
魔方陣を杉原さんに譲り俺達は魔方陣の外へと出た。
杉原さんも目をつむり、しばらくすると魔方陣が光だした。
杉原さんが目を開けるとそれを見計らったように杉原さんの身長程の杖が出てきた。
杖は、全体的に白く、先端に白の宝玉が付いている。
「わ~、綺麗」
「よかったじゃん。栞」
レナと杉原さんが、魔方陣の上で仲良く話し合ってる。
それをスマホのカメラ機能を使って撮りまくっている人物がいる。(関わらない方がいい)
「次はレーちゃんの番だよ」
「うん」
レナ一人が魔方陣に残り皆と同じようにやると魔方陣が光だし、木の枝のような物が腕に巻き付いた。
「なんだそれ?」
「これ?弓」
「弓?」
「あっ、そうか。レーちゃん、小さいときは弓道やってたもんね」
「後で使って見るわ。ほら、マガツあんたが最後よ」
「はいはい、了解了解」
俺は、魔方陣の上に立ち目をつむった。