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第4話強襲

「さぁてー!皆様大変長らくお待たせいたしました!これよりインターバル選手権の、決勝戦トーナメントを開催致します‼」


司会が高らかに開催宣言したと同時に、楽奏隊のファンファーレが響いた。


「さぁてー!最初の試合は!アーロミノト代表・・・ローグ・ハトゥス選手ーーーーーーーー‼」


ローグが選手控えから出て来て、名前が叫ばれたと同時に観客から、


「頑張ってー!応援してるぞー!また凄い試合見せてくれよー!」


ローグに声援が送られた。


それと少し経ってから、


「ローグ!頑張ってー!」


「今日はご馳走作るからねぇ~‼」


エミカとユミルからの応援を聞いてローグは、


(スッ!)


それに応えるかのように右手を高く上げた。


そして司会が相手選手の説明に入った。


「対しましては、スウェル国附属養成院代表・・・ルシャル・クロークス選手ーーーーーーーー‼」


ルシャルはローグより6つ年上で、戦闘スタイルもローグと同じで刀を使用する。


「これは少しキツいかも知れないな・・・」


選手控えにいたルイーズが言葉を漏らした。


それもそのはず、クロークス家は先代ロミネン伯爵が当時自己流で築いた流派が武零无流で、刀と鞘両方を使う攻防一体の隙の無い流派。


正直無敵に近い。


ローグはこれまでルイーズとの組み手と、ローグ自身のセンスと飲み込みの速さで反射、対応が出来るようになった。


しかしそれは武器が一対一での場合、確かに武器だけではなく体術も使う戦闘スタイルが基本的である。


しかし一対一の多数と、一対二の多数では手数が2倍なのは勿論、それだけに色々頭で考えてしまうので自分自身が不利な状況を作ってしまう原因になる。


ルイーズがそんな事を考えていると、


「それでは!準決勝ローグ選手VSルシャル選手試合開始です!!」


(カーーーーーーーーーーーン!)


叩かれたゴングの音が空高く響いた。


それと同時に、


(シュタッ!)


(キーーーン!)


2人は刀を抜きつばぜり合いを始めた。


(ギリギリギリギリギリギリ!)


2人はしばらくつばぜり合いをして、


(キーーーン!)


そして互いに刀を押し返し、距離をとった。


そして2人は、


(・・・)


「どうした?2人とも動かないぞ?」


観客から口々に疑問の声が上がった。


だがしかしそれは素人目からの意見、ルイーズやスタルヒン、そしてネーレとバース、さらに選手控えにいたアラストルとサリマン全員が同じ事を考えていた。


(この試合ローグは不利!!)


だと。


そしてローグも同じ事を考えた。


(さすがに6つ上だと押し返しが出来ないか、何より押し合ってる時、一瞬だけ相手の力が抜けた・・・何かある。無闇に動けない‼)


しかしそんな事を考えているローグだが、


(それなら!)


(ダッ!)


(何かされる前に・・・決着をつける!)


ローグは突っ込みながら清劉を下段に構えた。


そしてルシャルの懐に入り、


(スパン!)


ローグが切り上げた。


(キーーーン!)


「!!」


しかしルシャルはローグの斬撃を、刀の持ち手で防いだ。


そのままローグは、右回し蹴りを繰り出した。


しかしそれも、


「甘いな」


(スッ)


ルシャルはローグの蹴りを流し、


(パシン!)


「うお!」


ルシャルは左手で鞘事抜き、ローグの軸足を払った。


ローグはそのまま宙返りになった。


しかしローグは、


(タン!)


地面に手をつきそのまま、


「おらー!」


更に右足を蹴り出した。


(ガン!)


鈍い音とともにルシャルに初めてローグの攻撃が入った。


すると、


「ふん、中々な攻撃だ。身のこなしや次の攻撃に入るまで時間が早い・・・惜しい」


「なっ!」


ルシャルはいつの間にか刀を鞘に収め、鞘事盾にしていた。


「次はこちらから行かしてもらおう」


(バッ!)


ルシャルはローグの脚を大きく払い、鞘を右手に持ち変え、


(ダッ!)


強く踏み出しローグに迫った。


ローグも体制を立て直そうとした時、


「遅い・・・」


(スッ!ドゴ!)


「かはぁ!」


ルシャルが勢いよく突き出した刀の持ち手がローグを鋭く突いた!


ローグは諸に腹にくらい前のめりになった。


更にそこから、


(ガン!)


「・・・!」


ローグの額目掛けて飛んできた膝が鈍く当たった。


ローグはその勢いのまま後ろに下がった。


軽く意識が飛び朦朧とするなかルシャルは、


「悪いな、これも試合だから・・・」


と言い、


「武零无流・・・刺突!」


(ヒュン!ダン!)


ルシャルの更に鋭く速く突き放たれた突きがローグの胸に入った。


「!!」


(ガサ)


ローグがとうとう右膝を地面につけてしまった!


「わかったろ?確かにお前は強いが、しょせんその程度だ」


ルシャルはそう言って鞘を納めた。


そして、


「ワン、ツー、スリー」


レフリーのカウントが始まった。


ユミルもエミカもそして、


「・・・」


ルイーズも固唾を飲んだ。


(・・・!)


ローグも呼吸を満足に出来ない状況だが、


(チャキ)


無理やり立ち上がり、不器用に刀を構えた。


「ローグ・・・」


その姿を見てルミルが言葉を漏らした。


ルミルも胸の前で手を握るが、心では


(ローグ・・・もうやめて!)


ローグへの想いが葛藤していた。


だがそこには、


(ザッ、ザッ、ザッ)


ローグはルシャルに向かって、ぎこちなく歩き出した。


そして、


(スー・・・)


大きく息を吸って、そして・・・


(ダン!)


「ぐふっ!」


ルシャルにいきなり腹に蹴り出した。


(ガン!ガン!ガン!ガン!バン)


ルシャルの顔や腹に猛打を繰り出した。


ルシャルも不意をつかれたがすぐさま、


「この!武零无流留乱堵!」


ルシャルは刀を持ちそのまま右回転に回り、


(ヒュン!)


神速の如くローグに向かって刀を抜いた。


(ブシュー!!)


「な!」


ルシャルは自分の目を疑った。


何故ならそこに映ったのは、


「ローグ!あんた何やってるの!」


ルミルが叫んだ先には、


(ぽたっ、ぽたぽた)


「ぐふ!」


ルシャルの刀がローグの脇腹に刺さっていた。


その一瞬、ローグは刀に手を伸ばし、


「獅子・・・雷閃光ーーーーーーーー‼」


ローグの闘気が獅子のような形になり、その斬撃がルシャルを襲った!


「!!」


ルシャルも体制を立て直そうとしたが、ローグはそのまま、


「はぁーーーーーーーー!」


(ガチガチガチガチガチガチガチガチ!)


ルシャルとのせめぎ合いの音が激しく聞こえる。


そして、


「なめるなあーーーーーーーー!」


(ガシャーーーーーーーーーーン!!)


ローグの斬撃がルシャルに弾かれた!


(ズザザザザザザザザザザザザ!!)


そのままローグは地面に背中をずっていった。


(ムク)


ローグはすかさず立ち上がり、


(ダッ!)


ルシャルに向かって行った。


そしてルシャルも、


「わかった。そんなに死にたいなら・・・」


(スッ)


ルシャルは居合いの構えをした。


そして、


(シャキーン)


2人はお互いに刀を抜いた!


その時、


「この勝負待ったーーーーーーーー!」


(ビタッ!)


空中に巨大なスクリーンが現れた。


ローグ、そしてルシャル双方の刀の刃が互いの首筋で止まった。


「急な無礼失礼いたす!私は魔法防警研究所所長のウィダリア・ヴァルキュリアである!緊急時につき報告!現在クレスタ王国南東10㎞地点に、魔物の軍団!繰り返す南東10㎞地点に魔物の軍団!魔法騎士は、第3種戦闘配備!繰り返す第3種戦闘配備!本日インターバルにお集まりの皆さん力を貸して下さい!」


魔法防警研究所、ここはあらゆる設備が整っている。


あらゆる防御魔法や防壁、魔法攻撃に魔法武装、銃火器を実験し、開発、運用するクレスタ王国の心臓部である。


そこを治めるは、齢26にしてこれまで多大な功績を修めたウィダリア・ヴァルキュリア。


「今お聞きになった通りだ!試合は中止!これより市民の避難誘導に移る!騎士は今すぐ市民の避難誘導、少佐以上は直ちに第3種戦闘配備!」


そう叫んだのはクレスタ王国元国王ルーベルトだ。


そしてルーベルトの一声で、ルイーズやバース、そして観客席に座っていたルミルやエミカも誘導に参加し避難を始めた。

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