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第3話2回戦開幕

「うぉ~身体が~痛い~」


「そりゃそうだろ、あんな戦いしてりゃ」


ここは競技場が経営してる王立病院、ローグもネーレもあの試合の後意識を無くしルイーズ達が早々にここの病院に運び込んだ。


そしてローグが意識を取り戻したのは、試合から2日後の事だった。


そして今、ローグを心配してルイーズ、エミカとルミルが見舞いに来ていた。


「全く、勝ったから良いものの身体を壊したら元も子も無いんだからね!」


「ルミルちゃんの言う通りよ、でもしょうがないわよね」


エミカはそう言って、


(パスッ)


ローグの頭に手をのせて、そのまま優しく撫でた。


それをローグは、


「ちょっ!母さん恥ずかしいよ!」


「良いじゃない別に」


顔を紅くしながらエミカの手を掴み、頭から離した。


それを見ていたルミルもルイーズもふざけて、


「じゃあ変わりに私がしてあげる!」


「じゃあ俺も」


と次々にローグの頭を撫で回した。


「だーかーら!もう良いって!痛ててて!ちょっ!俺怪我人なんだからね!」


そう言いながらも、ローグはこの時この空間がとても嬉しかった。


その後、ローグの身体を心配してスタルヒンやハーネス、さらにバースまでもが面会に来た。


スタルヒンからは労いを、ハーネスからは試合に対するキツいお叱り、バースからは謝罪と感謝そしてネーレの容態を聞かされた。


さらにネーレからも、


「当主の事、ちゃんと向き合って行こうと思う・・・。今までの事があったから、すぐには認めてもらえるとは思っていないし、何より皆に少しでも変わったって思ってもらいたい!」


「と言っていた。息子がそう思い始めたのもローグ殿そなたのおかげじゃ、本当にありがとう」


そう言ってバースは頭を下げて、ローグの病室を後にした。


それからまた数日、ローグは無事退院する事が出来た。


ローグは身体が鈍ったと言って、病院を出て直ぐ競技場内部に設置されているトレーニングルームに足を運んだ。


「フッ!フッ!フッ!フッ!フッ!フッ!」


「よ!久しぶりじゃねぇか!」


ローグがトレーニングマシーンをやっていると、入り口から男の声がしたのでそっちを向くと、


「ネーレか、久しぶり」


1回戦の相手ネーレがたっていた。


ネーレはローグが退院する2日前に病院から帰っていた。


「すまねぇな」


「ん?」


ネーレがローグに謝った。


「試合前に・・・」


とネーレが話始めたらローグが、


「あぁ良いよ別に、終わった事をいつまでも言ったりはしねぇし良い試合が出来た」


(ゴクゴク)


ローグはトレーニングマシーンをやめ、乾いた喉を潤しそして、


「お前と知り合える事が出来た・・・」


ネーレに向かいながらローグは歩いて行った。


そしてネーレの前で起ち止まり、


(スッ)


「何だよ?」


ローグが手を出した。


「一応感謝のつもり」


ネーレは少し考え、


(パシッ)


「へ!なら俺も一応!こたえてやるよ!」


そう言って2人は握手をした。


そしてまた数日後、ローグとネーレがぼこぼこにした競技場の舞台がやっと整備が終わり、長く止まっていた試合が再開されることになった。


ただしここの競技場以外は機能停止するほどの白熱した試合は無く、淡々と選手達は決勝へと進んでいた。


勿論その中にはアラストルとサリマンも含まれていた。


その後ネーレに勝ったローグも向かい来る選手達をどんどん倒していき、準決勝では、


(カン!キン!ガンガン!)


(くそー!ネーレとの戦いの名残が!)


ローグが身体を庇いながら戦っていると、相手の飛び膝が思いっきり入ってしまった。


「がはっ!」


その衝撃でローグは少し呼吸がままらなくなった。


しかし相手選手は構わず攻撃を繰り出してきた。


それに対してローグも避けたり塞いだりしてはいるが、完全に相手のペースに飲まれてしまった。


「お前もこれで終わりだぁ!」


相手選手がローグにとどめをさしにきた。


その時、


「ヒュッ・・・ヒュー・・・!スー!!」


(バーーーーン!)


ローグのいた場所が相手選手の攻撃を受けて、土埃が舞い上がった。


それを見てルミルが、


「ローグ!」


客席から立ち上がり、名前を叫んだ。


「手応えあり、決まった・・・!」


「ゲッホ!ゴホゴホ!スー・・・!」


「なっ!」


ローグは相手の攻撃をギリギリ刀で防いだ。


そしてそのまま、


「どりゃーーーー!絶風双連撃!!」


(ズバズバズバ!ダン!ガン!)


「ぐ!がはっ!おぁっ!」


ローグの斬撃と猛打が相手選手を一蹴した。


「相手選手続行不能!ローグ選手の勝ちーーーーーーーー!!」


レフリーがローグに向かって手をあげた。


それに対してローグも静かに刀を持った手を高くあげた。


その後ローグは医務室で手当てを受けていた。


「あぁ痛ってぇ~❗」


「そりゃそうだわなぁ」


ローグが治療を受け、ルイーズが付き添いで医務室にいた。


「全く1日に2度重症で運ばれる奴は滅多におらんわい」


「すみませんカールス先生」


「いやいや、まぁ試合じゃからしょうがないんだが~、お主も兄もそうかわらなんなぁ~」


「兄弟にしてもここまで似るのは、ちょっと引くよね」


ルイーズがローグに呆れた顔をしながら向けていた。


「それこそ兄弟なんだからしょうがないでしょ‼それにこれで決勝戦に出られるんだから」


「まぁ確かにそうだわな」


そう話をしていると、ローグの治療は終わった。


「とりあえず治療は終わったが、完治はしとらんわい。食うもん食って、ぐっすり寝ればきっと治るじゃろ」


カールスの助言を聞いて2人は控え室に戻った。


そう・・・その時は誰もが、まさかそんな事になるとは・・・

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