たまねぎののろい
おはよう太陽。
そんな気持ちで、窓を開ける。
あおぞら、あおぞら、あおぞら・・・
目に飛び込んでくるのは、一面の、あおぞら。
あおぞらの向こう。
雲の向こう。
ペンキで塗られた、白いはしご。
空へ続く、白いはしご。
左手をかける。
左足で登っていく。
気持ちはいつも半分。
一玉の、半分。
110g。
今日も、スライス。
芯から。
皮まで。
半分だけ、解体した思い。
半分だけ、取っておく思い。
右眼だけで見る雨。
左目で見るあおぞら。
積もった水が。
乾いていく。
スライスして、涙した。
朝起きたら、とても、とても、目が痛い。
きっと、寝ている間に瞬きをしなかったから。
夢を、見つめすぎた気がした。
しっとりした夢を見た時ほど、起きた時の外は、痛い光がいっぱい。




