[3]性の決定
[3]性の決定
では一体、生命体の性はいかなる機序により決定されるのでしょうか。
現代細胞遺伝学は、それが性染色体にあることを解明しています。すなわち、染色体には常染色体と性染色体とがあり、この性染色体によって性の決定がなされるのです。
人間を例にとりますと、人間は常染色体を44個、性染色体を2 個、計46個の染色体をもっています。ここで常染色体を44個とし、2 個の性染色体を男子ではXY、女子ではXXとそれぞれ表わしてみます。
通常の細胞分裂では、これらの各々の染色体は縦に分れて同形同大に二分され、分裂した娘細胞に分かれて入るので、幾度分裂を繰り返しても細胞の染色体構成は変わりません。
ところが、生殖細胞では減数分裂といって染色体が半減するように分裂するので、男子の方は22+Xと22+Yに、女子の方は22+Xと22+Xに分れます。
これが受精により合体すれば、染色体は44+XX,44+XY,44+XX,44+XY となり、確率的には五分五分に両性が発生することになるのです。(しかし、実際にはいずれの民族を問わず、わずかに男子の出生数が多いのが実情です。)