[1]性
[1]性
性とは、生命体の雄、雌の相対的差異をいいます。
雄、雌の性質は、同一の個体内にも多かれ少なかれ重複して備えられており、雄性質をより多く備えた個体を雄といい、逆に雌性質をより多く備えた個体を雌と呼ぶのです。
例えば、人間の男子には、男性ホルモン、女性ホルモンの両者が内在しますが、男性ホルモンが優位にあります。女子の場合にはこの逆です。
元来、存在物には生物、無生物に限らず、陽的性質と陰的性質があります。
例えば、物質構成の究極的粒子と考えられている素粒子にも、反素粒子があって両者が対になっていることが現代物理学で判明しています。
それは、1932年、カリフォルニア工科大学のアンダーソン(C.D.Anderson)が、宇宙線の飛跡のなかに、電子でありながら曲り方が電子と逆になっている素粒子を見つけ、陽電子と名付けたのに始まります。
さらにガンマ線が鉛などの重い原子にあたると陽電子と電子が対になって発生することがわかり、その逆に陽電子が原子のそばを通過すると、その電子と合体して粒子としての姿を消してガンマ線が現われることも現在では実験で確かめられています。
この陽陰の相対的性質は、素粒子から原子、分子、そして動植物および人間にいたるまで貫かれています。
すなわち、原子レベルでは、陽子、電子あるいは陽イオン、陰イオン、分子レベルでは陽イオン、陰イオン、植物では雄しべ、雌しべ、動物では、雄、雌、そして人間では男子、女子がそれに該当するのです。
このような相対する二者が調和合体して、より高次なものを構成しています。
すなわち、素粒子である陽子と電子が調和してより高次の原子を構成し、この原子は電子のやり取りによりイオン化し分子を構成しています。
そして、この分子は諸々の物質から生物にいたるまでの構成素材となっているのです。
一般的にいって、この陽的物質は能動的であり、陰的物質は受動的です。
生殖細胞を例にとると、生殖をつかさどっている細胞には雄生殖細胞と雌生殖細胞があり、前者は精子、後者は卵子と呼ばれます。
精子は運動性に富み、受精の際、卵子内に入り込むというように能動的であり、卵子は、内部に卵黄などの栄養物質を貯え、運動性を欠き、精子を受け入れるというように受動的です。
また、人間の男子、女子の一般的性格を例にあげても、これが理解できるでしょう。
陽的な性格とは、積極的、創造的、快活的な性格をいい、陰的な性格とは、消極的、保守的、沈静的な性格をいいます。
一般的に、男子の性格は陽的傾向が強く、逆に女子は、陰的傾向が強いといえます。
このような生命体の陽陰の二性が、相互に作用し合体して生殖が営まれ、新しい生命が誕生するのです。




