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消失天使②

 3日前 10:20 

 中東捕虜解放作戦開始時。


 機甲艦隊はフェニックス、大和を起用し、地上部隊掃討に当たらせ、朝倉準一の椿姫カスタムを前面に押し立てた支援部隊を編成。

 支援部隊の機は、椿姫を先頭に雷、フォカロルの数機で編成。

 その援護に米国軍、国連軍戦車隊。

 

 中東、イラン内捕虜収容所への襲撃は、イスラエル軍を筆頭に開始された。

 先頭に立つ準一の椿姫カスタムは、収容所周辺の対空陣地掃討の支援をする傍ら、ストリートに展開する旧型ベクターへの攻撃も開始した。

 しかし、それは早く終わらせなければならない。

 国連戦車隊の砲撃が始まるからだ。

 

『聞こえるか。エストラル3。米国軍のお出ましだ。爆撃が来るぞ』

 

 エストラル3、とは準一のコールサインだ。

 通常任務では編隊に組み込まれるため、3番目のコールサインを当てられている。

 

「了解。エストラル3より各機。アメリカの爆撃です。退避を開始してください」


 了解、の声と同時、支援隊は爆撃コースより逸れ、対空陣地への射撃を開始する。

 直後、米国海兵隊のスーパーホーネットがストリート一帯を爆撃。

 この爆撃は、行うとしか言われていなかった。

 爆撃するタイミング位言え、と思わなくもなかったが、それは二の次だ。

 

 ストリートが片付いたため、次の攻撃目標に向かわなければならない。

 次の攻撃目標は収容所周辺に展開する防衛隊。

 それを潰せば、国連の救出隊がヘリで収容所に向かい、救出隊が降り、救出が開始される。 


「支援隊はこれより防衛隊攻撃へ向かいます。エストラル3よりフェニックス、大和へ。火力が足りない、周辺防衛隊への攻撃を頼む」


 それを言うと、支援隊は準一を筆頭に収容所へ向かう。

 その上空を対地ミサイルが幾つか過ぎ、空に、地上に爆発が咲く。

 大和からのミサイルが着弾したんだろう。

 準一は着いてくる部隊員に合図を出す。

 それを理解し、支援隊は一斉にジャンプし、着弾の煙の中で体勢を立て直す防衛隊への攻撃を開始し、国連救出隊のヘリが収容所上空へ強制着陸し、隊員が降り、吸湿が開始された。 


 

 全ては、順調だった。

 作戦は無事に完了し、捕虜をフェニクスに収容し撤退を開始した直後だ。

 碧武の格納庫ケージに納まっているアルぺリスと朝倉準一は、同時に消えた。

 何の演出か、と思った人間もいたが翌日になっても朝倉準一は戻らず、政府からも何も通達が無く、どの組織も朝倉準一の消息を掴んではいない。

 

 現在、3日目。朝倉準一が消えた事を知っているのは機甲艦隊作戦参加部隊、碧武九州校だけだ。




 慌ただしい碧武九州校を余所に、朝倉準一は眠気が凄い事に気付くが、目を擦り重い瞼を開けた。

 周りを見ると、やけに開放感があった。外の景色が見えているからだ。

 しかも、景色は山。

 準一は自分の居場所を確認する。シートに座り、スーツ。

 一発で分かった。

 自分は、アルぺリスのコクピットに居る。


「何で……ここに?」 

 

 モニターを起動させ、サブモニターで現在地を探る。

 機甲艦隊の衛星とリンクしたモノなのだが『LOST AREA』と出るだけ。

 ロストエリア。

 自分の居場所が探れない。そんなに磁気の多い箇所なのだろうか。

 いや、そうであっても関係ない筈。

 携帯も無線機も持っていない。

 しかし行動あるのみだ。どこか分からない以上、機械魔導天使を降りる訳にはいかない。

 山の斜面に寝転がっているアルぺリスを起き上がらせ、歩かせる。

 すると程なく雪が降り始める。

 

「雪……冬なのか」


 呟き、少し向こうに道路が見える。自販機もある。

 1つ、確かな事が分かった。

 日本だ。


 道路である以上、車が通ってしまってはアルぺリスが目についてしまう。

 降りるか、と都合よく背もたれに掛けてあったコートを羽織るとハッチを開け飛び降りる。

 想像以上に寒い。

 アルぺリスを消す。

 そのままの足で自販機前に出る。取り敢えず財布を開けると万札が20枚ほど。

 千円札も数枚ある。

 コーヒーでも買うか。と自販機を見て違和感を覚える。

 気のせいだろうか、炭酸飲料のラベルが2つほど前のモノだ。

 余程田舎なのか。まぁ、目的はコーヒーだ。


 硬貨を入れ、コーヒーを押すと、ゴトンと取り出し口に落ちる。

 それを取り上げると、プルタブを開け一口。


 ふと、対向車線を見ると白いガードレールの間に階段がある。降りられるようだ。

 近づくと、下にコンビニがあるのが確認できた。

 準一は、飲み干した缶をゴミ箱へ投げ入れた。



「いらっしゃいませー」


 暖かいコンビニへ入ると営業スマイルのバイトが一言。

 準一は構わず新聞を手に取り日付を見る。 

 背筋が強張るのを感じた。


「う、嘘だろ?」


 その呟きに、アルバイトは訝しげな眼を送るが準一は気付かない。

 新聞の日付は準一の居た時代より前。

 


 ―――6年前の12月







 準一が過去に飛んで3日目。準一の消息を知らない親しかった生徒たちは心配していたが、結衣は様子が違った。

 初日こそ泣きじゃくっていたが、2日目の夜から様子がおかしかった。


「結衣?」


 授業の合間、カノンが結衣を心配し声を掛ける。「昨日から何か様子がおかしいよ?」

 普通に考えれば準一が消えた事、なのだろうが。


「や、やだな。全然おかしくないよ。ね?」


 答えた結衣は何か考え事を終え、疲れ切っている。

 見かね「兄さんの事?」とカノン。

 結衣は言葉を発さない。顔を下に向け、再び考え込む。


「結衣、悩み事か何か知らないけど、私なら相談に乗るよ?」


 カノンが言うと、結衣は顔を上げた。「そうだね。……これはカノンにしか言えないもん」

 自分にしか言えない? 兄の事だろうが、何か毛色が違う。

 カノンが聞こうとした直後、授業開始のチャイムが鳴り渋々席に着いた。



 昼休み、結衣とカノンは屋上に居た。


「じゃあ、話すね」結衣は一度息を呑んだ。「6年前の12月の事」

 

 カノンは頷く。


「兄貴が、あたしの為に喧嘩してた日。あたし、兄貴に会ったの」


 意味が分からなかった。兄に会った?


「ううん。ごめん、言い方が悪かったね」結衣は頭を小さく叩く。「小学5年生のあたしは、今の兄貴に会ったの」

「今の兄さん?」

「そう。本当にそうか知らないけど。今の兄貴とそっくりな見た目で。あたし、今まで忘れてて」


 忘れていて? 兄だとすれば、記憶操作術である忘却魔法を使用したのだろうが。


「ごめん、訳分かんない話だったね」


 カノンは意味が分からず頷くだけだった。




 コンビのの前でタバコを吸っていた準一は、自分の居る場所を把握した。

 意外にも福岡県内、北九州市内だった。

 まずは、本当にここが過去かどうか確かめる必要があり、タクシーを捕まえた。


「どこまで?」とタクシー運転手。準一は自分の自宅周辺の公園を言う。


  

 移動にかかった時間は、1時間程。金を払い、公園前で降りると、自宅へ向かう為、坂を下り、横断歩道前に出た。

 それを渡り、細道を進む。

 家はこの先だ。

 そして、家が目に入ったと同時、小学校5年生くらいの女の子が泣きながら歩いて来ている。

 見て、準一は気付いた。

 間違いなく、妹だった。

 朝倉結衣。


 接触は好ましくない、避けようと思った矢先だった。「お兄ちゃん?」

 幼い結衣に裾を掴まれた。


「お兄ちゃんじゃないよ、俺は」

「ううん。お兄ちゃんだよ。あたし、お兄ちゃんは間違えないもん」


 何て妹だ。と思うと雪が降り始めた。


「ほら、雪降り始めたから家に帰りな。寒いぞ。それに、お前の兄貴も待ってるぞ」

「ううん。お兄ちゃんは喧嘩に行ってるの」


 喧嘩? と準一は聞き返した。


「うん。あたしが苛められてて、お兄ちゃんが怒って」と、幼い結衣は準一の手を引っ張った。「お兄ちゃんも来て」

「お、おい。俺はお兄ちゃんじゃないって」

「お兄ちゃんだから来るの!」


 仕方ない、と準一は結衣に引っ張られるがまま大きなグラウンドのある公園に連れて行かれ、思い出す。

 この日、自分は5人を相手に喧嘩をしていた。

 

「こっちだ」


 準一は結衣を引っ張り、記憶を辿り、喧嘩をしていた人目のない細道に行くと、案の定正解だった。

 雪の中、自分は5人にリンチされていた。

 覚えている、上級生ばかりでボコボコにされていた。

 そして、うっすらと、バットで殴られる直前、誰かが助けてくれたのを覚えていた。

 それが誰なのか、ずっと気になっていた。


「お兄ちゃん!」


 結衣の叫びと同時、1人が倒れ込んだ幼い準一にバットを振り上げている。

 干渉する気は無かったが、黙っているつもりはなかった。


 飛び出した準一は、バットの前に腕を出し、それを受ける。

 そのバットを手に持ち、投げ捨て準一は5人を見る。


「5対1は男としてよくない。出直しな」


 の直後「バットで殴ったのに!」と1人が声を出し「化けモンだぜこいつ!」と一斉に逃げ出す。

  

「お兄ちゃん!」と泣きそうな顔で結衣は倒れている準一に近寄る。

 準一はため息を吐くと、結衣の後頭部に人差し指を当てる。


「悪い。忘れてくれ」


 忘却魔法を発動。

 結衣の記憶から16歳の自分を消す。

 一瞬でそれは終わり、準一がその場を去ると「君が招かれざるものか」と声が掛る。

 見ると、スーツの男だ。まだ30代くらい。かなり若いが長い白髪の男だ。タバコを咥えている。


「あんたは?」

「ああ」


 男はタバコを手に持つ。「僕は御舩義影だ」

 御舩? と準一は聞き返す。「御舩とは、京都の御舩家でいいのでしょうか」

 ああ、と義影はタバコを咥える。「立ち話も何だ。そこのファミレスにでも入らないか」


「え、いいですよ」


 御舩を名乗る男。自分の事を招かれざる者と言った。

 自分が、この時代の人間でないと知っている。

 少し警戒しながらも、義影と一緒にファミレスに入った。



 ドリンクバーからコーヒーを注いできた義影は、準一の向かいに座りタバコを咥えた。「さて、君の事を話してほしい」


「僕の娘は予知夢が見られてね。姉妹の妹の方だ。それが、君が来ることを予知してね」

「招かれざるものですか?」


 そうだ、と義影は煙を吐いた。準一も自分のタバコを咥える。


「君は、どこから来た?」

「6年後です」


 準一は煙を吐き、義影を見た。


「君の名前は?」

「朝倉準一です」

「では、朝倉君」と義影。「君の知る限り、6年後御舩家はどうなってる?」


 準一は煙を吐く。「南雲家と睨みあい、当主は御舩京華になっています」


「京華が?」

「ええ。この時代での現当主あなた、御舩義影は既にいません」


 そうか、と義影はコーヒーを啜る。「じゃあ、娘たちは?」


「あまり耳に入れない方がいいかと思いますが」


 一応、茉那の件があるので忠告したのだが、義影は「聞かせてくれ」


「分かりました。あなたの娘、御舩茉那、茉耶ですが。妹の方は魔術を発揮していますが、姉の方は学校で校長代理をしています」

「そうか……しかし、何故それに忠告を?」

「姉の方ですが、校長代理になるまでの過程が」


 一旦止め、準一は話した。慰み物になった事。実験紛いの事をされた事。

 それを先導したのは母親である京華である事。

 義影は、かなり驚いていた。


「そんな……何故、京華が。京華は2人を可愛がっているのに」

「変わってしまわれたようですが、原因ははっきりしています」

「それは? 何だ。教えてくれ」


 準一はタバコを一吸いする。「俺です」


「君が?」

「いえ、正確には僕の機械魔導天使です。京華さんは、それに魅せられたようで」


 そうか、と義影は背もたれに背を預け、タバコを灰皿に押し付ける。「聞かせてくれてありがとう。茉耶の予知夢は、当たったようだ」


「予知夢? 何のです」

「京華の事さ。茉耶は、お母様が豹変する、とだけ」

「いつ、かは分かりますか?」

「詳しくは知らないが、近い内に、きっかけは起こるらしい」

 

 切っ掛けか。と、ふと思い出す。

 この時期だった筈だ。


「義影さん。今は戦時中で間違いないですよね」

「ああ、ロシアとな……何故かな?」


 もしかして、と義影は続ける。「マルシフ・ノートじゃ?」


「何故知っているんですか」準一はタバコを灰皿に押し付けた。

「これでも今の御舩家の当主だ。堕天使の情報は入っている。現在のマルシフ・ノートだが、オホーツク海上のロシア海軍艦隊空母に載っている」


 干渉する気は無いが、見ておきたい。マルシフ・ノートがどうなるのかを。

 堕天使は反日軍へ。しかし、アルシエルは?


「少し、出て来ます」

「機械魔導天使でか? そりゃ無茶だ。姿が見えてしまうぞ」

「いえ、問題ありません。激しい動きをしなければ、姿を消すくらいは」

「出来るのか?」

「ええ、これでも、高位魔術師ですから」


 言うと、準一は席を立つ。「準一君。用事がすんだら京都に来たまえ。ウチに歓迎するよ」

 ええ、是非。と準一は店を出ると加速魔法で人気のない場所へ飛んだ。  




 夜間の空からは、オホーツク海の艦隊が良く見えた。展開の仕方も、空母の艦載機もだ。

 恐らく、今から日本へ向かうのだろうが、準一は気付いていた。


 既に、不明の機影が幾つも艦隊に向かっている。しかし、気付かない艦隊は発進する。

 そして、3km程進んだ頃、艦隊の前より幾つもの高速艇が迫り、艦隊は遊撃するが、別方向より航空隊。

 空母以外の駆逐艦、巡洋艦は沈められ、航空隊はヘリから空母に白兵隊を降ろした。


「ここで堕天使が奪われたわけか」


 準一が言って数十分後、空母からカプセルがヘリに運ばれヘリは飛び去った。

 しかし、空母にはまだ機械魔導天使、アルシエルが居る。

 残った部隊がアルシエルの監視に当たっている。

 アルシエルはどうやって奪われるのだろう、と準一が考えた直後、空母直上から何かが強制着艦し、巨大な飛沫が立った。

 準一は確認する。

 飛沫が晴れると、空母甲板には信じられないモノが居た。


 ――漆黒の翼を背負う、黒い天使


 ――機械魔導天使


 ――アルシエル


 バカげた光景だ。

 空母甲板には同じ機械魔導天使が2機居る。

 しかしあり得ない光景でもある。

 アルシエルクラスの機械魔導天使は、早々使える人間が居るはずはない。


「何て事かしら」


 アルぺリスコクピットの準一は、聞こえた声に目を見開いた。


「もう一度会えるなんてね」


 膝を着いたアルシエルはコクピットハッチを開ける。

 そのコクピットから少女が差し出された掌に立つ。


「降りてきたら? 選抜戦以来でしょ?」


 そう言った氷月千早は、妖艶な笑みを浮かべた。

 警戒しながら準一はアルぺリスを甲板に降ろす。


「あら、案外従うのね。意外だわ」


 その声を聴くと、準一はコクピットから降り、千早と向き合う形になる。

 すると、千早の後ろから見慣れた少女が顔を出す。


「ああ、そう。言い忘れてた。役者、本当に揃っちゃったから」


 千早の言葉の後、準一の口からは少女の名前が漏れた。


「エルシュタ……」


 すると、エルシュタは悲しそうな顔を浮かべ、準一に言う。


「ごめんね準一」エルシュタは続ける。「全部、思い出しちゃった」


 準一は息を吐き、エルシュタを見る。「だから、セットだったのか?」


「うん。アルぺリスの召喚を止めようとしたのは、アルシエルと敵対するのを恐れたから」


 だが、それは叶わなかった。

 止めようとしたのは叶わず、アルぺリスは召喚された。

 

「エルシュタ、お前は。コアに転移利用された後か?」


 エルシュタは無言で頷くと、泣きそうな顔で準一を見る。


「どうやら、エルシュタはそれを了承していないみたいだな、千早」


 泣きそうな顔のエルシュタからそれを読み取り、準一は千早を睨む。「どうやってエルシュタを碧武から」


「決まっているでしょ。攻め入ったのよ。あなたが留守にしている間にね」

「お前が?」

「いいえ。神聖なる天使隊がね。私は、それを掠め取っただけ」

「聞くが、学校の生徒達は無事なんだろうな」

「ええ、あくまで平和的にね。抵抗する間もなく、電撃作戦よ」

 

 そうか、と準一は再びエルシュタを見る。


「もうこの子は私のアルシエルのコアよ。逃げられやしない」千早はエルシュタの肩を抱く。「もう、あなたは準一の元へは戻れない」

「あなたは、そういう存在よ」


 エルシュタの目に涙が溜まる。

 明らかな拒否だ。


「準一!」とエルシュタ。「あたし! ヤダ! こんなの!」


 泣いている彼女は初めて見た。

 だったら、準一は彼女を泣かせないようにするしかない。

 一緒に住んでいるのだから。


「エルシュタ!」


 普段出さない大きな声、エルシュタは目を見開く。


「安心しろ。全て、俺に任せろ」


 準一が言うと「大きく出たからには戦ってもらうから」と千早はエルシュタを連れアルシエルのコクピットに飛び込む。


「まずは私の仕事から。アルシエルを私に届けてから」


 アルシエルは翼を羽ばたかせると、マルシフ・ノートの為のアルシエルを掴み上げる。


「それまで、暫しのさようなら」千早は言うと、アルシエルのサイドアーマーを空母甲板に向ける。


 まずい、と準一はアルぺリスに乗り込み、空母から跳ぶ。

 直後、空母はサイドアーマーの魔導砲の砲撃で爆発し、巨大な火球が浮かぶ。

 その煙を引き裂き、アルシエルは飛び去る。


「クソが」


 準一は呟くと、次に向かう場所を決める。

 御舩義影の待つ。

 御舩家。

 京都だ。


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