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首都東京侵撃戦③

すんません。短いです。きっと

かたくるしい文章だと思ったので、短くしました。

すいません



「へぇー……無人で」とコクピット内で、八王子でのアルぺリスの無人戦闘のモニタリング映像を見て、氷月千早は微笑む。


 コクピット。その狭い中にあるシートに取り付けた肘掛けに肘を置き、手の甲に顎を乗せ、左手で投影ディスプレイに表示されるモニタリング映像を払う。


「ねぇ。アルぺリスと同型機でしょ? あなたも、動くのかしら。無人で」


 首を曲げ、上を向き千早は言う。だが、喋る事の無い天使は、ただ沖に展開する魔導船の上で佇むだけしかしない。





 上陸隊は、揚陸艇より数十人の歩兵を展開し、空港から陸地へと入り込んだ。中には、魔術師もいる。

 対応に向かったのは陸上自衛隊、陸戦隊のベクター隊。や普通科連隊。

 ベクターは、台場に展開するマリンの相手をし、大井ふ頭方面では銃撃戦。

 そこで戦わない敵歩兵隊は地下鉄に流れ込み、先遣隊と合流。

 魔術師たちは、その使用可能の回路を使用し、陸戦隊などを翻弄している。



 一方で、七聖剣の1人。八千条巳六は、己の魔法を使用し、首都に入り込んだ魔術師を片付けた。展開魔法装甲と、彼の持つ怪力。高い運動能力の前に、魔法は効かず、敵の魔術師は呆気ないほどに片付けられた。

 すぐに、代わりと言わんばかりに敵は沸いてくる。人であれば、召喚獣や式神もいる。


「雑魚共が……」


 退屈そうに、刺激の足りない彼は息を吐くが、笑みを浮かべる。白兵戦は彼の楽しみだ。

 しかし、満足させるほどではない。

 かつてこの八千条巳六を高揚させ、挙句満足させたのは日本ではただ一人。

 朝倉準一だけだ。


「やはり駄目だ……貴様出なければ高揚しない」


 言うと、自分の武装である大鎌を振るい、その高い身体能力からの脚力で駆け、雑魚の掃討にあたる。

 




 アルぺリスは、東京湾へたどり着く前に戦闘に入った。

 魔法が使えない。正確に言えば使えないわけでは無いが、その魔法の使用に制限のかかった中での機械魔導天使での戦闘は、かなりきつい。

 準一は、アルぺリスを空に浮かせ、建御雷で展開した機械魔導天使群を撃墜していく。しかし、その天使は全て無人で、尚且つ兵力確保のための式神的存在で、一種の数合わせに近い。

 イラつき、そして姿を眩ませたカレンデュラ。だが目の前のモノが式神的、紛い物であっても集中していなければ致命傷を負いかねない性能は持っている。

 

 ―――クソ、加速魔法が使えれば


 舌打ちするが、それは叶わない。吸血鬼の姫たるクイーンの血による制約、いや呪縛だ。それが彼の魔法を縛っている。

 ただ操縦かんを握り、景色の流れるモニターに映る敵を、アルぺリスのデュアルアイに外付けした照準器で捉え、これまた取り付けたトリガーを引き、建御雷からの射撃。

 撃つたんび、瘴気に似たモノが飛び出し、舐めるように敵を討ち爆発。

 空に咲く爆発の華を避け、次の狙いを定め、トリガーを引くと同じように爆発が起こり、敵は撃墜されるも数は減っていない。

 一体、どれだけの札を使用しているのか見当もつかない事に、更にイラつく。

 心中では、心配事は2つ。アルシエルとカレンデュラ。

 彼女たち2人が同時に襲って来れば、戦闘はかなり厳しいものになる。

 そんな時、準一の付けていたインカムが鳴る。距離を置き、射撃しながら手をインカムに当て、出る。


『聞こえる? 私よ、ライラよ』


 何の用だ、と聞く前に伝えられる。


『クイーンが東京を攻める理由だけど、思いつかないわ。で、関係あるかどうか知らないけど、米軍かそれとも将又別の部隊か、それとも敵の上陸部隊か。東京の地下で悪さしてるわ』


 探し物みたいよ。と言うとライラ。探し物? その前に言った事はクイーンが東京ここを攻める理由が無い。探し物? シベリアで思い出す。彼女はフランベルジェのレプリカを持っていた。自分に対しての脅威だ。

 

「まさか」

『気付いた?』

「マジで勘のレベルだ……地下にフランベルジェが?」

『クイーンは吸血鬼としてしか動かないわ。基本的に、だけど』


 でも、ビンゴ。と考えて間違いない、との事。すぐに地下に向かおうと思った矢先だった。天使たちは、直線的な狙いやすい動きから急に複雑な動きに変え、アルぺリスに迫ると、その手に持った剣を突きつける。

 アルぺリスは上に避け、難を逃れるが次の瞬間には一撃を喰らわされ、コクピット内で準一は揺られ、アルぺリスは地面に落下。

 現在、八王子から1kmと進んでいない。

 椿姫の個所からは現在600mと離れていない。


「あら、もしかしてだけど気付いちゃった?」


 と聞こえる声。今は聞くだけで腹が立つ、クイーンシェリエスのモノだ。


「さぁ、どうだかな」

「変に使える知り合いと、ムカつく位に変に働く勘……生意気ね。まぁいいわ。大人しくしててね。あれが本当に私の狙い通りのモノか、確かめてる最中だから」


 言うと、カレンデュラはゆっくりと去っていく。

 させるか、と思いながら操縦桿を引く。だが、アルぺリスは反応しない。驚きながらも続けるが動かず、アルぺリスは勝手にハッチを開く。そのままうつ伏せになり、準一は半ば強引にコクピットから放り出される。

 あまりに想定外の出来事に、呆気に取られつつも、次の戦闘方法として椿姫を視界にとらえ、駆け、乗り込む。手早くシステムを立ち上げると、膝を付いた体勢のままミサイルを上方に展開する敵機へ向け打ち込む。 

 紛い物であっても機械魔導天使なそれらは、盾を張り、ミサイルを防ぐ。だが、背後から迫った悪鬼の格闘戦武装である刀に貫かれ、3機が大破。天使からの攻撃の前に悪鬼は下に逃げ、椿姫の横に並ぶと上方への砲撃を始める。

 悪鬼の持つ刀、刀身に熱を帯びたソレは貫きの際の摩擦熱で、余剰熱を越えたので、一度鞘に戻し熱を解く。ジュッという音の後、素早く刀を抜く。刀の刀身、熱のオレンジはガラスの様に上から割れていく。

 刀を振り下ろし、悪鬼は椿姫に通信ではなく、文章で指示を伝える。


『貴方の力になる』


 まるで機械的だった。文章だからどうかはしらないが。しかし頼りになるのは事実だった。椿姫は立ち上がり、大通りに出ると滑るように後ろにさがり、マシンガンを空に撃つ。悪鬼はそれの支援の為、椿姫より少し遅く続きながらミサイルをばら撒く。

 上方の敵部隊は2機から離れる。同時、航空自衛隊の支援が到着。大分すっきりした東京の空に、対空ミサイル群の第一波が到着し、敵の近くで起爆させる。

 間隔をあけてだが、空に爆発が広がる。


「行こう」と準一は悪鬼に言うと周辺マップを広げ、ベクターが地下にはいる為に穴をあけた東京テレポート駅に向かった。

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