私たちきっと仲良くなれますね
この状況はどうしたことでしょうか。
きっとこのことは私が知ってはいけないことだったのではないでしょうか。
もし今誰かに見つかったら牢屋に入れられる自信がございます。
ああでも、下手に表ざたにしたらこの方の将来に傷がつくかもしれませんね。では内密に処理でしょうか。口封じですねわかります。
ということは今日が私の人生最後の日となるんでしょうか。
ああ、こんなにもあっけなく終わってしまう命なら、もっと自由気ままに生きればよかったです。王宮で見初められるためのしたくもない化粧の練習なんかしませんでしたし、王子様の好みだという金髪の巻き髪にするために自分では気に入っていた黒髪に、毎晩毎晩染め粉をまぶすこともありませんでした。。
それよりも領地の収穫を上げるための農業研究に力を入れたかったし、下の兄からもっと剣術の稽古をつけてもらいたかったというのに。それに下の弟はまだ5歳で乗れもしない自分名義の馬があるというのに、なぜか私は逃亡防止ということで愛馬を取り上げられてしまったのですよ。
ああこんなことなら、昨日領地を出発する前に二つ下の弟に女装させて代わりに連れてくれば良かったのですね。ときどき女の子の格好をして出かけているのを私は知っています。それにあの子は私よりも社交的ですから、きっと今頃このような王宮の隅じゃなくて、サロンで他の姫君たちと談笑に花を咲かせていたのだと思います。
なぜ知っているのかって?私が手引きしておりますから。人を傷つけるようなことでもありませんもの。いつも頑張っているかわいい弟ですからそれくらいはしますわ。手伝う代わりに、ときどき私のお見合いを引き受けて、当たり障りなく断ってくれるのです。あの子も思う存分趣味の格好ができて、私も嫌な相手に会わなくてすんで助かっていたものですから。
えっ何もとがめる気はなかった?よければその弟を連れてきてほしい?話が合いそうだ?
そうですね、殿下とあの子なら合うかもしれません。こうしてみると二人は女物の服の好みが似通っているように見えます。
ああ、でも殿下は金髪がお好きなんですね。弟は最近赤毛にはまっているみたいですの。でも二人とも巻き髪が得意なようですからいろいろと通じるものがあると思いますわ。
ではすぐ連絡して私の代わりに……え?私も残るのですか。
いえいえ、あの子なら十分私になりすませますわ。私は領地で研究の続きを…
まあ、殿下の学術指南のかたに話を通してくださる?
それに王族御用達の馬に乗っての遠乗りも企画してくださる?
本当ですか?ありがとうございます。ぜひ一緒に過ごさせていただきますわ。
今度離宮に行くときは3人で行こう?ああ素敵ですわ。そのときは皆きっと楽しく過ごせますわね。




