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7 LINE交換

 しゅんとタケルに報告を終え、次の行動をどうするか考えていると、席の近くに聞き慣れた声がした。


「佐藤くん!」


声のする方に顔を向けると、そこには山本さんが立っていた。俺の名前を呼んで、ニコッと笑っている。まさか、山本さんから話しかけてくれるなんて。心臓が跳ね上がる。


しゅんとタケルは、俺とりんを交互に見て、ニヤニヤし始めた。


「山本さん、どうしたの?」


俺は慌てて山本さんの元へ向かった。


「あのね、この前は本当にありがとう。スーさん展、すっごく楽しかった!」


山本さんは、少しはにかんだようにそう言った。


「それでね、お礼を連絡したかったんだけど、佐藤くんのLINE、繋がってなかったから、交換できるかな?」


山本さんは、スマホを差し出しながら、俺の顔をじっと見つめた。その言葉に、俺は呆然とした。


LINE交換!?


まさか、こんなに早く、山本さんの方から言ってくれるなんて! 俺は心臓が口から飛び出しそうなのを必死で抑え、震える手で自分のスマホを取り出した。


「あ、もちろんだよ。俺も、山本さんのLINE、聞きたかったんだ!」


俺は精一杯の笑顔でそう答え、山本さんとLINEを交換した。指先が触れるか触れないかの距離で、一瞬だけドキッとした。


LINEの交換が終わり、山本さんは「ありがとう。またね!」と言って、自分の席に戻って行った。


俺は、スマホを握りしめたまま、その場に立ち尽くしていた。


「おいおいおいおい、りょう! 何ニヤけてんだよ!」


しゅんがニヤニヤしながら俺の肩を掴んだ。タケルも呆れたような顔で笑っている。


「いや、だってまさか、山本さんからLINE交換してくれるなんて思わなくて!」


俺は興奮が収まらない。今日、この瞬間のために、スーさんのキーホルダーはあったんだ!


「へっ、やるじゃねーか、りょう! お前も、ついにデレデレ組の仲間入りだな!」


タケルがからかうように言った。俺は顔が熱くなるのを感じながらも、その言葉を否定することはできなかった。だって、本当に嬉しかったんだから。


「これで、デートの誘いもスムーズになるな! 頑張れよ、りょう!」


しゅんが俺の背中をポンと叩いた。


「おう、任せとけ!」


俺は力強く頷いた。LINEも交換できたし、これで山本さんとの距離はさらに縮まるはずだ。

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