表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/20

1 まさかな共通点

 俺の名前は佐藤りょう。加藤タケルと田中しゅんと同じ男子バレー部で、クラスも一緒だ。


タケルが林さん(今は楓だけど)と付き合うことになって、あいつ、本当にデレデレしっぱなしで見てて笑える。


ここでタケルの詳しい話が聞きたい方はぜひタケル編を読んでほしい。


でも、実は俺も、同じクラスの山本りんのことが気になってるんだ。


山本さんとは、別にタケルと楓さんみたいに特別な接点があるわけじゃない。授業でグループが一緒になったり、委員会で少し話したりするくらい。


でも、あの、いつも楽しそうに笑ってる顔とか、真剣な表情でノートを取ってるところとか、ふとした時に目がいくんだ。


バレー部の練習中も、山本さんの事考えてたりすると、しゅんとかタケルに「おい、集中しろよ!」って怒鳴られることもシバシバ。


タケルがあんなに幸せそうにしてるのを見ると、俺も、山本さんともっと仲良くなりたいって気持ちが強くなるばかりだ。


山本さんとは、正直まだ挨拶くらいしかまともに話したことないんだよな。


どうやって話しかけたら自然かな?授業中に偶然隣になったりしないかな、とか、そんなことばっかり考えてる。


タケルは、楓さんにストレートに誘ってたけど、俺にはそんな勇気、まだ、ないな。


さて、どうやって山本さんとの距離を縮めていこうか。


ある日の授業中、俺は自分の筆箱を机の上に置いていた。ふと隣を見ると、山本さんの筆箱にも、見慣れたキーホルダーが付いているのが見えた。


カピバラのスーさん!


しかも、俺の筆箱に付いているのと同じ、ちょっとレトロなデザインのやつだ。


「山本さん、もしかして、スーさん好きなの?」


思わず声をかけてしまった。山本さんが俺の方を向いて、少し驚いた顔をした。


「え? あ、うん。好きだよ! 佐藤くんもスーさん好きなの!?」


本山さんの目が、キラキラと輝いた。その笑顔が、すごく可愛い。


「うん! 俺も好き! このキーホルダー、お揃いじゃん!」


俺は自分の筆箱を指差して見せた。山本さんも俺の筆箱を見て、「わー! 本当だ!」って嬉しそうに笑った。


「なんか嬉しいな! スーさん好きな人、あんまり周りにいないから!」


本山さんがそう言ってくれて、俺の心臓はドキドキが止まらない。まさか、こんな共通点があるなんて!


これって、もしかして運命ってやつか!?


「だよね! 俺も! どのキャラクターが好きとかある?」


俺は畳み掛けるように質問した。こんなチャンス、逃すわけにはいかない。


「えー、やっぱりカピバラのスーさんが一番だけど、鳥のムクさんも可愛いよね! 佐藤くんは?」


「俺もスーさんが一番だな! あと、ビーバーのけや爺さんも好きだぜ。」


スーさんの話題で、山本さんとの会話が弾む。いつもより、ずっと自然に話せてる気がする。


これは、もしかして、山本さんとの距離を縮める、大きな一歩になるかもしれない!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ