5・新宿月例報告会
新宿の城西連合会本部で行われる月例会・・
これはヤクザだけの会ではなく傘下グループや面倒を見てる店の報告会だ。
虎重「スカウトの罵弐打無も来ました。全員集まりました。」
親分「では始めるか・・」
とはいっても開始15分前だ。
夜の新宿で生きて行くには城西連合会に粗相があっては生きていけない。
まず最初に毎月の上納・・まずは・・
「今月分です。お納めください。」
「ドン・・」
親分「ふむ」
虎重「トクリュウ・・1000万・・」
そう言いながら帳簿に書き込む虎重
相変わらず安定した利益、上納額だトクリュウのグループは
テーブルの上に置かれたブロック(一千万)
そして続いて・・
「罵弐打無ですっ失礼しますっ」
「ドン・・」
ほう・・
こちらもテーブルの上に置かれたブロック。
まだ一度もブロックを置いたことのなかったスカウトグループだったが・・
親分「ふむ。よく聞いとるぞ最近忙しいのを」
虎重「まぁ、今スカウトグループは東京には一つしかないので・・」
様々な抗争を経て消滅合併を繰り返して一つの巨大組織になったスカウトグループ
虎重「バニーダム1000万・・・ご苦労さんっ」
「ありがとうございます」
そして次のコイツが今話題の問題児・・火着け役・・
「村雨ですっ失礼しますっ」
トー横グループ村雨会
「トッ・・」
親分「ふむ」
虎重「村雨・・1234・・・30万・・・」
「・・・っ・・」
「・・・・・っ・・」
「くっ!」
いつものように後ろでバニーダムとトクリュウが軽く笑ったのが分かった・・
これでも今月はかなり頑張った方だ。
他にもみかじめ料や個別相談金など、さまざまな人間が出入りして・・
黒服「失礼いたします・・」
「ドン・・」
どこかのボーイであろう男がこちらも一千万
黒服「これは当店から、もう一つ・・」
虎重「ん?別件個別か?」
3人の若手不良達もピクリとする・・
この黒服は『新宿の皇帝』の直属の黒服で新宿でも有名だ。
俺達3人の少し前の時代の新宿ではこの黒服、東郷が新宿を仕切っていた。
俺達は今でもこの人には頭は上がらない。
虎重「だが・・」
『アイツ』からはみかじめ料として店から直接貰っている。
だから別に追加で個人で払う義務はない・・
東郷「多少の騒乱が起こると思われますので・・」
虎重「・・・なるほどね。六本木との喧嘩ね・・」
お先にお納めください・・・
これは個別案件。もし喧嘩で『六本木のヤクザ』が出てきたらお願いしますと・・
親分「あれは久しぶりに華のある人間だ。しっかりと先にフォローしてやれ」
虎重「はいっ」
新宿のガキと六本木のガキが揉め出した話は聞いてる。
ガキ同士の喧嘩だけならいいがな・・
そして親分や虎重が去って行くのを深々と頭を下げて見送る3人。
東郷「じゃあ、俺もお先に・・」
「ざっす!」「っす!」「ざっす!」
自分達より先に退出する東郷にも軽く挨拶と頭を下げる。
親分や東郷が遠く離れて行くのを確認した後・・
バニーダム「成瀬に突っ込まれやがってよ!新宿が舐められたもんだな!」
村雨「ああ!?」
突っ込まれたって言っても・・
村雨「2~3人ちょっとやられただけだわ!」
ふぅ~ん・・2~3人頭カチ割られてちょっとねぇ・・
「まぁまぁ・・」
トクリュウの男が割って入り・・
気にすることねぇよ。やられたって言っても新宿の3軍村雨だろ?
まぁ、六本木とこじれて本当の全面戦争になったらよ・・
「出て行ってやるよ」
新宿が舐められてたまるかよ・・六本木が本気で来るなら・・
「新宿無頼武闘、爆撃がいつでも本物の喧嘩見せてやるよ」
村雨「くっ!」
新宿を根城にするトクリュウグループ爆撃
ここは本当にクズ共の集まりだ。典型的な半グレ集団だ。
同じ新宿だが、それほど仲の良い訳ではない3チーム。
村雨「村雨が返し(仕返し)やるから動くんじゃねーぞ!」
爆撃「まぁ応援が要るならいつでも言ってこいよ」
クソがトー横が舐めんじゃねぇよ・・
俺達はよ金も帰るところもねぇんだよ!負けられるか!