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東狂  作者: 火村虎太郎
23/23

23・東狂最終話・エピローグ・射程圏内・・

『0時』


「ラナさんっチカさんっVIP行ってもらえますかっ」


どうもVIPに居る八木原とダリアが軽く喧嘩してるらしい・・

本当、軽く、軽い恋人同士の痴話喧嘩だからぁ・・って。


まぁ私達二人に止めて下さいって事だ。VIPルームに入れば・・


ダリア「アナタの事務所に一時間ごとにチャカ打ち込んであげるわよ!!」

八木原「お前このアルマンドで頭カチ割ってやろうかコラぁ!!」


えっと・・軽い・・よな・・これ。


チカ「えーん。戦争が始まるぅー。ロシア対ロシアぁ」

ラナ「はいはい・・おそロシアね・・」


本当、この二人は激し過ぎるんだよな痴話喧嘩も・・

でも最近この二人の扱い方が分かってきた。


ラナ「はいっはいっ!分かりました!」


じゃあ、ちょっとお聞きしますが、貴方達いつエッチしましたか!?


八木原「い、いや・・それはようぅ・・」

ダリア「ぎ、義務よ・・その・・あれは・・しょうがなしに・・」


やってんな!やってんな!昨日か!?昨日か!?

本当この二人は恥ずかしがり屋なんだよなぁ顔真っ赤にしてさ。


ラナ「まぁ仲の良い事で。おほほほほ。」

チカ「何か合図とかあるんですか?」


今日エッチしよう・・の?


ラナ「教えて教えて!」

ダリア「いや・・それは・・大体この人が・・」


後ろからやさしく抱きついてきて・・


その後は何て言うの?何て言うの?昨日は何て言ったの?ねぇエッチしよ?


八木原「いや・・その・・・・・・・嫌でも抱かれろや・・・・」

チカ「ひゃーーーかっこいいー」

ラナ「毎日映画のラストシーンじゃん!」


いいなぁやっぱお似合いだこの二人は。

そうしてたら今度は・・


村雨「すいませんお二人、3番、4番テーブル急ぎでお願いします!」


駆け付ければ・・


奥田「俺が先にチカ指名したんだろうが!先に俺のテーブルだ!」

遠藤「お前はトー横のガキと遊んでればいいだろうが!こっちが先だ!」


あらあらチカちゃんモテ機到来ですね。


奥田「割るか!六本木ぃ!」

遠藤「やってやるぞ!エースオブドラゴンだl!コノヤロウ!」


あらら、激しいねこっちも。じゃあ言ってやって二人を凹ませてやるか。


ラナ「チカちゃん昨日村雨とご飯行ってたよ。ワンチャンあったかもよ」

村雨「ちょっと!ラナさん!ただ送迎のついでにご飯食べただけです!」


ああ?村雨ぇ!?


奥田「誰だっけ?えっと前回はお仕事で・・確か・・ですよね?」

遠藤「同級?同級だっけ?どこ中?」


くっそー!なぜ覚えてないんだよ!特に遠藤!


てかさ・・話変わるけど・・


遠藤「ラナなんか最近良い感じの男がいるんだって?」

奥田「おおーどこのどいつだ?何やってる人?」


いや、まぁ・・お仕事は何か大きな事業してるらしくてぇ・・


出会いは、私の常連さんが一度お店に一緒に連れて来られて、

その後流れでみんなでアフター行ったんですよ。


まぁすごい気になってる方でぇ・・

また会いたいなって思える人でぇ・・


ラナ「新宿の人だったかなぁ?」


ダリア「ああ!?ちぎられたいの!?」

八木原「戦争の準備だ・・・」

遠藤「何の事業してんだ!スカウトか!?トクリュウか!?」

奥田「新宿だぁ!?誰だって上等だコノヤロウ!」

村雨「トー横のガキじゃねぇっすよね!?」

チカ「えーん新宿オワタぁ」


あはははは本当新宿ってワードに反応するよなぁ

いつの間にか八木原、ダリアもVIPからこっち来てるし


ラナ「うっそでーす。でも六本木だったかなぁ?」


いや、それもそれで、てかそっちの方が気になる・・


遠藤「港区女子もすべてを使えぇ!どうせ港区男子かオジだ!探せぇ!」

奥田「ビーチっ全員すぐ動け!半端な奴だったらすぐ殺せぇ!」

ダリア「金なら出すわ!爆撃とバニーも力貸しなさい!!」

八木原「見つけて攫え・・本性見てやる・・」

村雨「トー横動けるか!?暇なやつ全員六本木だ!」

チカ「かすみさーん誰か聞いてないー?オジっぽーい。」


全員が片っ端から電話で指示を・・

だってあのラナが恋してるんだぞ!これは一大事だぞ!


ラナ「あははは。駄目っ絶っ対探さないで。」


あー、でも六本木じゃなかったかなぁ~どこの人だったっけなぁ~

あはははは・・


でもさ、みんないつも私の事心配してくれて本当にありがとう。


ダリア「言いなさいよ!」

八木原「そうだぞ!」

遠藤「何て言われたんだよ!?」

奥田「告白的な言葉あったんだろ!?」


いやぁ・・そのぉ・・・・


ラナ「・・・このつまんねぇ東京、俺と切り裂いてみるか・・・って」


・・・・・・・・・・・・はぁ?


ダリア「絶対六本木の男よ!」

八木原「悪くないな。」

遠藤「それ告白か!?ワンチャンもねぇぞそれ!」

奥田「いやっ、深いっ!深いぞ!」

村雨「かぁ!さすが六本木の男は違うな!」

チカー「えーんっマジ意味分かんなーい」


いいの。何か特別で違う色を持ってる人がいいのっ。


ラナ「じゃあみんなでぇーーー」


ほらっグラス持って!アルマンド開けるよー


六本木ぃ~・・


「かんぱーい!」「いぇー!」「かんぱいっ」


はいっ

♪チ~ムぎろっぽんっ♪チ~ムぎろっぽんっ♪


周りから見たらただの港区男子が調子こいてパリピってるだけに見えてるんだろうな。

でもさ、やっぱこれが、ザ六本木で、最高の場所と仲間だ。


『1時』


「じゃあ俺、阿夫利でらーめん食って帰るわー」

「あっ俺も行くわー」

「私は軽くすしざんまいー」

「私もお寿司行くー」

「俺は麻布で飲み直すわ」

「あらっじゃあ私も」

「ありがとうございましたーまた明日ぁ」



そして数時間後・・

『2時半』


ふぅ・・飲み過ぎたな・・みんなはもうちゃんと帰ったかな・・

まぁあれがあれば迷いはしねぇわな・・

今日も最高に楽しい一日だったな。

なぁ・・ダリアぁ・・


Do you remember?

なぁ・・覚えているか?・・・・・帰り道・・


「こっちよ!」

「ああ・・そうだ・・こっちだこっち。あれがあっちだから・・」


光輝く東京タワーさえあれば港区男子達は帰り道には困らねぇ。


仲良く寄り添いながら歩く二人・・


「風が気持ちいいわね・・」

「ああ・・」


本当、つまんねぇ維持張ってさ、悪かったよ・・

なぁ・・今夜・・


「嫌でも抱かれろや・・」

「ええそのつもりよ」


路上で抱き合い口づける二人が風に揺れ、やさしく東京タワーの光が写る・・


そしてたまには、こっちから・・


「・・愛してるわよ・・」

「・・俺も・・」


あと・・


ダリア「もうすぐね・・」

八木原「バーカ・・」


ここからが長いんだよ。若頭になったからって保証はねぇ。

今の親分が引退するまでミスなく過ごしたらだが、まだちょっと俺の歳も若すぎる。

まぁ34歳で指定暴力団一家総長を引き継いだ御仁も居るけどな・・


でも届く位置・・射程圏内には来た・・


ダリア「取りなさいよっ」

八木原「ああ・・」


勿論だ・・東京のてっぺんを・・


場所は変わって・・

『2時半』


チカ「えーんもう帰るのーラナー」

ラナ「はいはいっもうこんな時間だよ帰るよタクシーっ」


軽くお寿司のつもりが楽しくて長々と居ちゃったな・・

酔っぱらってるチカちゃんをタクシーに乗せて行き先を伝える。


ラナ「えーーーーーっと・・・」


・・まだ電話かけても大丈夫かな?いや先にメッセージなら・・


ラナ「遅くにごめんなさいっ」


まだ起きてるかなぁって・・

今日も遅くまで飲みに出てるかなぁって・・

もし暇だったら誘ってくれないかなぁ・・って


ラナ「行きます♪」


えへへへ~。ラナはまだ元気ですよ。

もしかしたらワンチャンあるかなーと思って体力温存してたんですよ。


また触れていたい・・いや、ずっと・・

何か・・アナタの、色と言うか・・特別な空気と言うか・・


ラナ「最近は六本木で飲む事が多いんですか?」


まぁ光り輝くネオンで遊ぶなら新宿か六本木しかないんだけど。


つまらない会話でも楽しくてさ。でもいい感じになってさ。

まぁこの人なら抱かれてもいいと思ってるし・・

でもみんなに怒られるかな?抱かれるよ・・私・・


ラナ「・・・絶対ヤクザ・・」


に。


服を脱いだこの人の体には和彫りの刺青。

そりゃ最近はヤクザじゃなくても刺青入れてる人多いけどさぁ、

この人は何かもう気配で分かってた・・そしてこれで確信。


ラナ「黒くて綺麗・・」


刺青にもこの人の色があるというか、全体的黒いのだがそれも似合ってて・・

でも本当にこの人にはすべてを引き込まれそうになる・・

何もかも失ってもいいやと思えるほどに・・


でも駄目・・六本木で生きて行くと決めたのだから・・

この人がどこのヤクザなのか・・六本木ならセーフ・・・

でももし新宿なら・・・


でも勇気がないの・・その一番大事な事を聞く・・

だから今日わざとみんなの前で言ってみたの・・みんな反応を見る為に。


新宿の人だったかなぁ?六本木の人だったかなぁ・・って。


だって、新宿の人だったらもう終わりじゃん・・

それじゃあ最初から出会わなければ良かったってなるじゃん・・


「さて・・・・」

「うん。帰ろ♪」


素敵な夜だった。でも今日はもう一歩勇気を・・


ラナ「あのぅ・・」


どこかは聞けないけど仕事を、いわゆるシノギだけでも聞けたらヒントになるかな?

スカウト系?トクリュウ系?お願いっ出来ればセキュリティー系で!


  「派遣じゃ・・・」

ラナ「へー。でもあるー。」


確かにヤクザって派遣したり建築経営したり多いよね。

それに港区男子も、金持ちオジもやってそうなとこ。ビーチもしてるし。

派遣って何か儲かるイメージよね。大手も小さな建築系も。

でもこの答えでもイマイチどっちの人なのか分からない。どっちもしてるしなぁ・・

六本木のヤクザでビーチ系の人なのかな?

いや、やっぱ新宿もあるかも。スカウト系の夜の派遣とか?


「・・ヤクザのな・・・・」


じゃあの・・ラナぁ・・




そしてラナの店・・


『3時半』


村雨「フロアの掃除終わりましたぁ」

黒服「じゃあもう遅いから村雨君も上がっていいよ」


あと、締めは、かすみさんとやっとくから。


かすみ「・・・ちっ・・」


おっと・・かすみさんが機嫌悪そうだ。

きっと売り上げ金が合わないのかな・・少し声を掛けずに待っておこう。


伝説の不良・・マジキチ・・プレジェイの先代総長・・

プレジェイは一騎当千、一人ですべてをぶち壊すほどの人物しか継げないチームだ。

その伝説、伝統を継いだのがラナだ。


黒服「いや、今は一人ではないのか・・」


名目上?特攻隊長、サブリーダー、副会長、代表代理と名乗るチカがいるが・・


黒服「いやいや・・」


チカはマスコット的存在で不良でもないしな。激弱だしな。

まぁ実質プレジェイはラナ一人のチームだ。

本当に謎だ。6000円くれるからって言っても簡単に譲れるチームではない。


かすみ「ふぅ~・・合った」

黒服「お疲れ様です」


そしてもう一度かすみさんに聞いてみる。

本当にラナが?無双の悪党?確かに引き金引いたのはずごい事だが・・


かすみ「・・私への最終決戦の時のラナの報告聞きたい?」

黒服「はい!」


ぜひ!

ラナにプレジェイを引き継いでもいいと思わせるほどの言葉が有ったはず・・

命かけて頑張りますとか、名を汚さぬようしますので是非私に・・とかかな・・


本当に悔しそうな顔して私に言ったのよ・・


かすみ「すいません、殺し損ねました・・・・・よ・」


引き金に手を伸ばしたんですが引けませんでした・・って

射程園内にいたのに・・

何か勘のいい奴のせいで・・


黒服「・・・・はい?でもラナは引き金を引いたはずでは?・・」

かすみ「あの娘、3発引こうとしてたのよ・・」


さっ、3発引こうとした!?八木原の2発を超える?

それに殺し損ねた?だ・・誰を?



『八木原とダリアを・・』



『東狂』完  ご愛読ありがとうございました。


少し最終決戦を読み返したくなるような終わり方になりました。

年齢は、ふわっとして確定させないようにしておりますが、何となく上下が雰囲気で分かるかなと思います。

東郷>八木原=ダリア=奥田>遠藤=爆撃>バニー=ラナ>>村雨=チカ>リリ


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