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東狂  作者: 火村虎太郎
22/23

22・最終決戦最終話・最後の引き金・・

あの最終決戦からしばらくたった六本木の片隅で・・


チカ「おーいこっちぃ!」

ラナ「おはよー!」


新宿からチカちゃんがウチの店に移籍。

これはダリアさんからの指示らしい。

でも本当この子は明るくて、もうウチの店でも大人気です。

ビーチやエースのメンバーもチカちゃんに指名入れまくってるし。


そしてラナの運転するバイクの後ろにチカが乗り・・


チカ「ねぇ見て!ビーチとエースが居る!」

ラナ「あはは。いつも通り」


これが六本木の光景だ。


毎日毎日、いつもいい服着て、綺麗なお姉ちゃん連れてさ・・

本当六本木で誰よりも輝いてる。


よしっじゃあちょっと挨拶・・


「ウォン!ウォン!ウォン!」


遠藤「おっ来たぜラナの出勤だ」

  「今日も元気だなアイツ等」


さてじゃあ・・


ラナ「おらぁ!プレジェイ参上だ!」

チカ「ちぎるぞぉ!ちぎるぞぉ!」


あの伝説のチームを引き継いだのはラナ・・


事務員「遊んでないで早く用意しなさいよ二人共っ」

ラナ「はーい」

チカ「かすみさーん!今日出る私の給料幾らー?」


店に居る事務員兼マネージャーのかすみさんは本当いい人だ。

でもなんか私がいつもタメ口聞いてるの見てる黒服はいつも顔真っ青にしてる何故?


かすみ「先月より多いわよ。楽しみにしてなさい」

チカ「わーい。ラナと焼肉行こー。」


てか・・


黒服「譲れるほどの人物なんですね・・」


ラナが・・あのプレジェイを・・

ダリアが辞退したとはいえ、正直ラナが?・・とは思ったが・・

ラナはまだ不良としてもキャバ穣としてもまだまだ微妙・・・

今後の成長を見込んでなのか、あの最終決戦の戦いの評価なのか・・


かすみ「・・・まあね・・」


無双の悪党よ・・あの娘は・・

それにキャバ嬢としてもかなり良くなったわ。

キャバ嬢としては正直すぎたのが良くなかったけど、吹っ切れたみたいね。

嘘も嫉妬も必要よ夜の女は。


あと、それと6000円。


黒服「はぁ?6?」


一日6000円くれるって。それで譲った・・私のいいお小遣いになってる。


黒服「ちょっと待って!安っ!いや・・」


月にすると18万・・いや・・それでも微妙・・てか絶対安い!


黒服「ダリアと八木原泣きますよ・・・」


命かけて狙ったチームが一日6000円?


かすみ「言うなよ」

黒服「何を!?」


6000円だって?それともかすみさんがプレジェイの先代総長だって?


そしてトー横では・・


奥田「リリっこれ炊き出し。みんなに配って」

リリ「奥田君いつもありがとう!」


なんなの?港区男子一人いるだけでトー横全員食っていけるんですけど・・


奥田「まぁ誰か面倒みないとな・・」

リリ「真面目に働いてるね村雨くん」


何か村雨君は不良の限界感じたって言って真面目に働きだした。

それでもトー横にはたまに兄貴ズラしてやってくる。


村雨「ラナさん入られます!急ぎ3番テーブルお願いします!」

ラナ「はーい」

チカ「私ヘルプ付きまーす」


村雨「あっ、いやチカさんも指名入ってます!VIPルームです!」


村雨は俺も六本木の男になりたいって言ってラナの店に黒服で就職。

まだまだ勉強中だが真面目に働いている。


チカ「ビップぅ~?」


誰だろ?チカちゃんも最近指名増えてきたな♪

ま、誰が来たって今日もエンジン全開で盛り上げちゃうよ!


チカ「コーンバンッワー!チカでーーーーーー・・・」



虎重「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

二階「・・・・・・・・・・・・・・・・・」




八木原「・・・・・・・・・・・・・・よぅ」



オワタ・・・

無理ぽ・・


二階「頭っ今日はとことん飲みましょう!」

虎重「本当、若頭就任おめでとうございます。今日は新宿が出しますので!」


ごりごりのヤクザ来たぽよ・・・・


チカ「そういうのはダリアさんの所行け!ダリアさんのとこっ!」


ちぎられろ!もうこっちは泣くしかねぇ!


ラナ「はいっはい。ラナ来たよ。泣かないの」

チカ「えーん!どヤクザが一杯いるのー。しかも恐いのー」



そして新宿のダリアは・・


ダリア「アルマンド信号機入れなさいよ!でないとちぎるわよ!」

お客「入れるし、ちぎってー。もう全部ちぎってー」


東郷「相変わらず人気だな・・・どMな客に・・」

黒服「でも分かる気がする・・」


俺もダリアさんになら、ちぎられたい・・


黒服「結局どうなったんすか?」


あの最終決戦・・

ダリアさんは何食わぬ顔で帰ってきて店に出てたし・・

何か急に村雨も羽振り良くなってめちゃくちゃ飲みに来てたし・・


東郷「ふっ・・・」


ロアに救急車が到着する前には、もう奥田の車はすでに病院に突っ込んでた。

六本木の各場所に居た港区女子達も力を合わせ近くの交差点全部止め・・

本当、六本木の底力を見せつけられた。絆の強さも。

何よりその日の内に10億現金で新宿に持ってくるとは大したもんだ。

運で勝ったのは新宿だが何もかも六本木には負けてるのを見せつけられた。


そう・・負けだ新宿の・・


ダリア「あー今月の売り上げ少ないわぁ、私泣こうかしら」

お客「もう一丁アルマンド信号機入れますぅ!」


まぁ、ダリアは泣かない。涙を見せたのはあの時だけ・・

あれもきっと懐かしかったというか今まで抑えてきた感情が僅かに溢れた出ただけ。

あっさり引き金引いたのも本当にすごかった・・

何かそこで出そうな気がして隣にいた俺やラナが一瞬止めに入ったほどだ。

俺とラナが手を伸ばそうとした瞬間にはもうダリアは引き金を引いてた。

ダリアは読みがいいというか、何か先を感じる力を持ってるような・・

八木原が助かったって聞いた時も「そう・・」だけ。

きっと助かると分かっていた・・いや、信じていたのか・・。

だがまだ会いにも行ってない。まだ新宿の女として生きてる・・


東郷「でもまぁ悲しいが・・・」


あと数日でダリアは最後・・・


黒服「店辞めちゃうんすか!?」


まぁ・・理由は何となく分かるだろ・・・やっとだよ・・

やっと『新宿』って看板が外れる。


東郷「だがもう誰も塗り替えられないだろうな・・」


ダリアの記録、記憶は・・・やっぱ最高傑作だったよ・・


そして戻って六本木


チカ「もうヤケ酒!高いのバンバン入れて今月のトップに立ってやる!」

ラナ「あらっ?私を抜く気?譲らないわよ」


ふふ・・無理だろうな・・


チカ「どうしてぇ?虎重さん」


虎重「もうすぐここにダリア移籍してくるぞ」

チカ「うわーーーーーーオワタぁ!でもうれしーーー!」

ラナ「あはははは。実は私知ってたー」



でも、これで私も踏ん切り付けれそう。


ラナ「・・・・・・・・・・・・・」

八木原「・・・・・・何?・・」




ねぇ八木原ぁ・・・


八木原「ふっ・・」


なんだ?近づいてきて・・甘えやがって・・触んじゃねぇよ!胸の傷跡!


ねぇ八木原ってさぁ・・あの・・その・・私の事・・


八木原「ぶははははは!」


そうだなぁ・・

じゃあ最後に言ってやろう・・これはまぁ・・・覚悟の言葉だ。


まだこれからも、もっと先にお互い進んでいくための・・・


チカ「お祝いだー飲むぞー!アルマンドーどーん!」

二階「ぶははは。開けろっ開けろ」

虎重「ほれっチカちゃんもっ」


「チラッ・・」


八木原「・・・・・・」

ラナ「・・・・・・」


一度2人がチラリと盛り上がる3人を確認。

今なら・・・一瞬なら・・


私も二回・・・二回目を引くの・・


「フワッ・・」


動き出したのはラナ


今はもう後悔しないために自分から動き出せる勇気があるの・・

あの時引けた引き金のおかげで・・


そしてこれは最後の・・・・幻の最後の引き金・・




「・・・っ」


一度だけ・・・最初で最後の口づけ・・



ラナぁ・・



「愛してたわ」

「・・・私も」

次話、エピローグあります!!!!

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