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東狂  作者: 火村虎太郎
16/23

16・成瀬・・か


その後双方が襲撃したり撃退したり、単発的に抗争は続いてる。

だがこの状況に共に無駄な疲弊はもう避けたいとの思いが・・


抗争のせいで収入が減っているのだ。

スカウトのバニーはスカウトできないし、ビーチもエースも仕事に差し支えてる。

これで双方が強く思う事は・・もう一気にカタ付けよう・・・だ。


八木原「成瀬ぇ店でもガードだけはしっかり付けてろ」


別に成瀬が蚊帳の外って訳じゃないぞ!


ラナ「・・・分かってる」


成瀬・・か・・


八木原に電話で念を押される。

これは個人の問題じゃなく大きな利権の絡んだ負けられない戦いなのだと。


いつからだろ・・ちょっと若者がヤリあっただけだったはずなのに・・

でも私も・・私が動いたのもやっぱり八木原とダリアの存在が大きかった。

新宿にバケモンみたいなキャバ穣が居る・・

歴代の記録、記憶まで塗り替えて行く・・

六本木のキャバ穣のエース格達も明らかに数字で置いて行かれてる・・

さらに不良としてもすごくて東京史上最高傑作なんて言われだしてる・・


負けたくない・・自分がと言うより六本木が。

六本木には八木原が居る!遠藤も居る!それに私だって!


でも足手まといなのかなとは思ってしまう。

何か今私が六本木の不良のアイコンだって言われてるけど、

ただ目立ってるだけで本当の王じゃないし・・


仮想の王を取られないようにただ閉じ込めてる・・

そう感じてしまう。


店に古くから居る黒服や事務員さんからは、

ラナはまだ不良としてもキャバ穣としても3流だって言われた。

・・でもそう。どっちも六本木の代表って言えるほどじゃない。

正直売り上げだって半分以上は六本木の不良達の地元びいき応援だし・・


八木原「・・・次の特攻がほぼ最終決戦だ・・」

ラナ「うん・・」


ラナは店から動くな。

これは作戦だ。ダリアを出さない為の・・


なるほど・・

誰よりもこの抗争で痛いのはダリアだ。

営業時間中に六本木が突っ込んでもラナ(仮想の王)も居なければ、

無理に行くことはない。店を抜ければダリアの売り上げ、店に大きな損害だ。


確かにダリアはやっかいだ・・あの遠藤させ撃ち落としたのだ・・


八木原「だから週末の営業時間中の特攻なんだ」


イコール、ラナも動かなくていい。ラナも店、仕事は大事だ。


八木原「たとえ六本木が負けても・・」


ラナのキャバ嬢としてのストーリは続くのだから・・


ラナ「・・・分かった・・」


ダリアの居ない新宿を潰す。まぁ確かに結果これで六本木の勝ちだ。


だが・・簡単じゃなさそうだ。

こっちは遠藤を筆頭にすでに動けない怪我人ばかりそれに新宿には・・


ラナ「爆撃がいる・・」


あの名門爆撃が・・


新宿のトー横の近くで・・


通行人「おわっ!なっ!なんだ!」

通行人「避けろ!避けろ!目が合っただけでも殺されるぞ!爆撃だ!」


歌舞伎町の通りを異様な集団が道一杯に広がり歩いてくる・・


チーム名の書かれた大きな旗を持つ真っ黒の特攻服姿の10人ほどの男達


村雨(恐っわーーーーー!!)


何だあれ?本当に同世代かよ!マジモンやん・・


爆撃「ようっ村雨ぇ」

村雨「おっ!おお!」


来るぞ・・・ビーチ・・六本木が・・・

これは最終決戦だ。明確に提示されたルールもある。


村雨「なっ、なんだ?」


どうすればいい?どうしたら勝ちなんだ?

確かに大人数の乱闘の決着なんて曖昧だ。


爆撃「お互いの誇り高き大事な旗を・・」


奪って自分の陣地に持ち帰ればそれが勝利だ。

相手を徹底的に叩きのめして・・

ダリアの待つダリアの店か、八木原の待つ六本木のラナの店か・・

単純な旗取り合戦みたいなもんだ。


村雨「よ・・よしっ。ばっ・・バニーはまだか?」

爆撃「・・来ねぇ」


えっ!?来ない?ちょっと待てよ、六本木が突っ込んでくるのに俺達だけ?


爆撃「明日・・いやもう今日か・・・」


ニュースに出るぞ・・まさかそこまでやるとは・・


村雨「きっ!来た!六本木だ!」


バイクの集団が近づいてくる・・


奥田「六本木の参上だこらぁ!」


「喧嘩だ!喧嘩!」

「見せろ!見せろ!」


喧嘩を期待する通行人や野次馬が騒ぎ出すが、そこに別の通行人が走ってきて・・


通行人「おいっ!あっちで人が2~3人ビルから落ちたってよ!」

通行人「またかよ!?新宿は飛び降り多いよな!でも2~3人?」

通行人「屋上テラスのパーティーで酔って足でも踏み外したんじゃねぇのか?」


村雨「えっ!?」


まさかウチの人間じゃねぇだろうな!?


通行人「さくら通り。一人はバニーの頭だ!生きてるけど重症らしいぞ」

通行人「マジかよ!」


バニーの溜まり場のビルか!?


嘘だろ!ガキの喧嘩だろ!トラック特攻の仕返しなのか?

そこまでやるか!?突き落としたのか!?


村雨「くっ!」


だが見た感じ人数は新宿のがちょっと多い

爆撃が10・・ウチが5・・六本木が8・・

勝てる!いくらビーチの奥田が強かろうとここには爆撃もいる。


爆撃「先に回り込んだ奴もいるぞクソが!前ばっかり見てたわ!」

村雨「くっ!」


そうか!先にバニーをやった奴がいる。多分もうすぐここに合流する。

何人だ?バニーを倒してビルから落とせるくらいだから・・


遠藤「よぅ・・」

村雨「うぐっ!」

爆撃「なるほどね・・・それね・・」


誇り高き大事な旗・・歴代のお先輩達から受け継いだ伝説の・・


そこには六本木エースオブドラゴンと書かれた大きな旗を持った遠藤が・・


村雨「なっ!全身骨折で入院中じゃねぇのかよ!」

遠藤「片手が動けばバットは振れるんだよ!」


あと、人も突き落とせるぞ・・


ひ・・一人でバニー潰ししたのか!?


遠藤「東京のてっぺん六本木の参上だぁコノヤロウ!」


舐めんじゃねぇぞエースオブドラゴン、3大メジャーをよ!


遠藤「爆撃ぃ!お前も泣かせて媚びらせてやるよ!」


無様に。落とさないで!落とさないで!ってな!


「うっ・・うわぁ!」

「俺無理ぃ!」


村雨「バカ!お前等!」


殺される!こんなの無理だ!

そう言って逃げて行く数人のトー横のメンバー


村雨「くっ!」


これで・・新宿11人対六本木9人・・

まずい・・どっちとも言えなくいなった・・


「ちぎれ・・・」


えっ!?嘘だろ!?


ダリア「片っ端から、ちぎればいいんだろうが!コラぁ!」


六本木だぁ?いつから六本木が一番になったんだ!

新宿だコラぁ!東京のてっぺんはここだろうが!

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