15・違う・・
いや、違う奥田じゃねぇ・・裏切る訳ねぇし、
奥田だとダリアの念押しが謎になる。
八木原「奥田ぁ今どこだ?十番?エディション虎ノ門のラナのガード固めてくれ」
奥田「・・・了解!」
再度奥田に電話で指示を出して運転手にもホテルエディションに向かわせる。
そしてその頃トー横では・・
「ねぇ遊び行こうよ俺達お金出しちゃうからさ」
「お金持ってないんでしょ?おごるからさ」
「いや・・でも・・」
村雨「ああ!?」
なんだアイツ等?ウチのメンバーの女の子に声かけて!
村雨「何だよお前等!どこのどいつだ!」
トー横は俺が守る!
「ああ!?ナンパするのに、どこのどいつって関係あるのかよ!」
クソっ荒れだしてきやがった俺達の楽園が・・
知らねぇ不良がトー横には女が要るって嗅ぎつけてる・・
「ちょっとこいよ!」
村雨「いってやるよ!」
不安そうな女の子をトー横に残し村雨は3人の若者と路地裏へ・・
村雨「ごはぁ!」
「クソがよ!」
何なんだよコイツは!仲間二人やられちまったじゃねぇか!
村雨「汚ぇぞ・・・3人がかりで!」
「ああ!?」
喧嘩に汚いもないだろうが!くそっ!もうカタ付けちまおう。
そういって男は近くにあった鉄パイプを拾い・・
村雨「くっ・・」
リリ「動画撮ってるよ!!!!」
そこにメンバーのリリが現れ・・
「ちっ・・行くぞお前等!」「ああ・・」「おう・・痛ててて・・て・・」
ふぅ・・
村雨「助かったリリ・・」
リリ「うん・・・」
まぁ丁度渡しに来たんだ・・
リリ「これ・・」
そういってリリから出された一万円。
公園に立つ女は最低一万円村雨に上納するのが決まりだ。
それが出来ない奴はトー横から出て行くのが決まりだ。
金が無くてもトー横に居れるのは最初だけ・・
村雨「おうっしっかり立ってんだな」
リリ「うん・・」
本当は今日は立ってない・・だけど払わないとトー横に居られないし・・
村雨「よしっ戻ってみんなでストゼロチューチューといこうぜ」
リリ「うん」
ここには仲間がいる。同じ苦しみ境遇持った仲間達がいつも笑顔で。
私たちの救いの場所、楽園。それがトー横。
そして戻って虎ノ門・・
運転手「着きました・・」
八木原「お前も降りろ」
このホテルエディションの近くには・・
奥田「遅かったな」
ふっ・・
さすが奥田よく理解してくれたな。
ラナが居るはエディションじゃない。オークラホテルだ。
すでに何人かボコボコにやられてる不良が居て・・
奥田「バニーの連中だ。」
やはり・・
運転手「うわぁあああ!」
逃げ出す運転手にこれで確定。
奥田「どうする?金でも積まれて裏切ったなあの野郎」
八木原「・・・・・・・・」
ひとまずチェックメイトはこれで凌いだ・・
だが裏切り者の処理は重要だ・・・
これは強力なメッセージだ・・六本木に裏切りは許さない・・
次の日の朝、東京湾に人が浮いた・・・
出頭したのはギンオウ会の貧乏ヤクザ。
ヤクザ「夜中に二人で酒が入った上でのささいな言い合いからです・・」
警察「それで海辺で揉み合って両方落ちただ?」
くそっ!監視カメラもない所で、明らかに量刑が少なく済むようにか・・
こりゃワンチャン無罪まであるぞ・・うまくやりやがって!
そして六本木にある病院で・・
ラナ「ふぅ・・」
何か急ぎ足だった一日が過ぎて、まるであの一日は夢だったんじゃないかと思える。
ラナ「遠藤ぉ・・・」
遠藤「うぐっ・・・おお・・ラナぁ・・」
ラナは遠藤の見舞いへ。
ラナ「起きなくていい!起きなくて!」
遠藤「・・わりぃ・・色々と・・」
あのバニーのトラック特攻で至る所が骨折しているエースの遠藤
顔も包帯グルグル巻きだ。
遠藤「実質奥田のみか?」
ラナ「うん・・」
六本木は・・
抗争の決着は曖昧だが、頭がヤラれれば・・それがなんとなく敗北だ。
遠藤「ウチの兵隊ラナに付けるわ・・」
ラナ「ありがとう・・」
まぁこれですぐにチェックメイトはないだろ。奥田取られてもまだラナが居る。
でもさ・・
ラナ「すごいよね・・」
エースオブドラゴンって東京のトップ3に入る有名チームなんでしょ?
伝説・伝統・・半端な奴じゃ継げない貴重な・・・
それをこの時代の遠藤が許可を得て引き継いだ。
遠藤「あと二つは当然知ってるんだろ?」
ラナ「・・・うん・・」
もう一つは爆撃だ。これもすでに今の時代の人間が引き継いだ・・
そして最後の一つ・・
遠藤「プレジェイはずっと空席のままだ・・」
しばらく何年も継承されてない伝説の不良チームプレジェイ。
前に引き継いだのはたった一人のキャバ穣・・
遠藤「まぁ、あれは・・・・いてて・・て・・」
ラナ「・・・あ、ごめんっもう行くね」
話すのも辛さそうな遠藤に長居は申し訳ない。
遠藤「ああ・・ありがとう見舞いに来てくれて・・」
今はしっかりと回復に努めるわ。
ああ・・そうだ・・
遠藤「・・・・・・・ラナぁ、お前八木原とはもう・・」
・・・もう居ねぇか・・・
まぁいいや・・ラナぁ、八木原ぁ・・
俺達の居るこの時代の六本木が最強で最高だって見せつけてやろうや。