14・トップ会談
新宿のダリアの店では・・
黒服「チカちゃんもVIP入って。どんどん飲んでもいいから」
チカ「はいっ」
なにか重苦しい空気になりそうなのを黒服が察知して、
ここの店でも一番明るく健康的なキャバ穣チカをダリアのヘルプに。
チカ「失礼しま~す。チカでーす。はじめましてぇ・・・・・・」
八木原「・・・・・・・・・・」
差し出した名刺にも目もくれない八木原
名刺を持ったチカの両手がずっと宙に浮いたまま固まっている。
チカ(嘘でしょ・・何この空気・・・大体何で・・)
ダリアさんもこの八木原さんって人の隣に座ってないのよ・・まさかの正面・・
空気おもーーー。
「チラッ」 っとチカがたまらず黒服の方を見れば・・
「コクッ・・コクッ・・」 っと黒服がうなずく。
いやっ!何が!これオッケーなの?
「パサッ・・・」
ダリア「何?」
八木原が取り出した一枚の封筒を開けるダリアそこには・・
ダリア「・・・参戦するのはセキュリティービーチ・・代表奥田・・」
明確にするために紙に書いて来た。この抗争のルールを・・
八木原の数多くの事業の一つがセキュリティー会社だ。
ここには多くの若者・・不良が集まるビーチの実質の不良チームだ。
そしてここの代表はビーチナンバー2の奥田だ。
なるほど・・『八木原が』参戦出来ないだけにした・・。
あくまでビーチは六本木の戦力。
じゃあ・・
ダリア「ウチから2点ほど・・」
八木原「・・・・・・・どぞ」
このビーチの頭が奥田という認識は『明日から』でいいのか?
そして曖昧な年齢制限・・不良の現役と言ってもお互いの定義も違う。
八木原のビーチにも30代や40代の関係者も多くいる。
ダリア「27位まででいいかしら?」
八木原「・・・・・・・・・・」
まぁそれくらいだろうな。街で実際殴り合う現役世代って言ったら・・
だが奥田が頭の認識は明日から?
この世界の明日ってのは大体・・
ダリア「今日のお日様が上るまでが今日」
まあ大体朝の6時くらいまでが今日か・・
八木原「・・・ガードは固ぇぞ・・」
ダリア「あはははは」
それを少し離れたところで見ている黒服達は・・
黒服「どういう意味っすか・・・」
東郷「朝6時までに・・」
成瀬さらえば、新宿のほぼ勝ちって事だ・・
それを分かって八木原はラナのガードは固いと言ったのだ。
黒服「すげえ先読み・・んでこれって実質の不良トップ会談ですよね・・」
東郷「・・・・・・」
いや違う・・もっと上・・
ダリア「・・・東京史上最高傑作は歴史に二人も要らないの」
八木原「・・・・同感・・・」
しかも同じ時代に・・
黒服「・・・チカ泣いてますが耐えきれずに・・」
東郷「ふむ・・・まぁ・・・ほっとこう」
後よく分からないのですが・・
黒服「不良の抗争って負けた方は・・」
東郷「まぁチーム解散か縄張り取られるか、金包むか・・」
ってとこだ。まぁとにかく金は大きく動く。
チカ「むむむぅ・・」
いやっダメ!こんなのでヘコんでちゃ!私もいつか超一流のキャバ穣に!
この空気さえ綺麗に切り裂いていく特上のチカちゃんを見せてやります!
チカ「チカちゃんっショットテキーラ行きまぁす!」
ダリア「うるさい黙れ。ちぎるぞ」
オワタ・・・もうショットテ・・の時点で、うるさい黙れ被せてきたし・・
何ちぎられる?何ちぎられるの・・絶対ちぎる・・ダリアさんだもん・・
八木原「・・・お会計」
黒服「はいっ!ありがとうございます!」
相変わらず無口ね・・
もう少し揺さぶってみようかしら。
ガードは固いのよね・・・
ダリア「虎ノ門かしら?」
八木原「・・・・ああ!?」
そう・・新宿からしたらここが勝負・・
もう何でもやってくる。強引にホテルにタタキに入るのも。
そして成瀬捕まえて猛烈なヤキ入れて降参させることも・・
いや・・殺してもいい・・これで明確な新宿、ダリアの勝ちだ。
六本木の不良のアイコン成瀬を取れば・・
だがなぜそこまで本気になる?
八木原「・・・・・プレジェイかぁ!!?」
ふふふ・・そう・・
ダリア「お互い忘れ物があるんじゃない?」
八木原「・・・・・・・・・・・・・・」
本当の東京最高傑作になる為には・・
若い現役時代の間にしか手に入れられない物・・
東京には歴史ある名門不良チームが三つある・・
爆撃・エースオブドラゴン。そして一番異質で輝いてるのがプレジェイ・・
このチームは異質だ。過去にも・・・
黒服「プレジェイ?」
東郷「ああ・・たった一人で爆撃、エースに対抗できるような人物でしか・・」
継ぐことは出来ない。それほど名誉あるチームだ。
ここ数年誰も継ぐ事を許されてない伝説のチーム。
東郷「最高傑作は二人も要らない・・か」
それは八木原とダリアだけじゃなく、
新宿と六本木の不良共も思ってるからこうなった・・
きっと夢を見た・・ウチのダリアなら・・・ウチの八木原なら・・
伝説を継承できると・・
八木原「ふっ・・」
なるほど・・そりゃ本気だ・・
でもそっちが何でもお構いなしに本気でラナ取りに来るなら・・俺ぁ・・
八木原「ラナ抱いたままでも引くぞ!引き金ぇ!」
ダリア「・・・・・・・・・」
チカ「ヤダっかっこいい!」
失っても構わねぇぞ!
そっちが本気で来るなら、こっちも本気の俺出すぞ!
東郷「・・・こちらへ・・」
八木原「・・・・今日は大声出してすまん・・店の客全員にアルマンド」
そういって高額な料金払っていく八木原
まだVIPルームで静かに飲んでいるダリア
チカ「ねぇかっこよくないです!?もう超好きになっちゃいました♪」
ダリア「そうね・・」
ラナ抱いたままでも・・・か・・
すべてを失ってでも守るって意味か・・
アナタにとってそこまでの女なの?・・
そして八木原は入口まで見送りする東郷に・・
八木原「・・・東郷さん・・・アンタ・・」
いくつだっけ?
東郷「27でございます・・」
なるほどね・・
常に一枚多い・・新宿が・・
八木原は迎えの車に乗り込みすぐに・・
八木原「奥田ぁ!い・・・・あ・・いや・・また電話掛ける」
・・・奥田か?誰だ?裏切り者がいる・・・
なぜダリアは成瀬が虎ノ門だと分かった?
八木原「虎ノ門急げ!」
運転手「はいっ!」
ラナ・・部屋から絶対出るなよ・・
例え・・奥田でも・・