10・場面 (ハッタリ)
東郷「お帰りなさい。もう指名客で一杯ですよ。疲れましたか?」
ダリア「チョロい」
店に向かう途中のダリアを東郷が待ち構える。
・・・よしっ!今だ!
村雨「急げ!トー横だ!早く来い!」
「おう!」
慌ててトー横に急ぐ村雨がダリアの横を通り過ぎて行く。
東郷「・・・ああいう所なんでしょうね・・」
金持ってなくて、不良の質も低い理由は・・
まず現場の根城にたまたま居ない事も持ってない男だが、
遅すぎる・・爆撃やバニーは今日には六本木が乗り込んでくると読んでた。
まぁダリアさんよりかは遅いがな・・
ダリア「・・・ラナ呼んで。てか連れてこい。」
ラナ?・・・
そりゃ、いきなりチェックメイトだぞ・・
ダリア「物語は作らせない・・・」
やはり一気にチェックメイトしに掛かってる・・
ダリアさんが言うのなら・・
東郷「バニーっ爆撃っ動けるか!?」
すぐに電話で・・
東郷「ラナさらえっ!」
躊躇うな・・
詰めれるぞ。まだ始まったかも始まってないかも分からない内に・・
これがダリアだ。
誰よりも一歩も二歩も早い。これがこの時代で突き抜けてる理由だ。
村雨「遠藤どこだ!?」
「あれだ!あれ!あの救急車!」
ふ~・・もう祭りの後。今は完全にセーフティーだから・・
村雨「待てよ!おらぁ!遠藤ぉ!出てこい!」
「バカ!止めろって!救急車だぞ!」
場面だ場面。村雨はヤベぇ奴だぞ~
救急車でもお構いなしにバンバン叩いて開けさそうとするぞぉ!
ここにはトー横の女共も見てるからな威厳・怖さを見せつけないとな。
遠藤「くっ・・・おろせ・・・」
救急隊員「バカ!動くな!顔面骨折してるんだぞ君っ!もう運ぶから!」
それに何をされたらこんなに体が動かないんだ?
全身打撲なのか?何か筋肉に大きな外圧が掛かったような・・
「・・・・・ァ・・・・ニィラ・・・・・・・・バーッ♪」
救急隊員「ん?なんだ?」
何かよく街で見かける高収入情報の宣伝トラックの音楽が聞こえてきて・・
「ニラァ!!♪バーニラァ!!!!!!!」
救急隊員「こっちに向かってる!うわぁああああああ!」
「ドガァアアアン!!!!!!!!」
なっ!
「バニラのトラックが救急車に突っ込んだぞ!」
「エグい!エグい!救急車グチャグチャ!」
「おいおい・・・中の人間死んでねぇか?大丈夫かよ・・」
村雨「嘘だろ・・・」
バニーだ・・
スカウトグループ、バニーの宣伝トラックが遠藤狙って突っ込んだ・・
なんだよこれ・・こんなの映画の世界じゃん・・
ガキの喧嘩じゃねぇじゃんよ、こんなの・・
ただ楽しく生きてたはずだったのに・・
「ヤバいヤバい!トー横から離れよう!」
「こんなの絶対また仕返しくるよ六本木が!」
散っていくトー横のメンバー達。
村雨「バカヤロー!!」
逃げんじゃねぇ!そこは俺達の生きる・・
いや・・俺達の唯一の生きていける場所だろうが!
そこを失えば・・大事なものまで失っちまう・・生きて行く意味を・・
もう誰も飛ばさない(自殺させない)
みんないつも最後はオーバードースして歌舞伎町のビルの屋上から夢を見る
自分は天に飛べると。
この先にある楽園へと・・
村雨「俺達に羽なんて生えてねぇんだよ!!!!」
もう誰も・・飛ばさねぇ!