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7 婚約破棄された侯爵令嬢は自由を満喫したい

完結済みでしたが、面白みがないので、書き足し中です。

今回、かなり短めです。

 コロンド家のロイナードに嫁入りした侯爵令嬢は、今回の作戦の準備段階から、嫁として?過ごした数日間を経て、久しぶりの休暇を楽しもうとしていた。


「やだ、どうしよう。何しよう。婚約して以来だもの。久しぶりすぎて、何をしたら良いかわからないわ!ああ、でもなんて開放感なの!!うふふふふあはははは」


 と、とりあえず、屋敷にいるのは不味いわね。呼び出しとかされたくないし〜。まずはここから逃げなくちゃ!と、侍女を呼び出すこともせず、身の回りのものを背嚢に詰め出す、侯爵令嬢。


 侯爵令嬢の旅行鞄が、何故、背嚢なのか。

 侍女を呼ばないのは何故か。


 そんな読者のツッコミをよそに、ゴキゲンな侯爵令嬢の旅の支度は順調にすすむ。


「平民服とぉ、下着とぉ、この間仕立てた格好いい冒険者風衣装とぉ、ふんふんふんふん」


 今回の作戦の囮役であった潜入捜査官、アーリエリアンナは、これからしばらく確保する予定の休暇と、自由の身である現状に大変満足していた。鼻歌が止まらないレベルに浮かれていた。


 この国に冒険者などという職業はないが、そんなの気にしない。


 彼女は常々、自身の婚約の白紙を願っていたが、今回、作戦上必要だからと、令嬢の立場としては、最悪と言える婚約破棄という形にされた。白紙と破棄では印象が全く違うし、その後の扱いも変わる。だが、侯爵家としてはともかく、アーリエリアンナ個人としては、婚約破棄でも別に問題ないし、気にしていない。


 行き場のない、恥ずかしい立場の傷物令嬢?寧ろウェルカムだ。

 捜査に必要となった婚約破棄もなく、あのまま問題なく結婚予定の家に送り込まれてしまったことを考えれば、現状はなんと幸せなことか。


 行き場のない、恥ずかしい立場ということは、輝かしい嫁入り先がなくなるということだ。なんて、有難い。


 国の捜査機関のトップである上司から、囮役を打診されたとき、喜びのあまり雄叫びをあげそうになってしまった、アーリエリアンナである。


 上司……王弟で公爵であるリードル。少し前までアーリエリアンナの婚約者であった彼は、ロイナードとの結婚は正式なものではない偽りのものだし、破棄は本当にするが、一時的なものであとで再婚約するだとかなんとか言っていたが、そこはスルーした。


 ていうか、復縁とか冗談でしょ?当然お断りします。恥ずかしい傷物令嬢のままで問題ありませんから!と、心の中では返事をしていたのだが、それを口に出すなんていう危険は冒さない。お口チャックである。


 アーリエリアンナには、前世の記憶があった。地球という惑星の〜というやつである。いち平民というか、平和な国の庶民であった。


 そんな彼女が、侯爵令嬢として暮らすのは、さぞ窮屈だったであろう……と思うかもしれないが、彼女の生家であるボーボルド家は、代々、国の捜査機関の中枢となる人材を担う家であり、3人いる兄弟の次弟以下の行き先の心配など皆無の家であった。分家は大昔に固定され、本家を支える人材を出すだけでなく、本業の方への人材輩出も必要とされていた。優秀な人間はいくらでも欲しい。それが、ボーボルド家と国の願いである。

 そんな家に久しぶりに生まれた高位貴族家の姫……それがアーリエリアンナであったが、上役や同僚となる家の者との政略結婚のため、美しく、優雅に、物語のお姫様のように育てられたかというと。そうでもなかった。2人の兄と1人の弟に挟まれ、男児である彼ら以上に、わんぱくに育ったのだ。


 まあ、この国のボーボルド家以外の貴族家の姫が、美しく、優雅に、物語のお姫様のように育てられたかどうかということについては……姫のイメージが崩れるのであまり考えない方が良いかもしれない。


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