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43 お城につきました!

 ハイホー!

 ミッドエリアから、森を抜け、ハイエリアへ!


 ハイエリアの貴族街を通る時には、ロバが煩く鳴いてしまったらどうしようと緊張しましたが、そこは空気を読める天才ロバさんたち。「ヒーホー!」を封印して、気持ち、パカパカ音も抑え気味で歩いてくれました。


 賢い!


 静かにパカパカ歩きながら、闇に紛れて生き、いや、辿り着きました。王城へ。


 城壁にある大門では、「こんな夜にどうされました?」と兵士に聞かれちゃいましたが、「ちょっと急ぎの用事で」とかなんとか誤魔化して入りました。


 あ、一応、王城の数少ない兵士たちは、普段よく出入りする上位貴族の顔を覚えています。門番は、いつも同じ門に立っているわけではないので、全ての門を担当できるように、しっかり顔や家名を覚える必要があるのです。


 お陰様で、自分の屋敷がある方向の門でなくとも、顔パスです。


 私もレーリスも顔パスで入れます。一応、身分証明書であるネックレスを首から下げてはいますけどね。


 王城には、王族だけでなく、男性貴族も割と頻繁に登城します。ですが、女性貴族が集まる部屋とは方角が違います。目的の部屋まで行ければ安全なのですが、途中の通路でバッタリな可能性はゼロではありません。


 ロバさん達もいるので、緑のトンネルのある庭を突っ切って行くことにしました。夜間でも、王城の庭にはところどころに灯りが灯されています。アーチ状の緑のトンネルのなかに、灯りはありませんが、足元に薄く光って見える石が敷き詰められています。緑の隙間から月明かりも見え、とても綺麗です。


 パカパカパカパカ

「ヒーホー!」「ヒーホー!」


 パカパカパカパカ


 もう音を立てても安全だとわかったのか、ロバたちはご機嫌に、パカパカ歩いています。ヒーホーの音量が絶妙すぎてビックリです。全力で鳴いたら、結構な範囲に響き渡りますからね。


 やっぱり、この子達、天才ですね!


 緑のトンネルは、結構長くて、途中で木の種類が変わります。

 トンネルが、つるバラのアーチになれば、目的地が近いです。


 パカパカパカパカ

「ヒーホー!」「ヒーホー!」


 バラの道を通り過ぎれば、光って見える石の小道を通って、王城の建物に近づきます。しばらく歩けば、子供の頃によく出入りしていたサロンが見えてきました。今度は建物沿いに進んで、夜間でも人がいる出入り口を目指します。


 そこで、ロバさん達とはしばしのお別れ。室内まで連れて行けませんので。


「ほら、レーリス、起きて!王城に着いたわよ!」

「う〜ん。もう食事の時間?僕お腹が空きました……」


 庭に入った途端、ロバさんの上で爆睡しちゃたレーリス。起きてすぐに、ブラックホール全開です。


 レーリスのナップサックに詰めてあげた食料は?


「もう全部食べました」


 そうですか……


 姉様、こんな時間に、調理場に潜入しなきゃダメなの?


 えーー。






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