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4 敏腕がすぎる下女の話

「私は普段この本宅ではなく、別の屋敷で暮らしていたから、うるさい家族一同揃っての食事会など我慢できなくてな。結婚とは良いものだな。両親も弟達も本邸から出て行き、領地の端の別邸にこもってくれる。これからの私は、この領地の主人として、自由に楽しく、メルマーだけを大事に生きていける……お前とは明日離婚し、明後日にはメルマーを妻にできる。メルマーの希望を叶えるだけでこんなに楽に幸せを掴めるとは。本当に私の女神は素晴らしい。私とメルマーを邪魔をする人間は消え失せ、この手には権力と金と愛だけが残るのだ。もう誰も私を叱りつけたり、あれをしろこれをしろと言わない。なんという解放感!!実に清々しい気分だ!」


「……」


 今日結婚して明日離婚ですか。

 はやっ!

 メルマーさん“達”だけでなく、あなた自身も、財産奪うためだけに結婚を決めたことがよくわかるお言葉ですよね。ふむふむ。ここは大事なポイントですね。


 まあそもそもが、私との結婚がなくても、数日以内には親族一同アレなことになっている計画で、あとはなるべく短期間に集められるだけ集めて、あなたと私にもアレなことにして……ですものねぇ。メルマーさん“達”的にはスピードが重要ですよね。


「明後日にはメルマーが信頼できる使用人達を連れて、嫁入りしてくるからな!今現在いる人間は皆うるさいし、給金を払うのは無駄なので、引き継ぎが終わり次第全員クビにする予定だ!新しい侍女やメイドや下女が仕事を覚えられない時は、お前がなんとかするのだぞ?お前がこの客間を使えるのも今日限りだ!客扱いもな!そうだ。まだ届いていない様だが、明日には夫婦の部屋に、ドレスや宝石を届けておけよ?メルマーが、豪華なドレスや宝石を楽しみにしていたぞ!」


 うわ~。全員クビと言うことは、代々仕えてくれている人も当然含まれますよね。

 貴族家として、一番やっちゃいけないやつでは?

 大事な人材を手放したら、家が回らなくなりますよ。

 それすらわからないなんて、流石ですね!!

 大体、平民のメルマーさんの下で働いてくれる信頼できる使用人って、貴族の家で働けるレベルの人ではないのでは?

 下町の食堂じゃないんですから。

 メルマーさんを主人と敬い、多分文字が読め、多分計算ができ、多分掃除と料理ができるなら、大丈夫とか思ってそうですよね。

 貴方も家の仕事すらできなそうだし。

 どーするつもりでしょうね?

 って、信頼できる使用人を連れてきて、普通に嫁活動する気でいるのはメルマーさんだけで、他の方は信頼できる印象ゼロなまま普通に取り繕う気もなく乗り込んでくるのでしょうけども。

 貴方や私には気づかせず、クビにした大事な人材を……ではなく、“残した”私達を怯えさせて命令に逆らわないようにするために、堂々と見せつけるように、アレしちゃうんでしょう。乗り込んできてすぐに。

 そうなったら、優雅にお姫様生活を送るつもりでいそうなメルマーさんが、一番ビックリしたりして。

 あ、想像したら、間抜けすぎて笑っちゃいそう!

 ダメダメ、我慢しなくちゃ。


「コホン。夫婦の部屋とは、蜂が巣を作ったから、立ち入り禁止にしているはずのメインルームですよね?もう入れるのですか?」


「蜂などいない。あの部屋は、壁紙やカーテンを新しくしているし、家具も新調した。お前が使ったお古をメルマーに与えるわけにはいかぬだろう?だから、立ち入り禁止にしたのだ!そう言うわけで、荷物はすぐにでも運び込めるぞ?持参金も確認したいと言っていたから、忘れずに運んでおくように!働き者のメルマーは当家の財産もきちんと自分の目で見て確認したいと言っていたから、それも、なるべく早く、両親や家令から保管場所を聞いておくように!全部まとめてお前が私とメルマーの部屋に持ってくるのだ!急ぎ税もあげるべきだと賢いメルマーは言ってたから、それも実現させるように!集めた金はメルマーが秘密の場所で保管してくれるそうだ。私にもナイショな安全な場所でな!」


「お飾り以下の、下女に、お家の大事な財産のことを教えていただけるとは思えませんけど。下女に税率をどうこうする権限……あると思いますか?」


「それはそうかもしれないが、お前は親が認めた嫁だし、侯爵家の人間だったのだから、家令ぐらいなんとでもできるだろう!」


「嫡男であるロイナード様なら、私にできもしないことをさせるより、後継として当然のこととして、全てを把握、管理できるのではないのですか?税のことも含めて、簡単に。ご立派な嫡男様なのですもの。(棒)」


「そうだ、私は嫡男なのだ。父上にもそう言ったのだが、まだまだまだまだ早い早すぎる!というか無理無理無理とか、伯爵家の後継教育を全然全く1ミリも出来ていないし終えられる気配もないだろうとか!色々ごちゃごちゃうるさいのだ。お前は、女だが後継レベルの教育を受けていたそうだな?無駄になったが王族に嫁ぐための教育も終えていると聞いているぞ。どこにも嫁に行けないような恥ずかしい傷物令嬢ではあるが、お前なら、今すぐ伯爵家のことを教えてもらえるはずだ。だから、お前がなんとかするのだ!わかったな?」


 まだ早いという以前に、そもそも、貴方じゃ教育の成果を期待することすら無理ですものね。

 伯爵家の後継教育を受け始められるレベルにないというか。

 判断能力が10歳児以下というか。いや寧ろ8歳9歳の子供の方が賢いというか。


 まあ、この国では無理があるあの法律のせいで、昔から色々不幸でいて、面倒なことになっていますけども。

 成人になる寸前ぐらいでの嫡男の病死届が異常に多かったり。


 よかったですね。

 貴方はまだ病死していませんから。

 今現在、国の役に少しは……ほんの僅かにですが、役立っていますしね。多分ですけども。


 ロイナード様、今回のこと。国関係なしでの単独ドボンなら、一家全滅でしたよ。

 命拾いしましたね。


 まあ、今だけの命かもしれませんけども~。

 貴方個人も、思考方向がアウトですからね~。

姉と弟の2人じゃなく、兄2人もいるので、教育がどうののあたり、修正しました。

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