32 怖すぎる話を聞いてしまいました。
リードル様のことも噂も気にしない方と言われて考えてみるも、この人だろうかと思い浮かぶ人は1人もいなかったアーリエアンナは、素直に尋ねることにした。
「その条件に該当しそうな方は、思い浮かびません。もしかして、私は知らない方ですか?お母様のお知り合いとか?」
まだ見ぬ素敵な方に期待が高まるアーリエアンナである。母の口から「強面ムキムキ」というワードは一度も出ていないが。
「貴方も子供の頃から知っている、ピンクアータ様よ」
「確かに、ピンクアータ様のことは存じていますし、変わった方なので、リードル様のことも、噂のことも確かに、全く気にされないとは思いますけど?それが何か?」
ここでピンクアータ様の名前が出てくる意味がわからず、疑問形で返事を返す、アーリエアンナに、母は困った顔をして、爆弾を落とした。
「昔の話だけれど。貴女とリードル様の婚約が結ばれた時、その知らせを受けたピンクアータ様が、かなり荒れられたらしくて。小さい頃のピンクアータ様は、貴女のことが大好きだったでしょう?なので、もしも、リードル様と破談になった時には、ピンクアータ様と婚約してもらえないだろうかと、アスターダ公爵様が。貴女をお嫁にもらうではなく、ピンクアータをこちらに寄越すから、考えてみて欲しいと仰っていて。カルードル様経由で、その申し入れをリードル様も聞いてしまって、結構揉めましたのよ?」
「えええっっっっっっっっ!」
嫌ぁ〜〜〜〜〜〜〜!
宇宙人の嫁、無理、絶対ヤダ!
淑女の仮面が床に落ちて粉々に割れる程の衝撃です。なんて、怖い申し入れ!嫌だったけど、子供時代にリードル様との婚約が白紙にならなくてよかった!
冒険はしたいけれど、宇宙には行きたくないのです!
未知との遭遇は、ピンクアータ様との出会い編だけで十分です。
怖い怖い!リードル様の3倍怖い!
どうしよ、逃げる?
って。子供の頃の話じゃない!
んもう!お母様ったら、お茶目さん!驚かせないでくださいな。
そんなことを考えていたのがわかったのか、母から更なる爆弾が投下された。
「ピンクアータ様は、小さい頃から変わったお子様だったけれど、大好きな貴女がリードル様に盗られてしまったと、貴女の婚約後に、奇行が激しくなってしまわれて。貴女が大好きで、貴女に憧れるあまり、彼の方の中で貴女っぽい、貴女みたいだと思える行動をされるようになってしまわれたの。貴女に成り替わりたいではなく、貴女になりたい、一体化したいという感じで。ドレスを着て、妹として貴女と一緒に暮らすだとか、同じ部屋で眠りたいだとか。危ない感じだったので、流石にアスターダ公爵様も、婚約の話は忘れて欲しいと言われて、貴女に接近させないようにしましょうということを決めましたの」
あっぶな〜〜〜!
宇宙人じゃなく、変態だったの?
ワタシキケン、ダレカタスケテ!!
怖くてブルブルしちゃってるアーリエアンナを置き去りにして、母の怖い話は続く。
「他家の子供も含め、子供時代の貴女達にそんな取り決めを知らせてしまうと、皆がピンクアータ様を避けてしまいそうでしょう?だから、ピンクアータ様が将来落ち着かれる可能性も考慮して、同世代の子供達には知らせない様にしました。このことは、王族を含めた王都の貴族の皆様もご存知のことです。ピンクアータ様の貴女への執着はずっっと続いていて、今でも接近は許していませんが、過去には何度か遭遇しているみたいですし、届くはずのない手紙が届いてますでしょう?おまけに先程の【アタラッシ】のジャム瓶に入れられたメッセージ。もし、貴女の婚約破棄のことを知られたら、どんな手を使ってでも、貴女にくっついて離れない様になるんじゃないかしら?」
確かに【アタラッシ】のジャムのラベルに書いてありました。
「貴女のピンクアータより愛を込めて」と。
痛くて怖いメッセージが、マジもんでしたのね?
私、泣いて良いですか?
もう、号泣したいです。
チーム宇宙人には、期待できないことはわかっています。
素敵な方、ここにか弱いお姫様がいるので、助けに来てください!
筋肉薄めでも、我慢します!なんなら、私のお小遣いもあげますから!
ヘルプミーー〜〜!




