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2 似たもの同士

 この国の責任ある立場の高位貴族として、「妻」になったばかりの貴族令嬢という立場で、「夫」になったと自覚しているであろうロイナード様の嘘偽りのない本心を、誰かに強制されることない状況で、しっかりきかせていだだきます。協力者や私が巻き込まれたら大変ですからね!成人されている、ロイナード様にはご自分の言動に責任を持っていただかないといけませんので、一言たりとも洩らさないように記憶します。記録の方も抜かりなくです。


「はい、承知しました。ですが、それを今この場で仰る意味がわかりません。そもそも、ロイナード様ご本人が無駄な婚約期間など飛ばして、平民の様にスピーディに結婚したいと、先日まで仰っていましたよね?ご両親からの無理強いではなく。」


「私が平民ではないという理由で、無駄に時間をかける必要はないではないか!とにかくだ!私は貴族として、貴族令嬢と結婚しなければならなかったのだ!」


「なるほど。とにかく早く貴族令嬢と結婚したかったと。でも、私が相手なのは本当は嫌なのですよね?それなら、顔あわせの時に断り、他の女性が良いと仰らればよかったのでは?別に両家の親に無理に押し付けられた政略婚でもありませんし。この話がまとまる前に、拒否されなかったのは何故なのですか?」


「べ、別に、お前との結婚が嫌なわけではない!この結婚には満足している!ただし、私がお前を愛することはない!それだけの話だ!理解しろ!」


 え~?

 妻も、その実家も、あなたの両親も、満足も理解なんてしたくないし、認めなくないと思いますけどね?

 普通は、拒否します!

 貴方じゃない全員が!普通は!

 ああ、もうこの声を聞いてるだけでも嫌になるぅ!


 でも、耐えます。耐えれば良いんでしょ?

 チッ!!



「他に愛する方がいて、その方は貴族ではなく、結婚はできない。だから、条件に合う貴族令嬢と結婚はする。しかし、その女性………私を正妻として尊重し、愛しい方を愛人として扱うのは嫌だと、そういうことでしょうか?」


「確かに、私には愛する女神なメルマーがいるが、平民という身分を理由に結婚できないわけではない!そして、メルマーを愛人にする気もない!だから、お前を正妻として扱うことはできん!」


 何それ?

 意味不明ですけど~?

 まあ、これまでボンクラのくせに隠し通していた恋人の名前が出てきたのは良いことですね。どんどん聞かせていただきましょう。



「ならば、そのメルマー様という方と結婚されればよろしかったのでは?私にはこの家の嫡男の妻としての立場や権限を与えないと言うことならば、メルマー様に、この家での正妻としての権限を与えられるおつもりなのですよね?私という妻が好きでもなく必要もないのなら、最初からメルマー様とご結婚されていれば、なんの問題もなかったのでは?」


「私も、愛するメルマーと結婚し、正妻になってもらいたかったが、優しいメルマーがお前の噂を聞き、結婚してあげろと言ったのだ!一度は高位の家の貴族令嬢と結婚してほしい、そうでないと、私の妻にならないと言ったのだ!」


 へ~。


「おかしな話ですね。貴族同士、しかも高位の家限定での結婚を条件に、既婚の人間の妻になるなどと………」


「メルマーの親族は前妻が裕福でないとメルマーが苦労すると思っているようだから、裕福であることが結婚の条件だ。高位貴族がというのは、たまたまお前が高位貴族出身だったから付け加えただけだろう。婚約破棄された傷物令嬢であるお前が、結婚できず困っていると知り、他の誰でもないお前と結婚との結婚を、自分の結婚の条件にすると言い出したのは、メルマーの優しさだ。お前なら、メルマーの親族も納得するしな」


「よくわかりませんわ。何故わざわざ後妻になる方法を指定されるのか。裕福というのは持参する財産が多い令嬢じゃないと困るということでしょうか?」


「そりゃそうだろう。メルマーには財産なんてものはないのだから、嫁入り前に用意してもらわないと困るに決まっている!それに、実はメルマーは、平民であることを気にしているのだ!だから、書類上の妻でしかないお前の上に、真の妻として君臨することで、貴族の血が流れていなくとも、貴族の女には負けない、立派な妻になれると思っているのだ!お前とはすぐに離縁するから、後妻ということにはなってしまうが、書類上でも真の妻になったメルマーは、女主人として、お前に世話をさせるつもりなのだ」


「え?離縁したら、元妻は実家に帰るのでは?」


「実家に居れないから結婚したお前に帰る場所などないことは知っている。だから、家には置いてやる。私もメルマーも寛大だかなら。メルマーは、お前の主人となることにより、自分が貴族生まれの人間の上になった実感が湧き、自信になる筈だと言っている。平民の出の伯爵夫人として、他所で馬鹿にされそうになっても、家では元侯爵令嬢を侍女どころかメイド、下女として、好きな様に扱える、王女のような存在なのだと、胸を張れると!」


 メルマーさんは、私を支配したい人なのですね~。性格怖っ!

 多分、他の人の意見が通るでしょうし、顔バレする社交なんて予定に含むはずがないですけども。

 お役目や、財産の行方をメルマーさんは理解できていないんですね。でもまあ、被害者にはなれないですね、非常に邪悪な思考をされているようですし、被害者ではないと。ふむ。

 それにしても、メルマーさんとロイナード様は、似たもの同士なのですね。ご自分に都合の良いように全てが動くと信じられるなんて、羨ましい限りです。

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