表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ミミズでからぬけ

作者: 緑卯

 『小石のような男』様の『イルミ×ナイト作品を創ろう企画』に参加させていただいた作品です。

 企画の詳細は後書きのリンクをご覧ください。

 ある所に、イルミ君というニワトリのエボル(喋れる動物)が居りました。

 ある日イルミ君は友達のナイト君というフクロウのエボルになぞなぞを出してみることにしました。


「ねえねえ。ナイト。僕いいなぞなぞを思いついたんだ。付き合ってよ」


「いいよイルミ。どんなのだい?」


 イルミ君はくすくすと笑いながらクイズを始めました。


「羽根があって、足が2本あって、トサカがあって、『コケコッコー』と鳴くものは?」


 ナイト君は呆れたような表情ですぐさま答えました。


「ニワトリ」


「正解……じゃ、じゃあ、次いくよ! ちょっと大きくて、くちばしがあって、空を飛んで、首がいっぱい回るものは?」


 ナイト君は呆れたような表情ですぐさま答えました。


「フクロウ」


「正解……」


 イルミ君は少しの間、悲しそうにしていましたが、しばらくするとますますやる気が出てきました。


「今度はもっと難しい問題を出すぞ!!」


「やめとこうよ。イルミが悲しくなるだけだよ」


「いいから! いいから!」


「分かったよ……」


「じゃぁ、いくよ! 長いのも短いのもあって、太いのも細いのもあって、つかむとヌルヌルして、潜る、美味しいものは?」


「今明らかに、イルミの主観が入ったよね」


 イルミ君は少し汗を掻きながら答えました。


「ハ、ハイッテナイヨ」


 ナイト君は少し悩みながらつぶやきました。


「まぁ、いいや。美味しいものと言えば、ひよこだけど……」


 イルミ君は今度は冷や汗を掻きながら言いました。


「い、今なんて言った? 僕の眷属の危機を感じたんだけど……」


「キ、キノセイダヨ」


 しばらくナイト君は悩むと、ハッと思いつきました。


「そうだ! イルミは僕が『アナゴ』と答えたら『ウナギ』と言って、『ウナギ』と答えたら『アナゴ』と言うんだろ?」


 イルミ君は得意げな顔で言いました。


「両方言ってもいいよ」


 ナイト君はモヤモヤしながらも答えました。


「アナゴとウナギだ!!」


 すると、イルミ君は勝ち誇った顔で笑いながら答えました。


「ハハハ!! 残念!! 『ミミズ』でからぬけだ(=出し抜いてやった)!!」


 ナイト君は爆笑しているイルミ君に腹を立てました。


「ミミズなんて美味しくないやい!」


 イルミ君は顎を突き出し、得意げに言いました。


「僕が出したなぞなぞなんだから、僕が美味しいと思うものを出して何が悪いんだい?」


「そ、それは……」


 反論できないナイト君を見てますますイルミ君は調子に乗りました。


「ハハハ!! は~面白い!! 長いのも短いのもあって……」


 ナイト君もますます腹が立って、イルミ君の言葉に割って入りました。


「も~いいよ!! 答えはミミズだろ?」


 イルミ君はニヤリと笑いながら答えました。


「ハハハ!! 残念。今度はヘビだ!!」

 初めましての方は初めまして! ご存じの方はいつもおおきに! わたくし、緑卯りょくうと申します。

 この度は『小石のような男』様の『イルミ×ナイト作品を創ろう企画』に参加させていただきました。

 この企画の詳細は下のリンクからご覧ください。

 そして、『小石のような男』様とわたくし緑卯のTwitterも載せておりますので、ぜひぜひフォローよろしくお願いいたします。


企画詳細→https://t.co/CqaKCdBOSr


『小石のような男』様 Twitter→https://twitter.com/koishiotoko?s=20&t=16qaK3zjeAX2vV8dm0g1mQ


緑卯 Twitter→https://twitter.com/RYOKUsyosetu?s=20&t=0HryKkQDT11wxtpSqdGxfQ


 今回は落語の『アナゴのからぬけ』というはなしを参考にさせていただきました。私自身も落語が大好きで、いつか2人のキャラクターにやらせてみたいなと思っていました。そこで、今回私は、イルミ君とナイト君という、性格は違うけど、仲良しで、可愛らしいキャラクターを知り、ぴったりだと思って出させていただきました。

 この噺の落ちを分からなかった人向けに解説すると、『からぬけ』とは『出し抜いてやった』という意味があるのですが、それに対して、『から』で空振り、『ぬけ』で抜ける、つまりヌルヌルするから持ちにくいという事をかけているということです。

 落語は独特の落ちに、言葉遊びなど、日本古来の『笑い』が溢れていますので、「あんまり分からなかったな」という方も、落語という芸を知っていただけたらなと思います。

 

 私自身は普段小説を書いているので、この企画で私の事を知っていただけた方はぜひぜひ、私の他の作品も読んで頂いて、よろしければ、評価と感想もよろしくお願いいたします。


 この度は素敵な企画に参加させていただいて本当にありがとうございました。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ