ゲルトゴル2
現在、ゲルトゴルは、仲間を助けるために、輸送している馬車を襲おうとしていた
「お頭!馬車が見えました!」
「そうか。野郎ども!仲間を取り返すぞ!」
「「「おおー!!」」」
馬車に向かって盗賊達が、走り出す
「敵襲!直ちに戦闘態勢になれ!」
騎士達は、すぐに気づき、素早く戦闘態勢を取る
戦闘は、そのまま乱戦になる
個々の実力は、騎士達が頭一つ抜けている。しかし、数では盗賊達が圧倒的だ
戦闘は、このまま泥沼化するかと思われたが、一箇所だけ、空気が変わる
「お久しぶりですね。貴方の名前が出た時は驚きましたよ」
「そうか?だが、今は随分余裕そうだな?」
「当たり前じゃないですか。私は、貴方が騎士団長を辞めた日から毎日厳しい鍛錬をしてきました。盗賊紛いのことをやっている貴方とは、もう次元が違います」
「ほう?お前みたいな雑魚が、ほざく様になったな?身の程を教えてやるよ」
先に仕掛けたのは、騎士副団長だ。距離を一気に詰めて素早い一閃を放つ
その動きは、最適化されており。およそ、騎士副団長が出せる最高速度であろう
しかし、ゲルトゴルは難無く躱す
ゲルトゴルは、騎士団長の座を剥奪され盗賊になってからは、毎日の様に命の危険と隣り合わせな日々を送ってきた
その中で、特に多いのは魔物との戦闘だ
騎士団長だった頃は、対人戦しかしてこなかったゲルトゴルは、魔物と戦い続けた
魔物は、人では真似ができない様な力を持っている
その力は、多種多様。さまざまな魔物と戦った
そんな、魔物達と比べると騎士副団長は遅すぎたのである
騎士団長時代の、対人技術と、盗賊になってからの、魔物との戦闘経験。今のゲルトゴルは、まさに人間の中でも上位の強さを持つ
「どうした?あれだけほざいてその程度なのか?お前、むしろ弱くなったな」
「ほざくな!」
こうして、ゲルトゴルと騎士副団長の戦いが始まった




