氷魔が来た
「誰か、いない?」
部屋に戻ろうと、玄関の前を通るときに声が聞こえてきた
そこには、リイドと同じ様に杖を持つ女性
「氷魔様ですね」
奥の方からは、秘書らしき人が来る
「イヤーカフ様が、お待ちです。ついてきてください」
2人は、2階に消えていった
これは、一度リイドを連れてお嬢様の所に行くべきだね。おそらく、直ぐにお嬢様の元に氷魔は、行かされるだろうし
そして、自分はリイドを連れてお嬢様の部屋に行く
コンッコンッ「お嬢様、いますか?」
「はい」
部屋の扉が開く
「何かありましたか?」
「氷魔が到着したので、その報告と、護衛です」
「そうですか。では、中にどうぞ」
部屋の中に入って直ぐにまた、ドアが叩かれる
「お嬢様、氷魔様が、到着しました」
「わかりました。入れてください」
ドアが開かれ、氷魔が入り、侍女が一礼して、扉を閉める
「あなたの護衛をする事になった。ヒエロ」
「わたしは、ピアス=シュミットです。そして、こちらの方が」
「俺はリイドだ。俺も護衛をしてる」
「あなたいらない」
「は?」
「魔力は、強い様だけど、隠そうとしていない。それだと、位置を教えているだけ。だからいらない」
「なんだと!」
リイドが、いらない扱いをされている
それにして、隠そうとしていない?漫画で良くあるみたいに、魔力が、体から溢れ出している。みたいな感じかな?魔力などの知識に疎いため、知らない事が多い
これは、リイドが魔法使いとして成長するいい機会じゃない?氷魔は、Bランクの魔法使いだ。学べる事は、多いだろう
「少し、待ってください」
「…?貴方は?」
「自分は、シンです。リイドとパーティーを組んでいます。護衛の事なのですが、自分とリイドは、邪魔にならない様に少し離れた場所にいます」
「おい、シン!何言ってんだよ!」
「リイド。少しうるさいですよ。…それなら、いいですか?」
「それなら、いい」
「では、自分達は部屋の外で待機しています」
「あの、シン様?」
「お嬢様、大丈夫ですよ。ちゃんと、何かあったら守れる位置にはいるので。リイド、行きますよ」
「ちょっと、待てよシン!」
リイドと自分は、部屋を出て扉の前で待機する
「なんで、こんな事するんだよ!」
「それは、リイドに強くなってもらうためです」
「どういう事だ?」
「リイドには、今から氷魔を観察して、その技術を奪って貰います」
「技術を奪う?」
「そうです。自分は、魔法使いではないので、リイドに魔法の提案や、戦う時の基礎を教える事しかできませんが。氷魔からなら、魔法使いとして、大切な技術を学べると思います」
「だからって、なんで、離れた場所にいるんだよ」
「視野を広く持てば、戦いの全体が見れるので、離れた位置にいます。とにかく、リイドはこの護衛の間に、氷魔から3つ技術を盗まないと、罰を与えます」
「おい、聞いてねぇぞ!」
こうして、護衛と一緒に、リイドの特訓も始まる




