ピアス、お父様と再会
「帰ったか、ピアス」
「ただいま帰りました、お父様」
屋敷に入り少しすると現れたのは、お嬢様のお父様だ
「盗賊に攫われたと聞いて、驚いたよ」
「心配をおかけして申し訳ございません」
「いや、今回は、弱い護衛を付けた私が、悪い。ところで、頼んだものはどうなった」
「ゲルトゴルに奪われてしまいました」
「そうか。だが、ピアスが無事でよかった。それで、後ろの方は?」
「今回、わたしを盗賊から救っていただいた方々です。数日間の護衛をお願いしました」
「そうか、ピアスを救ってくれてありがとう。私は、イヤーカフ=シュミットだ。しかし、護衛か、私は反対だな。まだ子供では、もしもの時護り切れないだろう。それに、護衛はもう頼んでいる」
「今度は、一体誰を雇ったのですか?」
「氷魔と言う、二つ名持ちのBランク冒険者だ」
「「「氷魔!!?」」」
声が被ったのは、侍女とお嬢様だ
侍女も、貫いていた沈黙を辞める
「旦那様。氷魔は、無愛想で、目的のためなら、なんでも切り捨てる方ですよ?」
「実力は確かだ。ピアスを守ってくれるだろう」
「でも!」
「ピアスに何かあったら大変だからだ」
「わかりました。では、わたしが個人的にこの方々を護衛として雇うのであれば問題はないですね」
少しの沈黙が続く
「わかった。だが、水魔も必ず同行させる」
「わかりました。それで、かまいません」
「水魔は、午後には着くそうだ。それまで、屋敷の中にいるように」
そう言い残し、旦那様は、奥の部屋に消えていく
「あんな言い方して、大丈夫なのか?」
「はい、大丈夫です。それより、部屋に案内しますね」
お嬢様は、歩き出す
「あの、先程言っていた、頼んだ物とはなんですか?」
「魔剣です。とても貴重な物なので、シュミット家の者が直接受け取りに来いと言われていたので、わたしが行ったのですが、その帰りに捕まってしまい、盗られてしまったのです」
自分が、アジトに入った時には、魔剣を感じなかった
つまり、アジトから持ち出されているという事だ
「どうして、魔剣を欲しがっているんですか?」
「前から調べている様ですが、わたしにも、わかりません」
「かっこいいからじゃねぇか?」
「普通は、国宝などとして扱われている魔剣です。かっこいいからでは、手を出さないと思います」
「じゃあなんでだよ?」
「自分達では、考えてもわかりませんね」
そんな話をしながら、廊下を歩いた




