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東方幻想夏記  作者: やまとく改二
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第五話〜八雲紫登場!!悪霊の存在!〜


河童、河城にとりの元を訪ねた霊夢とカズマは、帰宅する途中に居酒屋に寄った。

そこでカズマは、外の世界から来たと言う店長の高木と出会った。

高木と少し喋った後、霊夢とカズマはカウンターに座った。すると霊夢は、日本酒とおでんを注文した。カズマは何を頼もうか迷っていたが、最終的にはお茶とおでんを注文した。注文を聞いた高木は「はいよ!」と元気のいい返事をして、準備を始めた。

「貴方はお酒飲めないの?」

と霊夢は不思議がったが、

「はい、ちょっと苦手で。」

とカズマは誤魔化した。おそらく霊夢に高校生だから飲めないと言っても通じないだろう。高木は察したような感じだったので、高校生であるということは分かっているのだろう。

料理が出来るまでの間、霊夢とカズマはしばらく話していた。霊夢は外の世界がどんな所かが気になるらしく、積極的に聞いてくる。カズマは霊夢からの質問に一つ一つ答えた。霊夢はちょっと馬鹿にした様に笑っているが、こちらに来てからこんなに笑った霊夢を見たのは初めてだった。

また少し喋っていると、高木が注文した料理を出した。出汁が染みていて、とても美味しそうなおでんだ。

カズマが割り箸を割り、手をつけ始めた頃には、霊夢のおでんは三分の一くらい減っていた。そしてカズマがおでんを口に入れると、旨味が口いっぱいに広がった。

「美味しい。」

カズマは無意識に呟いた。

「はっはっは!そうだろ!元の世界じゃ料理なんてそうでも無かったけど、こっちに来てからはかなり勉強したからな!」

高木は自慢げに、そして嬉しそうに言った。

カズマが皿に残った最後の蒟蒻を食べようとしたその時、背後から声が聞こえた。

「あら霊夢〜カズマとは仲良くなれたのね〜。」

この口調、この声には聞き覚えがあった。

「紫!びっくりするから急に出てこないでって言ったでしょ!」

そう、スキマ妖怪八雲紫だ。カズマがこちらに来て三日目くらいで一度会ったが、その時にもスキマから出てきたので驚いたのを覚えている。

「おお、紫さんまでご登場か!今夜は賑やかでいいなぁ!」

高木は人間だろうが妖怪だろうが接し方は変わらない様だ。営業スマイルという奴だろうか、否、これはおそらく素だろう。

「紫さん、こんばんは。良かったら一緒にどうですか?」

「せっかくだけど、今日は遠慮しておくわ。霊夢とカズマにどうしても伝えなくちゃいけない事があって来たのよ。」

何故だろう、顔は微笑んでいるが、話の内容は真面目な様な気がした。

「どんな話なの?下らない話だったら許さないわよ。」

霊夢のこの態度は初めから聞き流すつもりの時にとる態度だ。そんな霊夢の態度は差し置いて、紫は話を始める。

「最近外の世界の人間が幻想郷に迷い込む事件が多発しているのは知っているわね、現にここに被害者が二人いるわけだし。」

外の世界から人間が迷い込むという事件の多発、カズマもその事件の被害者である為、この話は流せないと感じた。そして高木も、さっきまでの明るい表情は消え失せ、真面目な顔で紫の話を聞いていた。

「私が目をつけたのは博麗大結界の緩み、それは数年に一度あることなの。でも今回のはちょっと厄介なの....。」

いつの間にか霊夢も真面目な顔になっている。しかし何故だろう。この先を聞くのは何故か怖い、恐ろしい、そんな恐怖の念がカズマを襲った。しかし聞かなくてはいけない。元の世界に戻る為にも....。

「今回の結界の裂け目は人工的に切り裂かれたもの。霊夢、トラウマを蘇らせてしまうようで申し訳ないけど、犯人は八年前と同じ....。」

紫のその言葉を聞いた瞬間、霊夢の顔が青くなっていくのが分かった。

「悪霊よ....。」

その時、その場の時が一瞬止まったような気がした。




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