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東方幻想夏記  作者: やまとく改二
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第四話〜河城にとりを訪ねて〜


どのくらい飛んだのだろうか。霊夢に抱えられて博麗神社を飛び立ったのだが、もう三十分は経っているのではないかとカズマは考えていた。

「見えたわよ、あれが河童が住む川。あの川に住む河城にとりって言う河童は特に機械?って言う物に詳しいから、もしかしたら貴方の言う銃って言う武器も作れるんじゃないかと思ったの。」

「なるほど、だから河童を訪ねるのか。しかし、河童までいるとは幻想郷は広い。」そんな事を考えているうちに、霊夢とカズマは河童の住む川岸に着陸した。

「にとりー!いるんでしょ?ちょっと用事があるんだけど。」霊夢は川の方向を向き、大きな声でにとりを呼んだ。そして、「やあ霊夢、久しぶりだねー!何の用事だい?」そう言って川の中から姿を現したのは、帽子を被った青髪の少女だった。カズマはその姿を見て驚いた。カズマは河童と聞いていたので、頭に皿を乗せた亀のような姿の生き物を想像していたからである。

「おや?そっちの人は見ない顔だねー。私は河城にとりって言うんだー。君の名前は?」

「あ、はい、カズマと言います。外の世界から幻想郷に来ました。今日はにとりさんにこれを作って欲しくて来たんです。」カズマはそう言って、ポケットの中の銃の設計図をにとりに渡した。するとにとりは、子供が初めて動物園に行った時の様な顔をして、しばらく設計図を眺めた後、喋り出した。「これは見た事無い武器だねー。ちょっと時間が掛かりそうだー。」やはり流石のにとりでも銃は作れないのだろうか。そんな思考が頭を過ぎったのだが....。「一日時間を貰えるかなぁ?そうすれば出来るんだけど。」にとりの口から出た一日で出来る発言。「本当ですか!?にとりさん!」カズマは思わず大声を出してしまった。するとにとりは「うん!任せておきなよ。カズマも霊夢のお手伝いをするなら武器は必要だろうしね!」と快く引き受けてくれた。

「ありがとう、助かるわ。」

「ありがとうございます。」と霊夢とカズマが礼を言うと「いいっていいって!明日の夕方くらいにまた来なよ!その頃にはできてると思うから!」と言って設計図をポケットにしまった。霊夢とカズマは、にとりにもう一度礼を言い、霊夢はカズマを抱えて帰路についた。

飛んでから五分くらい経つ頃には、すっかり日が沈んでしまっていた。二人共しばらくは黙っていたが、霊夢の方からカズマに話掛けた。「貴方、お腹空いてない?もうすぐ人里だから、居酒屋にでも寄って行かない?」カズマは確かにお腹が空いていた。それに普段は外食等はしないので、カズマは霊夢の提案に賛成した。すると霊夢は、そのままゆっくりと人里に着陸した。

「この辺にね、美味しいお店があるのよ。貴方がこっちに来てからはまだ一回も行って無かったから、そのうち一緒に行こうと思ってたの。来れて良かったわ。」霊夢はなんだか嬉しそうだった。そしてカズマも「俺も霊夢さんと来れて嬉しいです。」と答えた。

二人で少し大通りを歩くと、いい匂いがする建物が見えてきた。そしてその建物の前で立ち止まると、「ここよ。」と霊夢が言った。結構年季の入った見た目だが、確かにいい感じのお店だった。

戸を開けて店の中に入ると、カウンター、座敷といった様々な席があった。店内を見渡していると、「いらっしゃい!霊夢ちゃん久しぶり!」と男性の店員が出迎えてくれた。「店長、相変わらず元気ね。」と霊夢は言った。すると店長は「ところで、こっちの兄ちゃんは見ない顔だの〜。霊夢ちゃんの彼氏かい?お主〜霊夢ちゃんを落とすとは中々やるの〜!」と笑いながらカズマの肩を叩いた。霊夢は「違うの、店長と同じで外の世界から来たカズマよ。」と説明した。それに続いてカズマも「カズマです。よろしくお願いします。」と自己紹介をすると、「あ〜、なるほどそう言う事か!儂は店長の高木だ!外の世界から来た者同士よろしくな!」と店長も自己紹介をした。「外の世界から来た。」という人がまさか居酒屋の店長をやっているとはカズマは想像すらしていなかった。しかし、もしかしたら店長の高木さんと話をしているうちに帰るためのヒントが見つかるかも知れないと、カズマはまた一歩進む事ができた様な気がした。


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