表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方幻想夏記  作者: やまとく改二
10/17

第九話〜白狼〜

登場人物紹介

カズマ この物語の主人公。暑い夏、学校に登校中に幻

    想郷に飛ばされた。


霊夢 博麗の巫女。八年前に悪霊に両親を殺害され、仇

   を討つためにカズマと行動を共にしている。


犬走椛 妖怪の山の警備をする白狼天狗。カズマの事を

    何故か気に入ったようで....。


奈落刃(ならくば) 悪霊の一人。自分が一度受けた技を真似

    して攻撃する程度の能力を持つ。


犬走邸で迎えた朝、カズマは目を覚ますと、布団の中に違和感を感じ、恐る恐る中を確認した。するとそこにいたのは恐ろしい人食い妖怪!....ではなく、丸くなった椛だった。いや、確かに部屋は三人一緒だが、椛は霊夢の向こう側の筈だ。何が起きたのか理解出来ずに、しばらく考えていると、椛もぱちりと目を開いた。

「やあ、椛さん。おはようございます。」

「あ、カズマさん。おはようございます...って、え!?」

椛は状況を理解したのか、布団から飛び出した。

「あのっ、私、その...ごめんなさい!癖というか本能というか....。その、うっかりなんです!ごめんなさい!」

椛は平謝りをしたが、カズマはさほど気にしていなかった。むしろ本当に犬のようで、可愛さがあった。

「大丈夫です。本当に犬みたいで可愛いです。」

カズマがそう言って頭を撫でると、椛は照れくさそうにした。

「うう、そうですか?」

「そうですよ、ちょっとわんって言ってみて下さい。」

「えへへ、わんわん。」

もう持ち帰って飼いたい....。

「おはよう、よく寝たわ。」

「霊夢、おはよう。」

「おはようございます。」

霊夢も起床したところで、三人は朝食の準備に取り掛かった。

「霊夢さん、カズマさん、昨日捕まえた魚があるんですけど、どうですか?」

「いいわね。頂こうかしら。」

「是非、頂きます。」

霊夢は炊飯、カズマは野菜と、手分けして料理を進めた。料理は思っていたよりもすぐに出来上がり、三人はそれぞれの席に並べた。そして三人は朝食を食べ終えると、しばらく話をした。

「そういえばカズマ、あんた銃の扱いには慣れてるとか言ってたけど、どれくらい慣れてるの?」

霊夢は昨日の椛との話で、どうしてもその事が気になっていた。

「どのくらい、と言われても、的とかが無いと見せられないなあ。」

それを聞いた椛は、「ああ、だったら!」と手をパンッと叩いて立ち上がり、庭へと案内した。そこにあったのは、刀の試し斬りなどで使用される藁だった。

「これでしたら丁度人ぐらいの大きさですし、的としては使えますよ?」

「確かにそうですね!ありがとうございます。それじゃあ、早速お見せします。」

そう言うと、カズマは部屋から銃を持って出てきた。そして、的から二十メートルほど離れると、銃を構え、狙いを定めて発砲した。的は五つあったが、全てほぼ同じ位置に命中した。

「わぁ....。」

「凄いわね。これなら本当に悪霊も倒せるかも....。」

「大した事は無いよ、まだまだ練習しないと。」

カズマはそう言うと、また銃を構え、さっきとは逆の順番で的を撃った。弾はやはり全てに命中した。

「霊夢さん、これ、もしかしたら私たちの弾幕より攻撃力が高いんじゃ....。」

「そうね、敵を『殺傷する』と言う意味では強いかも知れないわね。」

霊夢はそう言って立ち上がると、椛もそれに続いて立ち上がった。

「私たちも久しぶりに弾幕勝負なんてどう?軽くだけど。」

「いいですね!お供します!」

二人はカズマに声を掛け、弾幕勝負に向かった。

「準備はいい?行くわよ〜。」

「はい、何時でもどうぞ!」

椛の返事の後の一瞬の沈黙と同時に、弾幕勝負がスタートした。霊夢や椛の周りには、無数の弾幕が出現し、お互いを目がけて飛んでいった。二人はこの弾幕を全て回避した。しかし、避けても避けても襲いかかるお互いの弾幕は勢いが弱まるどころか、ますます強くなっていく。すると、椛はスペルカードを発動する。

「狗符・レイビーズバイト!!」

椛の叫びと共振するかのように、ジグザグの牙のような弾幕が出現した。しかし霊夢も負ける訳にはいかない。霊夢はその牙のような弾幕の中を掻い潜り、椛に急接近した。

「霊符・陰陽印!!」

「あっ!」

霊夢もスペルカードを発動し、その弾幕は椛の弾幕とぶつかり合い、消失した。

「...この辺にしときましょうか。いやー、久しぶりに弾幕勝負やったわ〜。」

「霊夢さん、相変わらず強いですね!私もいい運動になりました。」

弾幕勝負もほどほどに済ませ、椛邸に戻ろうとした瞬間だった。

「えっ....。この臭いまさか!」

「どうしたの?」

椛は何かの臭いを察知したようだ、すると椛は、すぐに千里眼を発動し、霊夢に見たままを伝える。

「霊夢さん!悪霊です、間違いありません!今山の麓を彷徨いています!」

「嘘でしょ!?それで姿は?」

「黒い浴衣の女の子....。でも、額には『怨』の形をした傷が....。とにかく、私はこの事を上に報告します!」

突然の出来事に驚愕する霊夢、そして、この事を報告しに行く椛。悪霊との戦いは、遂に本格的なものに発展する。

「....。よーかいの山、お腹減った...。もっと魂、食べる....。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ