第8話 5歳式!+ユーリ令嬢との出会い
今日は5歳式!だけど不安なことがいっぱいある…
1つ目は、5歳式の会場が変わったこと。
どうやら5歳式専用の場所から王城に会場が変わったようだ。
2つ目は、婚約者に初めて会うこと。
だって初めて会うからどんなことから話せばいいか分からないから。
3つ目は、5歳式は1日で終わるのだが、父が王都を今のうちに見せておこう。と言い出したから、5歳式が終わっても1週間は王都に留まることになった。だから、僕の家がある領。ウェリング領から1週間も離れる。将来この領は俺が担っていくから出来れば離れたくない。だって自然豊かで海はないけど、他の街から海産物が届くから美味しいものもいっぱい食べれるという、まさに最高の領だと言ってもいいくらい完璧だからだ。
4つ目は、今の馬車がすんごい揺れるから舌を噛みちぎらないか心配であるということ。
前世の車が懐かしい…
そういえば父に聞いておきたいことがあった。それは会場が何故王城になったのか?だ。
だって昨日父が王都に行ってきたんだから何かかしらは知っているはず。
「父上。そういえば何故会場が王城に変わったんですか?」
どうだ!
「それはだな。私がウンディーネとヒロトのことを話したからだ。だって話すなと言われてもどっちみち5歳式に連れていくなら早いか遅いかの違いだしな。あと王様が是非みたいと言っていたから…頼んだぞ」
ガシッ
肩を掴まれても困る。
はぁ…そういう事か、やらかした。でもやらかしでもないか。
どっちみちいつかはウンディーネのことが知られてただろうし。
そう言い聞かせて切り替える。
体内時計で数時間。
ようやく王都の門が見えてきた!
とても大きいです…
王都の中に入ると…あれ?思っていたのと違う。
俺の予想では屋根が綺麗に統一されているのだと思っていたが、全然統一されていなかった。
?! 街の中を馬車で走っていると、出店みたいなのが見えてくるが、ずっと奥まで続いていて品揃えも良さそうだ。
ウェリング領でも出店みたいなのはあるがここまで長くはない。
うーんでかい、父いわくこれは「10歳になったら入る学校だぞ」
…この世界にもやっぱり学校はあるか…
正直面倒くさそう。
…特に宿題とか
どうやらここが王城のようだ…
うーんとても大きい。流石王城!
馬車から降りて王城の中に連れられる。
うーんとても長い廊下だ。
しばらく歩いて行くと、
人の話声が聞こえてくる。
ここが5歳式の会場のようだ。
中に入って早速話しかけられた。
「君は…この精霊の契約者さんかね?」
若い人に話しかけられた。
「いえ。自分は寵愛者です」
と答えた。すると、
「寵愛者!?それは申し訳ない。それにしてもその歳で寵愛者とは…」
「はっ!申し訳ない。自己紹介がまだでしたな、私はラース・ハイベルクと申します」
「こちらこそ申し訳ありません。私はヒロト・ウェリングと申します」
自己紹介をしあった。ところで寵愛者に年齢なんて関係ないと思うのだが…これは心の中にしまっておこう。
「ウェリング領のところの…ん?ウェリング…はっ!娘の婚約者さんでしたか!」
はっ!この人がユーリ令嬢のお父様か!
「ユーリ令嬢のお父様でしたか!」
「おーいユーリ!ちょっとこっちに来い」
ユーリ令嬢を呼んでる…ひぇっ
「お父様。なんでしょうか?」
これが…ユーリ令嬢…はっ!結構見惚れてしまっていた。
ユーリ令嬢は金髪で瞳はピンクで顔も整っているとっても可愛い子だ。
まずこちらから挨拶しよう
「初めまして、ヒロト・ウェリングです。えーと、婚約者として精一杯頑張るので、これからよろしくお願いします」
ニコニコしながら話す。
「ユーリ・ハイベルクです。こちらこそこれからよろしくお願いします」
握手して会話は終わった。
「2人とも今日初めてあったのだったら今日の5歳式は2人で回って来なさい」
と言われた。男爵の子供と歩かせるなんてダメだ!とか言う人じゃなくて良かった。
「はい!わかりました!行きましょうヒロト様!」
「わっ!」
腕を掴まれてびっくりしたがちょっと楽しい。
今は会場を回っている。色んな食べ物があって面白い。
「ヒロト様!椅子があるのでちょっと休憩しましょうか」
といわれて椅子に座る。
「ところでヒロト様。私のことはユーリと呼んでくださいね」
「えっいいの?」
大丈夫かな…とても心配
「ええ!だってこれからのことを考えると堅苦しいからね」
「わかりました。ユーリと呼ぶのでその代わり僕のこともヒロトと呼んでください」
ウンウンこれで大丈夫なはず。こちらもユーリも呼び、あっちもヒロトと呼ぶ。うん完璧。これで公平。
「えっと。ヒロトじゃなくてヒロトくんじゃあダメですか?」
う、上目遣いは卑怯だぁぁぁ。
「いいですよ」
ニコッとしながら言う。ここでいいよと言えないのはダメ男だと思う。やっぱ気のせいかも…
「じゃあヒロトくん!王様の話があるから近くに行って聞いてこようよ!」
「うん。そうだね」
うちの婚約者は元気があって可愛いです。
王様だ。…王様は金髪のイメージがあったけど、髪の毛は白い…白髪かな?と思う。豪華な衣装で王様すげーとしかならなかった。
「えーコホン!皆の者よく集まってくれた!今日は自分たちの子供が5歳になったのを祝して〜」
「「「かんぱーい」」」
子供が主役じゃないのかよ!
子供を差し置いて酒で乾杯してやがる。
5歳式も終盤に差し掛かる所でラースさんに声をかけられた。
「そうだ!ヒロト君も明日も王都に留まるんだよね。じゃあさ、明日ついでにユーリも連れていってくれないか?」
と聞かれた。
うん?一緒に観光ですと!?
すぐに行きたい!と言いたいが、自制する。
「自分は全然大丈夫ですが、ユーリ…令嬢は観光について行っていいよと聞いてくれますか?」
「良いも何もそもそもこの話を考えたのはユーリですからな。じゃあ明日は頼みましたぞ」
と言われた。わーい!楽しみ!
「任せてください!防犯面はウンディーネがいるので大丈夫ですし、心配ないですよ」
とだけ伝えておく。
5歳式が終わったので、
会場から出る。
「んー。楽しかった」
背伸びをしていると、ウンディーネから話しかけられた。
「ヒロト様、さっき…というか会場に来た時から視線が凄いのですが…」
と言っている。
「ウンディーネは精霊だから仕方ないよ」
ユーリと一緒に会場に回っている時は姿を消して見守ってくれてたのでとても優秀であるが、もしかしたら視線から身を隠すために姿を消していたのかな?とも思えてきた。
「いえ。実は貴族の方々からちょっと性的な視線を感じて…」
視線は視線でも性的な視線はアウトだよ!
「そうだったんだね…。ウンディーネ、気づけなくてごめんね」
そもそもの話、ウンディーネは精霊でとても綺麗だし、珍しいから、これからはこういうことにも気をつけなくてはならないと思う。
不定期更新ですみません!テスト期間なのでちょくちょく更新になります!